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日本の田んぼから

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小池理雄が各地の田んぼで見てきたこと、発見したことをご紹介します。
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「生産者に情が移る」以前の問題

「生産者に情が移る」以前の問題

以前、都内の同業の方(大先輩)に言われた言葉。

「あんまり生産者と深く付き合うな。情が移るからな」

この言葉の裏には次のような背景があります。

米屋の業務の中で「精米(加工)」「販売」と並ぶ重要な仕事…「仕入」。私は米屋を継いで10年経ちますが、未だに苦労している仕事の一つです。

父の代まではお米を購入するルートというのは、ほとんどが、

生産者 → JAまたは現地の集荷業者 → 卸業者 

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JAが集めたお米と農家から買うお米

JAが集めたお米と農家から買うお米

お客さんから時々このようなことを言われます。
「農家がJAに出荷すると色々な人のお米がブレンドされてしまうから良くないんだよね」。

これにはいろいろな誤解があるようです。

まず「ブレンド」という言葉です。

以前も触れましたが「ブレンド」はけして悪い事ではありません。米屋が行うブレンドは新しい味を生みます。
しかしここで言うブレンドとは例えば「同じ産地のコシヒカリでAさんが栽培したものと、Bさ

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「稲わら」が欲しくても…

「稲わら」が欲しくても…

弊社…小池精米店は米屋です。
玄米を産地から仕入れて精米して白米にし、それを一般消費者や飲食店に販売しています。

…そして日本各地の生産者さんとつながりがあります。嘘のような話ですが、北は北海道から南は沖縄まで、生産者さんと取引があります。

普通のお米屋さんではここまでネットワークの広い店は、非常に珍しいと思います。
そしてそういった米屋であるがため、時々「稲わらが欲しいのですが」という問い合

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