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七戸健太郎
2019年9月25日 22:51
彼を仕事のパートナーに選んだのにはいくつか理由がある。ひとつはもちろん彼が申し分のない能力を備えていたということ。加えて、彼は小柄で(僕は大きな熊が苦手なのだ)、何より、僕も彼もビールが大好きだった。僕らは仕事が終わると毎日ビールで乾杯した。そうだ、あのころ僕らは親友だったのだ。
2019年8月9日 14:16
日曜日の朝、目を覚ました私は、缶ビールを飲みながら、ゆで卵を十個茹でているところだ。ゆで卵は二つは私、残りはチンパンジーの悟の分である。悟はゆで卵が大好きで、食べているとき、とても幸せそうな笑顔を見せる。最近は殻を割るのは悟の役目だ。卵はもうすぐ茹であがる。世界はもうすぐ終わる。 #140字小説 #掌小説 #超短編小説 #ビール #ゆで卵 #チンパンジー #世界の終わり
2019年7月16日 12:50
山菜蕎麦が運ばれてきたとき、僕はうっかりビールの入ったグラスを倒してしまった。拭いてくれたお店の人に礼を言い、山菜蕎麦を食べようとすると、「クスクス」と笑い声がした。山菜蕎麦の椎茸だ。そうか、山菜蕎麦には椎茸がついてくるのだ。椎茸が食べられないのに、僕はまたうっかりしてしまった。 #140字小説 #超短編小説 #小説 #蕎麦 #山菜蕎麦 #椎茸 #ビール