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摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~元摂食障害当事者からのメッセージ~214


『普通に』食べることが出来るようになったら、友達は、また私と会ってくれるのかなぁ。こうなってしまったからには、すごく誘いにくいけど、今までの事情を話して私から誘わなければ、一生お一人様になってしまう。それも勇気がいるけど、でもそんな日を夢見て、諦めないで、今出来ることを一つ一つ積み重ねる、ただそれだけ。今の私に出来るのは、ただそれだけだから……

こうやって振り返ってみると、私は摂食障害になってしまってからというもの、随分と人とのコミュニケーションを避け続けてきてしまった。由希ほど行動的、というか交友範囲が広い訳ではないので、アウトドア的な遊びはさすがに滅多にしないけれど、それでも元々お酒は好きだし、ご飯とか、飲みに行くことはちょくちょくあったと思う。幸か不幸か、この1年くらいは社会情勢のこともあって、私に限らず飲みに行く機会はほとんどないとは思うけれど、考えてみたらお昼も、夜も、ずっと一人で食べたり食べなかったり、過食嘔吐したりの生活が続いていた。

今までは、過食嘔吐をしなければ『私の一日』が終わらないから、私の中で区切りを付けられないから、とにかく過食嘔吐をしなければ、って何かに憑りつかれたように追い立てられてやっていた。でも最近は、もうほとんど惰性、っていうか本当はやりたくないし、やらなくてもいいはずなのに、やらざるを得ない、みたいな状態だった。

「やっぱり、どう考えてもこのまま一生過食嘔吐を続ける訳にはいかない。このまま一生お一人様を貫くほど強くはないし、それでいいとも思えない。私は、たとえ今までの私が頑なに守ってきた『何か』を手放してでも、何とかして過食嘔吐をやめたいし、やめるべきだし、いつか必ずやめる。こんな生活、いつまでも続けたくないし、『食べること』と『痩せること』に振り回され続けていることに、本当に疲れた。こんなに寂しくて、虚しくて、辛く苦しい人生なんて、もうたくさん。絶対に何とかしなければ……」

とは言っても、今までの自分と大きく変わることは出来ないし、今までの自分の価値観を180度変えるような、劇的な変化は起こらない。だとしたら、地味だけれど、なかなか前に進まないかもしれないけれど、もどかしいかもしれないけれど、今の私が出来る時に、出来る範囲で、出来ることを一つ一つ積み重ねる。やっぱりそれしかないし、それが全てなんだろうなぁ……


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