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摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~元摂食障害当事者からのメッセージ~192


「う~ん、わかるようで、わからない気もしますが……確かに周りの意見やアドバイスをそのまま素直に受け入れることはなかなか出来なかったし、自分の考えや価値観に拘る余り、周りの意見やアドバイスで自分を変えることは難しかったですね」

そうですね、私もちょっと力が入り過ぎたようで、同じような内容を繰り返したり、理屈っぽい言い方が多かったかもしれません。フローチャートのようにすると、もう少しわかりやすくなるかもしれませんので、ちょっと書いてみます。

生まれつき痩せたい、吐いてでも痩せたい、あるいは食べることが怖い、食べると無限に太るのではないか、などと思っている人はいない

摂食障害は先天的な疾患ではなく、後天的に学習した価値観や嗜癖行動によって患う精神疾患である

ということは、摂食障害になってしまった後の学習や嗜癖行動の見直しによって、回復、克服する可能性が十分にある

ただし、一度『痩せたい』や『食べたい』に囚われてしまうと、完璧主義的な性格も相まって、そこから抜け出すのは非常に困難である

なぜ困難なのか、それは自分自身が追い求めている価値観や完璧主義的な思考回路が、他者の介入を許さないレベルにまで硬直、凝り固まってしまっている = 周りの意見やアドバイスなどが耳に入らない = 客観的に考えるとおそらく痩せ過ぎなのは間違いないが、当の本人にはそういう認識がない、あるいはそのことが受け入れられない状態

その状態で、体重や体型、あるいは食べることに対する常識的な意見やアドバイスをしても、到底受け入れられないし、余計に自分の価値観や考え方に固執してしまう

そこでまずは、痩せることや食べることに対して、どのような思いや気持ちを持っているのか、またその奥に潜んでいる悩みや生き辛さがどういうものなのかを一つ一つ丁寧に探っていく、その方に寄り添ったサポートをしていく

この地道な作業を繰り返すことで、本人にいろいろなことに気付いてもらい、さまざまなことを考えてもらう。そういったことを積み重ねた上で、本人が納得して一つ一つ進んでいく

自分で気付く、自分で考える、自分が納得して進んでいく = 価値観や考え方を変化させるのは、最終的には自分自身である

という感じになります。

「そうですね、この方がわかりやすいかと思います。確かに、自分で辿り着いた方法であれば、納得して取り組めるし、たとえうまくいかなかったとしても、自分で考えたのであれば納得出来ると思います」


今日もありがとうございます。

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