つくりたい関係性を、「シナリオ」で考える(関係の世界へ第2章)
社会構成主義のガーゲンの新作「関係の世界へ」のオンライン読書会の記録です。※あくまで個人の受け取り方・感想です。
第2章は、前々作「関係からはじまる」の第5章をより深めるような回で、私が好きな「変幻自在的存在」や「シナリオ」などがわかりやすくまとめられています。
「変幻自在的存在」は、1つの前提のような概念だなと思ってます。例えば「私」という存在は、母であり、娘であり、妻であり、友人であり、同僚であり……と、いろんな側面を持っています。
また、「役割」に限らず、イライラする私、楽しい私、異議を唱える私、納得する私…と、場面や相手によって、いろんな「私」を自然と使い分けています。
それだけ、「変幻自在」な「私」であれば、自分とは全く異なる考え方を持つ人の意見にも納得はしなくても理解はできるし、新しい「私」の側面を発見することもできるかもしれない、というのが前提にあるかなと思います。
その上で、他者との会話のパターン(シナリオ)を大きく4つに分けています。
日常会話でそんなに意識しないで使ってる「維持するシナリオ」
喧嘩や批判など関係を悪化させる「退行的なシナリオ」
謝罪などで関係を修復させる「再生的なシナリオ」
感謝や共感など関係性を前向きにする「生成的なシナリオ」
私はこの「シナリオ」の考え方がとてもわかりやすいなと思ってて、例えば子ども同士のお決まりの喧嘩(片付けたいタイミングが合わず喧嘩になって終わる)は、「あ、今、いつもの退行的なシナリオになってる…!」と観察してみたり、子どもにイライラした後に「しまった、再生的なシナリオに方向転換しなくちゃ…」など、自分を俯瞰してみる時のヒントになってます。
読書会で話したこと
「多面性を持った者同士が出会う瞬間、行為を調整するという課題が動き出す」という一文に対し、行為の調整を意識しすぎちゃうタイプと、「自分が正しい!」と全く調整しないタイプ(対話で変化が全く生まれないタイプ)といるよね、ウンウンという話
逆に「キャラ変する」って、空気を読んで相手のキャラに合わせて自分のキャラを決める状態。自己が、関係によって決まる
家族など親密な人同士は「維持のシナリオ」になりがち
退行的なシナリオを逆手にとって、いかに笑いに変えるか?というやり方もある(相手のシナリオに乗らない、受けながず)
📖これまでのガーゲン読書会
第1章 日々の世界は、人と人との関係性と言葉でつくられる
📕関係からはじまる 読書会記録
📙何のためのテスト? 読書会記録
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