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摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~元摂食障害当事者からのメッセージ~414


選ぶのは私。

決めるのも私。

私は、選ぶことが出来る。

自由に、選ぶことが出来る。

いつでも、選ぶことが出来る。

好きなように、選ぶことが出来る。

縛りも、条件も、障害も何もない……

「私はいつでも自由だし、何にも縛られてない……」

「そうそう、そういうこと。だからね、あれもこれも、って考えるのも自由だし、疲れちゃうから、って考えるのをほどほどにするのも自由なの。思い通りにならないから、って自分を責めるのも自由だし、仕方がないかぁ~、って思って割り切るのも自由なの。全ては、紗希の自由だし、紗希が決めていい、っていうか紗希が決めることなの。だからね、そんなに難しいことじゃなくて、もっとシンプルに捉えてもいいんじゃないかな、って思うの」

「シンプルに?」

「そう。前も言ったかもしれないけど、物事って考え方次第、捉え方次第なんじゃないかなぁ、って思うんだ。だってさ、世の中何が起こるかわからないんだし、起きたことは変えられないんだし。だったらさ、自分がいいように解釈したり、心地よくいられるように考えた方が楽なんじゃないかなぁ、って思うの。そんなに難しく考えたって、世の中自分の思い通りにならないことの方が多いんだからさ」

すっかり氷が解けてしまったグラスを見るともなく見ていた。氷一つとったって、私の思い通りにはならない。室内の温度や水の量、グラスの大きさなんかで解けるスピードが決まってくる。私の思い通りに出来ることなんて、もしかしたらほとんどないのかもしれない。『痩せること』だって『食べること』だって、いつまでたっても思い通りになんかならないのだから、そんなことわかり切っているのに、心のどこかでは『完璧に』コントロール出来るんじゃないかって、相変わらず『幻想』を追いかけている。摂食障害になってしまった、という『事実』を変えることは出来ないのだから、考え方や捉え方、解釈を『心地よくいられる』ように考えた方が楽なのかもしれない。


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