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「対立」は価値観が広がるよいチャンス(関係の世界へ第6章)

 社会構成主義のガーゲンの新作「関係の世界へ」のオンライン読書会の記録です。※あくまで個人の受け取り方・感想です。

第6章 対立、管理、そして関係の世界へ

 第6章は、さまざまな場面で起きる「対立」について、いろいろな視点が提案されています。

 私自身は「対立」と聞くと、「対立はいけないもの」「解消しないといけない」と無意識に思っていたことに気づきました。
 ところが本章の中では、対立がある状態というのは、多様な価値観がある状態、すなわち学びの機会であるということが示されています。

 逆に、共通の価値観同士で集まっているさまざまな単位(家族、友達など身近なものから大きな組織までなんでも)は、その価値観と相反すると敵対してしまう可能性があるので、必ずしも「一致団結!」みたいなものが良いわけでもないのかなと思いました。

 また、対立が起きたときの具体的な対応法として、いくつかの方法も事例とともに明示してあります。例えば、その対立に乗らないようそっと身を引くとか、「生成的なシナリオ」になるように動くとか、共通点を見出すといったことです。

読書会で話したこと

  • 「豊かな」という言葉も結局ほわっとしてて捉えづらい?とはいえ何か目指すものが必要。「これが絶対の”よい”だ!」ではなく、ガーゲンが良くいう「ベターメント」=より良さをみんなで考えていけるといい

  • 社会構成主義をよく理解してる夫婦だと夫婦喧嘩が起きないのか?そもそも喧嘩は悪いものではないし、距離が近いからこそ許せない感情もある

  • 対立って、ある意味真っ向から「違う」と言い合える土台がある状態。ドラマの不適切にもほどがあるで揶揄されるようないわゆるネットの世間はそもそも対立にすらなってないのかも

  • 社会構成主義は煮詰まってギチギチになってるものをゆるめるための道具。場合によっては「正論で解決」することよりも、あえてその議論の場から降りるといったことも大切

📖これまでのガーゲン読書会
第1章 日々の世界は、人と人との関係性と言葉でつくられる
第2章 つくりたい関係性を、「シナリオ」で考える
第3章 教育は「ポジティブな協応行為」の流れに参加できるようにすること
第4章 それってホントに「病気」で「患者」?
第5章 ビジネスの世界でも広がる対話の可能性

📕関係からはじまる 読書会記録
📙何のためのテスト? 読書会記録

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