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傍の下で(妄想化学遊戯Lev0)

2023年の何処かの季節の何処かの場所から。この創生の地に、足を踏み入れた遊戯者(プレーヤー)が居た。

「おーーーーーーーーぉ、やっとこの地に来る事が出来たーーーーーぁ、だれたーーーーーーぁ、まっこてぇだれたーーーーーぁ」

意気揚々と遣って来た遊戯者だったが、その期待を裏切る現実が待っていた。そう、この世界、最初から厳しかったのだ。

「な、何だとぉ、全然、お金が足りないではないかぁ・・・、所持金、3000銭(せん)・・・つまり、これを現金化すると30円・・・・・・、装備品0・・・・・・。この気持ちが沈みそうな、スッポンポン状態から始めるのか・・・・・・、何なんだよッ、あんなに、あんなに苦労して来たのに、この仕打ち、苦労しても、苦労しても、我が暮らし楽にならず観たいな、貧乏物語っかつーーーぅの、ま~ぁ、現実も変わらんがなぁ・・・。それにしても、あの野郎~~ぉ、上手く俺を誘導しやがったなぁ、流石に凄腕の販売人(セールスマン)だぁ、くッそーーーーーーぉ、あいつの忍び笑いが想像出来る。そっちの方が悔しいぞッ、・・仕方が無い、少しぶらつくか、どうせ遣る事無いしな、は~~~ぁ」

甘~~~い言葉に釣られて遣って来て後悔している遊戯者名、道探(どうたん)は、憂鬱な溜息を付いた。

そして、この世界の街中をぶらつく、といっても最初にやる事と言えば、道具屋や武器屋に行って装備品を揃える所から始まるのだが・・・・・・

「くッ・・・、最低装備を揃えると、赤字・・・だと・・、中古屋も有るけど・・・、当たり外れ有るだろうし・・・、訓練所も、お金要るし、依頼手数料も最低1000銭からだし・・・、あ~~~ぁ、完全にやる気ゼロな気分です・・・・・・」

と肩を落とし嘆息する。暫く呆然としていると、視界に〝両替所〟と言う文字が眼に入る。

「・・・・・・両替所か・・・、両替・・するかぁ・・・・・・。いやいや、いかんいかん、貧乏神に取り付かれる・・・。だめだ、だめだ。そもそも、そんな余裕は、俺には無い・・・。危ない、危ない。今のは、見なかった事にしよう・・・、うん、そうしよう、そうしよう」

と急いで、その場を立ち去った。

――― 一週間後 ―――

「寝ずに、遣り続けて、一週間・・・。うーーーぅ、眠い・・・。漸(ようや)くこの世界にも、なれて来たな。一旦、退出するか・・・」

そう言うと、妄想化学遊戯を後にした。

「うーーーーーーーーーん」、と言いながら背伸びをして、そのまま横になって意識を失った。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・時間後

ぐ~~~~~~~~ぅ、ぐ~~~~ぅ、ぐ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ぅ、

「んぁッ、なんだ、なんだ・・・」

寝ぼけ眼(まなこ)で、きょろきょろと辺りを見渡し、音のなる方へ視線を這わせると自分の腹の虫が、けたたましい音で鳴っていた。まるで目覚まし時計の様に・・・。

ぐ~~~~~~~~~~~~ぅ、ぐ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ぅ、ぐ~~~~ぅ、

「・・・・・・俺の、腹の虫・・・かぁ。あーーーーーーーぁ、良く寝たな、・・・・・・所で、何時だ」

時計を見ると、夜中の1時10分過ぎだった。頭を掻き毟りながら、未だに腹の虫がなっている自分の腹を見て呟く。

「・・・う~~~ん、腹減ってるのか・・・貴様。・・・仕方ない、食わせてやるか」

何とも他人事のように自分の腹に語り掛け、まだ、寝ぼけた状態で温雨(シャーワー)を浴び、外に食料を調達に行く。

歩いて5分の所にある、24時間営業の小売店(コンビニ)に入ると、店員が声を掛けて来た。

「いらっしゃい・・・、おやおや、生きてたな。暫く見なかったんで、死んだと想ったよ。はははぁ」

そんな軽口を気にせずに質問をする。

「・・あっ、・・・店長、今日何日・・・」

「・・・ん、9月10日だ」

「・・・・・・げぇ、2日も丸々、寝てたのかよぉ・・・、あ~~~ぁ、そりゃ~~~ぁ、鳴るわな・・・」

未だに、なり続けている、腹を手で摩り視線を向けながら呟く。すると、店長が呆れた様に喋る。

「・・・おいおい、2日も寝続けてたのか・・・、遊戯中毒だな・・・、年なんだから対外にしときなよ・・・」

「・・あ~~~ぁ、多分、死ななきゃ直らんから、無理だわ・・・ぁ、はははぁ、でも、心配してくれて、ありがとさん」

「・・・たっく、お得意さんが減るのは、寂しいだけだよ・・・ぉ」

「あははははぁ、そりゃ、そ~~~ぉ、だわな・・・ぁ、はははぁ」

未だに鳴っている、腹を抱えながら大笑いした。

「全く、忠告が、忠告になっていないじゃないか・・・」

「あっ、すまん、すまん・・・。これでも、一応、加減してるつもりなんだがな・・・ぁ」

朗らかに答える常連客に、店長は、訝った表情で答えた。

「それなら、良いんだが・・・なぁ」

常連客は、籠一杯に食料品や飲料水を入れて、勘定机(カウンター)に持って行き会計を済ませると店長が聞く。

「7,221円・・・、支払いは・・・」

常連客は、財布を取り出し中身を確認する。

「・・・4,126円かぁ・・・・・・、う~~~ん、点数(ポイント)で」

「点数ね・・・。お前さんは、相変わらずの、飛び抜けた点数を持ってるな・・・。足りないと解っているのに、毎回毎回、現金で支払おうと考えるとは・・・」

「はははぁ・・・、店に来た時の、楽しみなんだよ・・・。そこは、付き合ってくれないか、ははぁ」

店長は、少し苦い表情をさせるも、最後の方では、顔を綻ばせ答えた。それに常連客も合わせて笑う。

「付き合ってくれなんて、止(よ)してくれ、男から誘われてもな、困る。・・・ふふぅ」
店長は、苦笑いで答える。

「それは、失礼をした・・・、はははぁ」

未だに大きな音を立てて泣いている、常連客の腹に視線を向けて店長は、語りかける。

「・・・それより、早く、そいつに食わせてやりな。五月蝿くてしょうがない。ふふぅふぅ」

「あ~~~~ぁ、そうだな、じゃ」

常連客は、軽く手を挙げ、分かれの挨拶をし店を後にする。店長も、それに答える。

「毎度ぉ、あり~~~ぃ」

        ーーーーーープロローグ。


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