ハノヒラ

ビールを飲んだり、音楽を聴いたり、本を読んだりして暮らしています。

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鳴らし続けると言うこと、青木裕がdownyに遺した"優しい呪い"

 6月に本来開催される予定だったdownyツアー「雨曝しの月」東京公演。当時は、コロナ禍とは言え、一応緊急事態宣言明けの日程であり、誰もが心のどこかで「この頃にはまた以前の日常に戻れているのではないか」という淡い期待を抱いていたように思う。しかしながら、厄介な疫病は今日まで猛威を振るい続け、終息する気配は一向に見えない。11月の今になっての延期開催ということも、きっと彼らが考え抜いた末の決断だったのだろうし、僕自身も感染のリスクと、ほぼ1年ぶりに体験する生音でのライブという2

    • サブスクリプションと音楽とアルバム

       先日、テレビを見ていると関ジャニ∞の某番組で、「業界人が選ぶ通して聴きたい音楽アルバム」というような企画をやっていて、見ていてなかなかに興味深い内容だった。とりわけ印象に残ったのが、出演者が語っていた「こうしてアルバムを通して音楽を捉えるというのが新鮮でまた面白く思った」というニュアンスのコメントで、確かに最近の世間の人々の音楽との付き合い方から言えば、音楽をアルバム単位で捉えるということは少なくなっているんだろうなあと改めてしみじみ考えさせられた。今やサブスクリプションが

      • 利便性を享受するということ

         緊急事態宣言が出てからというもの、ついついウーバーイーツを頻繁に頼んでしまう。以前は、何故お店まで取りに行けば食べに行けば元値で手に入るものを、わざわざ高額な手数料やら配送料やらを払って配達をお願いしなければならないのかと、至極まともな意見を持っていたのだけれど、平日の仕事に疲れ果てて這うように目覚めた土曜日の午前10時。どこかへ食べに行くのも、冷蔵庫を漁るのも億劫なそんな気分の時、スマホをポチポチと弄って家で待っていれば、飲食店が作る最高の料理が自宅で食べられる。これって

        • カフェイン過敏人間

           多分、僕は人並み以上にはコーヒーが好きだと自負している。特に丁寧にドリップされたブレンドだったり、シングルオリジンだったりが好きで、出先でちょっとしたコーヒースタンドなんかを見掛けるとついつい立ち寄ってしまう。元々は、そこまでコーヒーにこだわりがあったわけでもなくて、数年ほど前いわゆるサードウェーブ系のコーヒーをはじめて飲んだ時に、新鮮な豆で抽出されたコーヒーがこんなにも美味しいことに驚きを覚えた。家でも時々、豆を挽いて自分でドリップをしてみるが、最終的にはコスパやら何やら

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        鳴らし続けると言うこと、青木裕がdownyに遺した"優しい呪い"

          東京23区外の銭湯を愛でたい

          銭湯がブームである、と語られる時、大体話題に上がるのは都心の銭湯ばかりな気がする。もちろん、それだけ都心の銭湯に魅力があることは認めるけれど、かと言って23区外の銭湯に魅力がないかと言えばそんなことはないわけで。個人的に好きな多摩地区の銭湯を語りたい。 1、国立市「鳩の湯」 一つ目は中央線国立駅から10分ほど歩いた場所にある鳩の湯。名前の通り、鳩サブレ……のような店のシンボルマークが可愛らしい銭湯。元々昭和33年から営業している老舗銭湯であったが、令和2年にリニューアルし

          東京23区外の銭湯を愛でたい

          あじさい山に行った

          6月のこと。 なかなかどこへ出掛けるのも憚られる時節。せめて家から近い場所で季節を感じられればと、あきる野市にある南沢あじさい山へ数年ぶりに出掛けた。 ここは南沢さんというご老人が所有している山で、長い時間少しずつ手を加えて、山一面あじさいが咲き誇る場所を作り上げたのだと言う。僕は何度かそのご老人と会ってお話をしたことがあるけれど、まさに好々爺という雰囲気で、花咲か爺さんの異名そのままの人物のように思った。 凛とした澄んだ空気の中、日ごろの運動不足が祟ってか、少し息を切

          あじさい山に行った

          テイクアウトでクラフトビールのすゝめ(グラウラーで愉しむ樽生)

          ウィルス騒動が起こってからというもの、飲みに行くのも憚られ、週末も家に籠るくらいしかできない。仕事はひたすら忙しい。心がダークサイドへと落ちて行く……。そんな折にtwitterを眺めていると、多くのお店がテイクアウト営業をはじめていることを知った。しかも、フードだけでなく、酒販免許の特例のおかげかクラフトビールを量り売りで販売する店も増えている。乗るしかない!このビッグウェーブに!早速、炭酸も入れられるという水筒であるグラウラーを購入した。 購入したのはREVOMAX2、ポ

          テイクアウトでクラフトビールのすゝめ(グラウラーで愉しむ樽生)

          桜の季節

          3月という季節の、街全体が何だか浮き足立っているような雰囲気が結構好きだったりする。始まりと終わりに挟まれた分水嶺のような季節。消化試合とでも言うような宙ぶらりんな季節。誰もが期待と不安に胸を躍らせている。日に日に暖かくなる気候も相まって、心は自然とわくわくとする。 相変わらず季節に敏感でいたい。 東京は、てんやわんやの大騒動で、なにが正解なのかよくわからないまま喧々諤々の議論が白熱している。傍から見ててもうんざりとする。それでも、今年も桜は咲いた。桜はやっぱり良い。桜の

          NUMBER GIRLを映画館で観る

          去年、ナンバガの復活二発目のライブを日比谷野音で観た時から、僕の心はめちゃくちゃに沸き立ち、完全に「17歳の俺」に戻ってしまった。イヤホンから流れる爆音の中で、劣等感やら何やらあらゆる感情を掻き消すことしかできなかった17歳の俺に。 それ以来、もう一度ライブを!あわよくばライブハウスで!と向井秀徳のことを崇め続けていたわけでありますが、信仰心が足りなかったのかチケットは落ち続け、特攻!とばかりに申し込んだツアー地方公演もことごとく外れ、もはやYARUSENAKIO状態でやさ

          NUMBER GIRLを映画館で観る

          僕がベルクを好きな理由

          新宿にベルクという喫茶店がある。厳密に言えばカフェなんだかバーなんだかよくわからない店であるが、とにかくコーヒーも酒も食事も何でも一通り揃っている。僕はこの店がめちゃくちゃ好きで、大体月に一度くらいは足を運ぶ。現在、東京の西の端に住んでいるので、新宿までは1時間ほど掛かる。都心に用事がある時ならまだしも、わざわざベルクに行くためだけに都心へ出ることもある。それくらいこの店が好きである。 では、ベルクの何が良いのか。正直この店は、死ぬほど狭いし、最近では珍しい喫煙可能の店なの

          僕がベルクを好きな理由

          クラフトビール、ブリューパブの魅力について

           世はまさに、クラフトビール黄金時代。  以前から、ビール醸造所に併設されたいわゆるブリューパブが好きで、暇を見つけてはちょこちょこと出掛けている。わざわざブルワリーまで直接足を運び、その場所でしか味わうことのできない出来立てのビールを楽しむ贅沢。これはまさに究極の地産地消と言えるような気がする。特に小規模のマイクロブルワリーとなると、その醸造ロットの少なさを逆に生かして、積極的に斬新なビールを次々と仕込んでいたりして、ブルワリーごとに味やスタイルも様々なのが実に楽しい。ク

          クラフトビール、ブリューパブの魅力について

          火照り

          先日、友人と高円寺の小杉湯を初めて訪れた。噂に違わぬ素晴らしい銭湯であった。全体のバランスが整っているのだ。あつ湯に、薬湯、小杉湯名物のミルク風呂、そして水風呂。これ以上でもないし、これ以下でもない。この浴槽たちの間を、空き具合の様子を伺いながら、転々と湯巡りをする。すると、元から湯の温度が高めだからなのか、はたまた地下水を使用した水風呂のおかげなのか。いつの間にやら、今まで経験したことがないくらいに、身体が芯からじっくりと温まっていく。特にあつ湯から水風呂への流れは最高に気

          最高のスパ銭「より道の湯」を推したい

           山梨県に都留市という市がある。富士吉田へと向かう道中に位置する山間の自治体で、まあ正直これと言って何もない場所である(失礼)。かろうじて関東では、都留文科大学がある市として有名かもしれない。  この町に2年ほど前、突如爆誕したのが今回語りたい「より道の湯」である。僕は今まで、週末家に居場所のない父親の如く、ふらふらと色々なスーパー銭湯を巡って来た。その中でもはっきり言って、このより道の湯がダントツ一番のお気に入り。マイホームスパ銭と高らかに宣言したい。では、より道の湯の何

          最高のスパ銭「より道の湯」を推したい

          年越し"COUNTDOWN Q"

          年越しの瞬間を「COUNTDOWN Q」という今年初開催のイベントで過ごした。このフェスは同じく2019年に初開催となったインドア・フェス「Q(キュー)」の主催者が開催するもので、更に元を辿れば福岡の有名お洒落フェス「CIRCLE」の系統ということになる。出演者としては、グッドラックヘイワにtoe、そしてceroとうまく言えないが「こっち」の音楽が好きな人間には涎が出るほどたまらないラインナップであることは間違いない。僕もその一人。最高の大晦日を過ごすため、恵比寿へと向かった

          年越し"COUNTDOWN Q"

          甲府の温泉銭湯にて

          年末、ちょっとした用事があって山梨を訪れた。他県とはいえ、東京の僕の地元からは車で1時間もあれば辿り着くことができる身近な場所。ついでに今年の疲れを落とすために、帰りに温泉にでも寄ろうかと考えた時、以前雑誌で読んだある特集を思い出した。――甲府の銭湯はどこも温泉を引いていて、温泉天国であると、その記事では書かれていた。なるほど、なかなか気になるところではある。用事を片付けてから、僕は甲府を目指した。 ====== 草津温泉 ここ草津温泉は、温泉好きの間では有名で前々から

          甲府の温泉銭湯にて

          自分用2019参加ライブまとめ

          何年か前までは自分が行ったライブを逐一ネット上で記録したりして、こまめに感想なんかも書いていたりしたんだけれども、近頃はすっかりそこまでの熱意がなくなってしまった(歳を取ったとも言う)。でも、後々になってあれ?あの時何のライブ行ったんだっけ?などと思い出せなかったりして、わざわ自分のツイッターを辿ってから、あ~あのバンドのライブか!などとめんどくさいことを何度も繰り返している。そういうわけで、今年行ったライブをほとんど自分のために、備忘録がてらまとめてみる。 ======

          自分用2019参加ライブまとめ