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Jリーグ・サンフレッチェ広島の、熱心ではないけれどどうにも離れられない、いちファンのn…

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Jリーグ・サンフレッチェ広島の、熱心ではないけれどどうにも離れられない、いちファンのnoteです。 Twitter : @harotana

記事一覧

心機一転、新14番

 3月末、唐突な初夏をおもわせるような、いいお天気の日。ふと鼻先をお線香の香りがかすめた。お寺の敷地の脇を歩いていたときだった。まっしろな日差しをうけてザラザラ…

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2週間前
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なんでこんなことに(vsFC町田ゼルビア)

 なんでこんなことに……。  FC町田ゼルビア戦、目を光らすコールリーダーさんのすぐ近くで、必死に声を張りあげながら、ぼくは内心首をかしげていた。なんでぼくはこ…

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4週間前
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インフラ

 仕事を終えて帰ると、家の前の道路が工事関係者と工事車両でごったがえしていた。工事現場に立てられた看板には「地震につよい水道管に交換しています」。アスファルトが…

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1か月前
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苦手(vsヴィッセル神戸)

 以前このようなnoteを書いたからかなんなのか、先日、六花亭のマルセイバターサンドをいただいた。  記事にも書いたが、ぼくはレーズンがキライだ。できれば関わりたく…

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1か月前
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夢心地(vsサガン鳥栖)

 効き過ぎの花粉症の薬でも飲んだみたいに、目もとがぼわん……とした。目ん玉も、まぶたも、目のクマができるところも、なんだかずるずるとゆっくりすべりおちていくよう…

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1か月前
5

罵声はなりきりサンチェとともに(vsFC東京)

「ふざけんなてめぇ何度目だこのやろう!」 「いつまで抗議してやがんだてめえ」 「レフェリー、カード持ってきてねえのか!」  妙に通る罵声があたりをつらぬいた。まぁ…

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1か月前
8

黒縁眼鏡と黒いジャージ

 みんなのピンチを、あわてずさわがず、しれ〜っと解決。林卓人さんはそういうキーパーだ。よく通る声で味方を統率しつつ、シュートやクロスがとんできたらなに食わぬ顔し…

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3か月前
6

マルセイバターサンド

 レーズンがキライだ。去年の秋ごろの『ぶらサンチェ』、茶島さんがラムレーズンの入ったアイスクリームを食べてたのですら気に入らない。それくらいキライ。  あの、ぐ…

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3か月前
8

それでも大弥さんはウチの子です

 柴崎晃誠さんの引退を切り口に、今シーズンでもふりかえってみるか、などとおもいたってはみたものの、すぐにやめた。晃誠さんの話をすると、2018年の右サイドの"造り"の…

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4か月前
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かわらないおじさんたち(vsガンバ大阪)

 おじさんたちが、びっくりするほどかわってなくて、わらってしまった。  ことしのホーム最終戦であるところのガンバ大阪戦。エディオンスタジアムでおこなわれる最後の…

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5か月前
8

12日で36歳になるらしいけれど、まだまだがんばってくださいね

 もう先々週のお話になるのか。味の素スタジアムから帰ってすぐ、DAZNをつけてFC東京戦を見返した。すぐといっても、シャワーあびたり着替えたり、カラのペットボト…

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5か月前
6

ぼくの足は、あんなにあがらない

 われわれ運動音痴にとって、柔軟性ってやつは鬼門だ。学生時代、前屈で地面に手がつくことはななかったし、背中で手を組むこともできなかった。おもわず悲鳴があがるレベ…

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6か月前
6

冷静だった8分間(vs名古屋グランパス)

「マコが前?」  とコーチに確認するところからはじまった、松本泰志さんの名古屋グランパス戦。89分に加藤陸次樹さんと交代、追加タイム+7分で記録上は8分間の出場と…

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6か月前
22

岳人さん、なんでかえられちゃうの

 ヴィッセル神戸戦の試合まえのセレモニー。記念のお花をパパにとどけようと、いっしょうけんめい歩くお子ちゃんを、うれしそうに待ってる野津田岳人パパを観てから、ぼく…

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7か月前
12

"身勝手さ"大歓迎!

 加藤陸次樹さんは、ときどき身勝手になる。  ふだんの陸次樹さんっていえば、チームのために全力で戦える選手。チームを助けようとアタマをフル回転させ、ピッチをかけ…

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7か月前
14

土下座ならいくらでもします親分(vsサガン鳥栖)

 塩谷司親分の蹴ったボールが、ピエロスさんにむかって、まるで相手選手をかたっぱしからおしのけてくようにしてつきすすむ。ロングフィードで相手サイドバックの領地を荒…

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7か月前
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心機一転、新14番

心機一転、新14番

 3月末、唐突な初夏をおもわせるような、いいお天気の日。ふと鼻先をお線香の香りがかすめた。お寺の敷地の脇を歩いていたときだった。まっしろな日差しをうけてザラザラ光るブロック塀そのむこうで、お墓に手を合わせているひとがいたようだった。「冬場いけなかったし、せっかくのお天気だからお墓参りにでも」ということだったのだろうか。

 人間にかぎらず、あたたかくなるとなにかと活動的になるもの。数日まえは、ぬか

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なんでこんなことに(vsFC町田ゼルビア)

なんでこんなことに(vsFC町田ゼルビア)

 なんでこんなことに……。

 FC町田ゼルビア戦、目を光らすコールリーダーさんのすぐ近くで、必死に声を張りあげながら、ぼくは内心首をかしげていた。なんでぼくはこんなところでチャント歌ってんだ?

 ホントは今回の町田行き、やめるつもりだった。先週から右のもも裏を痛め、しばらくまともに歩けなかった。多少マシにはなったけど痛いは痛い。しかも4月3日の天気は雨だと。なぁにが悲しくて、足ひきずりながらス

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インフラ

インフラ

 仕事を終えて帰ると、家の前の道路が工事関係者と工事車両でごったがえしていた。工事現場に立てられた看板には「地震につよい水道管に交換しています」。アスファルトがはがされ、下の土が一直線に掘り返されていた。そういえば家の冷蔵庫に「水道管工事のお知らせ」の紙が貼ってあった。

 警備員さんの誘導にしたがい、せばまった道をすりぬけ、マンションまでたどりつく。入り口のまえには、ツナギを着た強面の職人さんた

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苦手(vsヴィッセル神戸)

苦手(vsヴィッセル神戸)

 以前このようなnoteを書いたからかなんなのか、先日、六花亭のマルセイバターサンドをいただいた。

 記事にも書いたが、ぼくはレーズンがキライだ。できれば関わりたくない。とはいえ、ひとからいただいてしまった以上"食べない"もない。ついでに長年、マルセイ"ユ"バターサンドだと覚え違いしていたといううしろめたさもある(ダイレクトメッセージでそっと指摘してくださったかたのおかげで発覚。サンフレッチェの

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夢心地(vsサガン鳥栖)

夢心地(vsサガン鳥栖)

 効き過ぎの花粉症の薬でも飲んだみたいに、目もとがぼわん……とした。目ん玉も、まぶたも、目のクマができるところも、なんだかずるずるとゆっくりすべりおちていくような。

 先週のサガン鳥栖戦、ぼくは舟をこぎながら観ていた。

 昼過ぎまでの用事を終えて、それがあまりいい心持ちのする用事ではなかったものだから、がっかりしながらの観戦だった。そこに寝付きがわるかったのもかさなって、たぶん意識が起きている

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罵声はなりきりサンチェとともに(vsFC東京)

罵声はなりきりサンチェとともに(vsFC東京)

「ふざけんなてめぇ何度目だこのやろう!」
「いつまで抗議してやがんだてめえ」
「レフェリー、カード持ってきてねえのか!」

 妙に通る罵声があたりをつらぬいた。まぁなんて野蛮なこと、やだやだ。3月2日、クソ寒い味の素スタジアムでのFC東京戦、ビジター席のはしっこで、冷えた手をさすりながらぼくは顔をしかめた。

 試合まえの花火の特効であたり一面白煙におおわれていた。往年のセリエAをおもわせる物々し

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黒縁眼鏡と黒いジャージ

黒縁眼鏡と黒いジャージ

 みんなのピンチを、あわてずさわがず、しれ〜っと解決。林卓人さんはそういうキーパーだ。よく通る声で味方を統率しつつ、シュートやクロスがとんできたらなに食わぬ顔して止めちゃう。それもボールにとびつくというより、ボールにひきよせられるみたいに腕をのばして止めるから、必死感がない。そこがたまらなくかっこいい。

 でも引退会見のときの卓人さんは、勝手が違った。ゴールキーパーとしてのそのかっこよさが、すっ

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マルセイバターサンド

マルセイバターサンド

 レーズンがキライだ。去年の秋ごろの『ぶらサンチェ』、茶島さんがラムレーズンの入ったアイスクリームを食べてたのですら気に入らない。それくらいキライ。

 あの、ぐにぅ、っていうブキミな食感。突拍子のない角度からちょっかいかけてくる酸味ともいいきれない酸味。黒くぶつぶつとしたきたならしい見た目。レーズンほどの異物感を発揮する食材には、いままでお目にかかったことがない。比類なき異端。だというのに、なぜ

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それでも大弥さんはウチの子です

それでも大弥さんはウチの子です

 柴崎晃誠さんの引退を切り口に、今シーズンでもふりかえってみるか、などとおもいたってはみたものの、すぐにやめた。晃誠さんの話をすると、2018年の右サイドの"造り"の美しさをおもいだす。ぼくはその造りの復活をながいことのぞんでいた。そしてそのリヴァイバル・プロジェクトは、大スキな茶島雄介さんによってなされるものだとおもっていた。だから目をそらした。茶島さんにいろんなものを押し付けようとしている自分

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かわらないおじさんたち(vsガンバ大阪)

かわらないおじさんたち(vsガンバ大阪)

 おじさんたちが、びっくりするほどかわってなくて、わらってしまった。

 ことしのホーム最終戦であるところのガンバ大阪戦。エディオンスタジアムでおこなわれる最後のゲーム、そしてなによりぼくと同い年の林卓人さんの引退が発表された直後。神聖なゲームである。もすこしおごそかに観にゃあバチがあたるぞ、ともおもったが、ぼくはついふきだしてしまった。だってイメージそのまんまだったんだもの、ぜんぜんゲームに出て

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12日で36歳になるらしいけれど、まだまだがんばってくださいね

12日で36歳になるらしいけれど、まだまだがんばってくださいね

 もう先々週のお話になるのか。味の素スタジアムから帰ってすぐ、DAZNをつけてFC東京戦を見返した。すぐといっても、シャワーあびたり着替えたり、カラのペットボトルのラベルはいだり、つかった汗拭きシートを捨てたりもしたから、正確にはすぐではない。だけど心もちとしてはすぐだった。単純に勝ったから、1秒でも早く観なおしたかった。

 ヘッドフォンを装着し、PCで、大音量にしてウキウキで見逃し再生。すると

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ぼくの足は、あんなにあがらない

ぼくの足は、あんなにあがらない

 われわれ運動音痴にとって、柔軟性ってやつは鬼門だ。学生時代、前屈で地面に手がつくことはななかったし、背中で手を組むこともできなかった。おもわず悲鳴があがるレベル。開脚? なにそれおいしいの。

 だからだろうか。サッカーなどという複雑怪奇な競技のなかで、しなやかにからだをあやつる選手を見ると、無条件に心をもってかれる。

 山﨑大地さんは、ぼくの心をうばいさった選手のひとり。ホントにしなやか。身

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冷静だった8分間(vs名古屋グランパス)

冷静だった8分間(vs名古屋グランパス)

「マコが前?」

 とコーチに確認するところからはじまった、松本泰志さんの名古屋グランパス戦。89分に加藤陸次樹さんと交代、追加タイム+7分で記録上は8分間の出場となった。

 入ってきたとき、すこし心配だった。「大丈夫かな」って。泰志さんはこれまで、途中投入でだいぶ苦労していたみたいだったから。でも、この日の彼にそんな心配はいらなかった。

 まずはたてつづけに2回、相手のボールホルダーに激しく

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岳人さん、なんでかえられちゃうの

岳人さん、なんでかえられちゃうの

 ヴィッセル神戸戦の試合まえのセレモニー。記念のお花をパパにとどけようと、いっしょうけんめい歩くお子ちゃんを、うれしそうに待ってる野津田岳人パパを観てから、ぼくの、野津田岳人さんびいきが加速した。加速したとたん、京都サンガ戦、ハーフタイムで交代させられたのだから、7番の出場時間が46分でおわってしまったのは、おそらくぼくのせい。責任をつよく感じています。またチャンスをもらえるよう、日々取りくんでい

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"身勝手さ"大歓迎!

"身勝手さ"大歓迎!

 加藤陸次樹さんは、ときどき身勝手になる。

 ふだんの陸次樹さんっていえば、チームのために全力で戦える選手。チームを助けようとアタマをフル回転させ、ピッチをかけずりまわってくれる。

 でもそんな彼も、試合時間90分のうちのほんの数秒間だけ、自分自身のためにプレーする。それはきまって相手陣内、ボールもった状態でパァッと目のまえがひらけたとき。瞬間、人格がカチっときりかわる。アタマのなかが「シュー

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土下座ならいくらでもします親分(vsサガン鳥栖)

土下座ならいくらでもします親分(vsサガン鳥栖)

 塩谷司親分の蹴ったボールが、ピエロスさんにむかって、まるで相手選手をかたっぱしからおしのけてくようにしてつきすすむ。ロングフィードで相手サイドバックの領地を荒らす、っていうチームの基本方針をフリにした、つよくてしたたかな”親分らしい”、長距離パスだった。

 それにしても、どんな景色見てあんなもん通してんですかね、親分は。オフサイドになっちゃったけど13分25秒のとかとくに。ヒトとヒトが重なり合

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