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ポジウィルを使って転職した記録#10【終】 苦楽を分かち合える人がいる

アオイです。今回は10回目の面談の記録、そしてその後の私についての記録でもあります。私がPOSIWILL CAREERを通じてどのように考え方が変わっていったのか、トレーナーとどんな風に関わってきたかなど、自分の感情に焦点を当ててじっくり書いています。それではよろしくお願いいたします。

前回の話はこちらから↓

【POSIWILL CAREERゴール】
自分の中から自信が常に湧いてきて、他人の評価に左右されず、自分自身で物事を決断できる状態になる


【転職理由】
京都で一人暮らしがしたい、正社員になりたい

【転職活動の悩み】
・京都に移住したいので転職活動を始めたが、正社員経験が無いかつ、自分に自信が無くて不安で仕方がない
・自分の長所が分からない
・仕事で何がしたいのか分からない
・就活にトラウマを感じている
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【目標】
4ヶ月後に転職する

「では、どうするか?」を考える

今日を含めあと2日で面接が2件控えている。しかし、仕事で面接対策をする時間が取れない。準備不足は避けたいのに、どうしてもそうなってしまう。平日はこうなることが分かっていたのに、見通しが甘すぎて自分が嫌になる。最短の空いている日に面接を入れるだけでは、自分の首を絞めることになることが分かった。私は落ち込みと焦りを感じ、杉山さんに現状報告をすることにした。

「『見通しが甘かった』→『じゃあどうする?どうしたらここから良くなるかな?』と前向きに捉えてみてはいかがでしょうか!」

人間は失敗する生き物であって、失敗から学ぶ。失敗しない人はいない。とはいえ、そうならないように今後のやることリストを杉山さんに送り、早寝早起きを心がけて、体調と面接対策に取り組む環境を整えようとはしていた。が、それも失敗に終わった。なので、仕事終わりにネットカフェにて集中して取り組むことにした。お金はかかってしまうが、そうすれば自分を追い込むことができる。今日は2つのうち、どちらかの志望動機を完成させることにした。できそうなら2つとも完成させたい。明日は質問のテンプレートを考える。当日は朝から忙しい。正直上手く事が運ぶか分からない。しかし、できることからやるしかない。

「一つ一つの積み重ねです。どうしても経験が少ないことをやると、毎回上手くいくことはないので、多少の失敗を前提としながら、『では、ここからどう軌道修正していくか』という視点を持ってみてはいかがでしょうか?」

私は「やらないといけない」という気持ちでとても焦っていた。落ち着いて取り組もう。そうでないと、志望動機もちゃんとしたものが書けないと思った。杉山さんに現状報告したことにより、気持ちは落ち着いてきた。次の日も朝の通勤電車で質問のテンプレートを考え、仕事終わりにネットカフェへ行き志望動機を書いた。いよいよ明日は面接だ。先日の面接では「相手の話をちゃんと聞いていることが分かるように態度に出す」ことができていなかった。今回の面接では、できるようにする。


1社目の面接が終わり、企業別対策シートで振り返りを行った。上手く答えられて、話を聞いているように反応できた。少し早口だったかもしれない。1社目の面接が終わったことを杉山さんに報告し、昼食を取り2社目の面接へ向かう。
2社目の面接も終わり、私は疲れ果てた。当たり前の話だが、面接の方式は会社によって全然違うのだ。ざっくばらんに話す感じの所もあれば、ガチガチの面接の所もある。2社目は後者だ。雰囲気に圧倒され、上手く答えられたかどうか自信が無い。面接中、「結果は企業とのマッチングや他の選考者とのタイミングで決まる」という杉山さんの言葉を思い出して、少し気が楽になったのが救いだ。私はやれることをやった。これからも面接は控えている。今回できなかったことはまた対策しよう。

面接後すぐ振り返りを行い、杉山さんにも報告をした。同時並行でエントリーした企業の書類選考が続々通過したので、今後の面接スケジュールも送った。状況確認と今後の進め方を整理するため、数日後に電話にて打ち合わせをすることになった。

今までの3つの面接を振り返り、自己PRは「まるで台本を読んでいるような気分」になりにくくなった。本当に自分の口からそう思えるようなことを言えていると思う。自己分析の賜物だ。杉山さんや山口さんのおかげでもあり、何より私が心血注いで夢のために取り組んだからだ。私は頑張っている。もうすぐPOSIWILL CAREERも終わってしまう。正直なところさみしいが、最後まで全力で取り組みたい。根詰めずに。


ネガティブな感情を受け止めて活かす

最初に面接をした会社から、不採用通知と履歴書が家に届いた。意欲が表せていなかったというのもあり、何となくそんな気がしていたが、少し心が乱される。マッチングの問題だと割り切れば良いのだが、少しネガティブな感情を持ったまま「こういうものだから仕方ない、次だ次」と足早に行ってしまうというのは避けたい。

最初は少しだったネガティブな感情を見て見ぬふりしていると、知らないうちにあらゆるネガティブな感情が積み重なり、気づかないうちに大きくなって苦しくなるということが、私の中で起きる。過去の経験上、起きることは確かだ。既卒時の派遣での就活が全然上手くいかなかった時、つらくて鏡の前で泣いたことがあった。鏡の前でボロボロに泣いている自分を見て、「自分ってこんなにつらかったんだ」「他人であればもっと慰められるのに」と自分の感じる悲しみ・つらさを受け入れられたと思った。

「ネガティブな感情を受け止める」は私の中での課題だ。感情を置き去りにすると、後々に響く。ネガティブ体験のワークを面談で行い、過去のことなのに今でも引きずっていたことがあった。それらは考え方を変えたり、面談後に後悔しない選択を取って実際に行動に移したりした。その結果、私の心の重荷が取れて軽くなったような気がした。また、過去に囚われて動けないということも少なくなり、行動を起こしやすくもなった。

「ネガティブな感情に気付かないようにする」ではなく、「ネガティブな感情も受け止めて次に活かしたい」。不採用通知から得た気付きを杉山さんに向けて書いていたら、落ち着いてきた。ジャーナリングは効果がありそうだ。後はストレスを溜めないように、運動して汗をかき、早く寝る。この不採用をバネに次に控える面接の対策をじっくりしたい。


「ご自身の経験上、そのままにしてはいけないと思えていることをまず褒めてあげてください。

そのご自身の感情の揺れ動きにしっかりと目を向けて今後の対策を打とうとしようとするのは素敵なことですよ、、!!」


杉山さんに素敵と言ってもらえて嬉しい。 初回面談時から確実に成長を感じている。明日の打ち合わせが楽しみだ。ここ最近、面接対策でバタバタしていた。話したいこともいっぱいある。楽しみにしているから、仕事中も気分が良かった。


打ち合わせ

まずは今までの面接の振り返りをした。自己PRは台本を読んでいる気分にはなりにくくなったのだが、志望動機がなかなか口に馴染まず、台本を読んでいるかのように感じる。杉山さんは、「声を出してとにかく読み上げる」ことを勧めた。杉山さんの前職の経験から、人気のない所で電話みたいに話したり、開き直ってガヤガヤしている所で話したり、とにかく読み上げて口に馴染ませるといいとのことだった。正直、1人で読み上げるのには抵抗があった。相手もおらずただ1人で話し続けるという行為が恥ずかしいと感じる。しかし、そんなこと言ってられない。それくらいで「恥ずかしい」など、引きずり続けた恋愛にけりをつけようとして、ようやく告白した人が言うことか?そう考えると志望動機をひたすら読み上げるなんて、とても小さなことに思えた。


先日の面接にて、家族のことについて根掘り葉掘り聞かれた。家族のことが懸念事項になるとは思わなかった。家族から離れたくて一人暮らしをするのに、家族のことに縛られてしまい、腹立たしい。終いには家のお金のことも聞かれたので、逆に失礼なのではないのかという気持ちになった。このことを杉山さんに話しているうちに、イライラが止まらなくなった。

「面接官も人間なので、聞いてくる人もいるというだけの話です」

そこにイライラして囚われずに、他の部分の振り返りをして次への対策を練った方が、精神的にも楽でありなおかつ素敵ということだ、と思った。


選考が長引くと、本当に予定通りの日程で入社できるのだろうか?内定が取れ次第、家も急いで決めないといけない。不安で仕方がなかった。

「不安だと思っているだけでは解決しません。『ではどうしたら不安を取り除けるか』を考えて、解決策を練ります」

本人がどうしたいか、やりきるかどうかである。立ち止まっている場合ではないから動くのだ。その後、家を決める具体的な流れを教えてもらい、最後の面談のスケジュールも立てて、打ち合わせは終わった。


打ち合わせ後、不安や焦りが明るみになってかなり疲れた。いや、打ち合わせ中から疲れていたかもしれない。正直不安でいっぱいだ。どうしたら不安を解消できるのか?それを考えても本当に解消できるのか?解消できないのであれば、他の方法を取っていかないといけない。焦る。どうしよう。打ち合わせのアウトプットを書きながら、また不安に陥る……。

…………だったら、過去のSlackやスプレッドシートを見返して対策を練ることにする!同じ失敗はもうしない。私はやると決めたんだから、あとは進むのみだ。ここまで来たんだ。夢を叶えるために2ヶ月間必死で取り組んできた。この2ヶ月で私は確実に変わった。だから諦めない。限られた時間で、やれるだけのことをやる。今までも、それでもやれることは何かって考えてやってきたんだと思うと、乗り越えられる気がする。過去に頑張ったから今の私がいる。これから更なる成長を遂げようと思う。逃げずに向き合ってきた私は本当にえらい。

スケジュールを可視化させて無理のない計画を立てて、志望動機も声に出して、ネガティブな感情は受け止めてどうしたらいいか考え、そして早く寝る。アウトプットを書きながら、決意することができた。ずっと不安がっていた自分が、とうとう変わることができた瞬間だった。


「不安と同時に希望も持っていることと思います。
転職活動を終えた時や、憧れの京都に住み始めた時のことをイメージしてみてはいかがでしょうか。やるべきことを一つ一つ消化した先に、必ず得たいものがあります」

杉山さんからの返信を読んで、私は内定が取れた時に、杉山さんにどういう文章で報告するかを考えることにした。どうにかしてサポート期間内に内定を取って、喜びを分かち合いたい。報告したい。杉山さんに喜んでほしい。そして、夢の京都で一人暮らしを叶えるために、家族と時間に縛られず京都巡りができる悠々自適な暮らしを得るために、今できるだけのことをやる。


怒涛面接ラッシュ

その後も書類選考はそこそこ通過しており、面接は週2のペースになっていた。この間毎日、Slackで杉山さんとやり取りをした。面接前には、志望動機の添削をしてもらう。面接当日は、杉山さんに面接の意気込みを送り、そして杉山さんから激励をもらい、それを読み面接へ臨む。面接後には振り返りをスプレッドシートに書き込み、杉山さんに報告する。毎日のように面接について考えなくてはいけず、とても忙しい日々だ。仕事終わりに志望動機を書いて読み上げるため、ネットカフェで1〜2時間篭もるのが定番になっていた。家では集中できないし、声出しも厳しい。そのため家に帰るのも遅くなった。1人では厳しかったと思う。スケジュール管理も、メンタルの管理も、杉山さんがいてようやく成立していた。本当に有難かった。

面接前はどうしても緊張してしまう。なので新しいスプレッドシートを作り、杉山さんからもらった褒め言葉をとにかく貼り付けて、面接前に見ることにした。これは他でもない私のためだけに書かれた言葉だ。私が着実に成長していることも分かる。その言葉を見ながら緊張を和らげ、京都まで向かっていた。面接も志望動機をひたすら読み上げた甲斐あって、意欲を示すことができた。全力で取り組んだので、たとえ結果が不採用でも悔いが残らなくなった。


今まで受け身だった私が、自分から興味を持って企業を調べたり志望動機を書いたりすることができるようになってきた。何となく「いいな」と思って応募したものの、志望動機が書けないというのが非常によくあったのだが、そこまで思ってなくても「絶対にここに入る」の気持ちで取り組めば書きやすいことに気付く。

自分のために、これからの自分を良くするために、しっかり動けるようになっている。どれだけ人生で大事なことでも、興味が持てないと動けないという課題があった。
自分が強烈に心惹かれるもの・人か、向こうからこちらに興味を持たれないと興味を持つということができなかったが、最近は少し改善されている気がする。「めんどくさい・不安だ・怖い」→「ではどうするか?」の考えが浸透してきたのだろうか。結局のところ、何事にも不安を抱きがちだったから受け身になってしまい興味が持てなかったのだと思う。初めて面接を受ける前は不安でいっぱいだったのに、面接を立て続けに受けて変われるとは思わなかった。すごい変化が起きている。


「転職活動の面接を通じて、仕事だけでなく、生きていく上での基本的なスタンスも研ぎ澄まされているように感じます。この変化は、自分と本気で向き合わない限りは起こり得ない成長なので、もっと自信を持っていきましょうね!!!!!!!!!素敵すぎます、見習います。。。笑」


杉山さんも私の驚異的な成長に驚いているようだ。ここ数年、年齢だけが増えていき、精神的な成長が無いと感じていた。一念発起して転職活動をし、POSIWILL CAREERを申し込んだことにより、一気に成長を遂げている。山口さんにも「あの頃から変わることができました!」と声を大にして伝えたい。いつか必ず……。


そんな面接で忙しい日々を送っている中、ついに、ついに、内定を取ることができた。本当かと2度見、いや3度見、それでも飽き足らず何度も何度も見直した。やはり「内定」と書いてある。「ついに夢の京都で一人暮らしができる!!」と思うと興奮冷めやらなくなり、数日間頭がフワフワした。杉山さんにもすぐに報告した。

「杉山さん!!!内定取りました!!!!!!」

「アオイさん、おめでとうございます!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!泣」

あんなに就活がトラウマだった私が内定を取ることができたのは、杉山さんのおかげだ。トレーナー変更で遅れを取ったかと思っていたがどうにか巻き返し、巻き返すどころか、さらにどこまでも進んでいった。そのおかげで書類選考も半分の確率で通過していた。1人では転職活動が頑張れないと思って、本気で考えてPOSIWILL CAREERに申し込んで本当に良かった。ようやく納得のいく転職活動ができた。最後の面談前に内定報告できて良かった。


ストレングスファインダーをしよう

内定後の転職活動の流れや一人暮らしの段取りも、杉山さんに教えてもらった。これからの転職活動について私は考えて、選考結果待ちのものは待つことにし、これから面接予定のものは辞退することにした。というわけで、私は怒涛面接ラッシュからようやく解放されることになった。

とうとう最後の面談が明日に控えていた。私のことを熟知している人と話すのも、最後になってしまう。そうだ、この機会にストレングスファインダー(クリフトンストレングス)を受けて、自分の強みを杉山さんに見てもらいフィードバックしてもらいたい。実は5回目の面談後に、折り返し地点だからストレングスファインダーを受けて、山口さんにフィードバックをしてもらうのも有りかなとぼんやり考えていて、会員登録だけはしていた。私はそこそこする受験料を払い、受験した。私の強みは以下のようになる。

1. 最上志向
2.
収集心
3.
慎重さ
4.
内省
5.
責任感
6. 調和性
7. 未来志向
8. 共感性
9. 自我
10. 公平性

解説を読んで、私っぽいなと思った。上位5つについては具体的に以下のように思う。

1.最上志向:完璧主義。プライドが高い。強みを見ていたい。弱みばかり触れないでほしい(弱みを指摘され続けて憂鬱になり仕事も上手く回らなくなった経験から言える)。こだわりが強い。

2.収集心
:あらゆる情報を集めている。本が好き。インプット過多である。アウトプットの機会を得たい。

3.慎重さ
:以前から自覚していた。確実にできるか確認してから動く。

4.内省
:考え事をするのが大好き。重大なことから些細なことまで色々深く思案に耽る。

5.責任感
:元々ある方だったが、おそらくリーダーとして働いているので更に強くなったと思われる。

「自我」は9位だが、とても強い方だと思う。私は控えめに見せかけて目立ちたがりだ。慎重さの方が強く出ているので、「目立ちたいけど目立ちすぎたくない」という矛盾した気持ちを持っている。『「やりたいことの」見つけ方』を通して出てきた、私の仕事の目的が「表現(自分を世界に対して表現する)」となっているのも、自我が強いからだと思う。

また、質問回答時に「どちらともいえない」を選ぶことが少し減った。いつも自信を持って「これ」とは言えなかったのだが、今は自信を持って「私はこんな人です」と選択することができるようになれた。


杉山さんから返信が来た。

「結論からお伝えすると、とってもその要素があると感じております笑
特に上位5つについては、転職活動フェーズでお見かけしてます!」

どうやら杉山さんからも私はそう見えるらしい。面談を通して感じた具体的なフィードバックももらえた。貴重な体験をすることができた。


面談⑩これからも続いていく

杉山さんは改めて内定を取ったことを祝ってくれた。そして引越し準備や入社日についての相談に乗ってもらった。度々引越しの話をしてくれるのは、引越し未経験者にとっては本当に有難いことだった。1人で転職活動していたら情報に振り回されて、引越し準備もよく分からないまま進めてしまい、イライラして自分を責めることになっていたと思う。


ストレングスファインダーの話もした。杉山さんも受験しており、その結果はなぜかTwitterの現在地に書いてあった(達成欲回復志向収集心活発性着想)。私はそれを思い出して、フィードバックを求めたというのもある。私と杉山さんは一見正反対で、診断結果にもそれは現れているが、「収集心」は共通していた。私と杉山さんが受けたものは34の強みが全てランキングになっているものだったので、それぞれの1番低いのがこれだ、など色々話をした。自分の弱みを補うには、補ってくれる性質のあるパートナーを作るのが良いと、診断結果には書いてあった。転職活動は後半から杉山さんに伴走してもらったが、思った以上の結果が出たのはこういう要素もあるかもしれない。しかしサポートも終わり、これからは私だけになる。「パートナーを作る」なんて簡単に書かれても困る。そもそも「パートナー」って何だ。いわゆる配偶者のことだろうか?それなら結婚願望が無いのにどうすれば……。少しモヤモヤしていたが、内定獲得の嬉しさに数日頭が働かず、このモヤモヤを杉山さんに言えるぐらいの言語化ができなかったのが悔いである。最後の面談で完全に気が抜けていた。最後だからこそ、しっかりモヤモヤを把握して挑むべきであった。


話は変わり、無料カウンセリング大窪さんに話した趣味のことを聞かれ、それで盛り上がった。大窪さんは私のことを覚えているのだろうか。POSIWILL CAREERに相談する人の中で、「京都に住みたい」を転職理由にしている人が私しかいなければ、覚えてもらえているかもしれない。また、山口さんにも私が内定を取ったことを伝えるそうだ。山口さんは今どうしているのだろうか。状況が気になって気になって仕方がなかったが、聞く勇気は出なかった。


これからトレーナーがいなくなってまた不安になって誰かに依存してしまうのではないかと思っていたが、大丈夫そうだ。この数ヶ月で、私は問題解決ができるようになっていた。ジャーナリングで現状把握し、行動して解決を試み、ダメだったら方法を変えてみる。転職活動のみならず、何事も仮説検証の繰り返しだ。POSIWILL CAREERで取り組んだことを思い出し、これからの生活を乗り越える。ということで、トレーナーとしての杉山さんの役目は終わったと思うことができた。

これ以降POSIWILL CAREERや杉山さんとの関係が終わるというわけではなく、POSIWILL CAREERを卒業した人が入れるSlackの卒業生コミュニティに参加することができる。卒業生同士で交流ができ、互いに目標に向かって高め合うこともできる。そこには杉山さんもいるので、近況報告もできる。これからも私とPOSIWILL CAREERの関係は続いていく。

最後の面談は、しんみりするのかと思っていたが和気藹々な感じだった。もうレンタルスペースを借りることも、仕事終わりに急いであの場所へ行くこともないんだ。面談は、回数を重ねるごとに楽しみになっていった。自分の強みに気付けたり、だんだんできなかったことができたり、新たな知見を得たりすることができた。感謝である。


面談終了後、アンケートにトレーナーへのメッセージを書いた。杉山さんには後でSlackで感謝の長文を送るとして、山口さんにメッセージをしたためよう。初回面談から思い返し順調に書いていたが、やはり途中で泣いてしまった。トレーナー変更後、杉山さんは私の要望を聞いて私の心情も汲んでくれた。それでも最後まで山口さんと一緒に頑張れなかったことが心残りだ。本当は山口さんに感謝の言葉を直接言いたい。あの時言語化出来なかった気持ちを、今なら言えるのに……。果たして感謝を言える機会は来るのだろうか。私は来るかどうかも分からないその日を待つしかなかった。


数日後、Slackで杉山さんに対する感謝の言葉をしたためた。思えば色々してもらった。嬉しかった。私は性格的に非常に扱いづらい人だったと思うが、私の味方でいてくれて嬉しかった。おかげで心置きなく頼ることができて、結果杉山さんをだいぶ使い倒すことになったので少し心配になった。私が納得できるまで話を聴いて答えてくれて、自信のなかったことも何度も褒めてくれて、それでようやく不安も減って自信が持てた。私は変われたと思う。杉山さんへの信頼は、自分から信頼しようと努めたこともありどんどん深まっていき、杉山さんに安心を覚えたところで「これ以上深まることはないかな」と思っていた。しかし面接が本格化すると限界を突き抜け、とどまることを知らないぐらい信頼していた。今までのことを思い出し、やはり書いている途中で涙が出た。杉山さんに送った感謝の長文は1726文字あった。他にも言われて嬉しかったことなどを書こうかと思ったが、そうすると枚挙にいとまがない。このくらいにしておこう。


POSIWILL CAREER卒業後の私

選考結果待ちの結果も出て、私は最初に内定を取った会社に入社を決めた。転職先も決まったので、卒業生コミュニティで自己紹介をした。ポジウィルズ(POSIWILL CAREERの利用者)の方々や事務局の方、事務局との面談でお世話になった二田さんなど、多くの人に温かく迎えてもらえた。

意を決してTwitterで発信することにした。「常に出来事から学びを得て自分のものにする」生き方を継続させるための環境を作る。日々の内省や気付きをツイートしていきたい。それに、面談中杉山さんに「杉山さんのTwitter見てます」と言った時に「是非フォローしてください」と言われたことがあった。あの時は誰が見ているか分からない環境で発信するのが怖く、アカウントを作ることができなかった。鍵をかければいいのではないかと思うが、実はTwitterで発信したい気持ちを少なからず持っていて、やるなら鍵をかけず公開のアカウントでしようと思っていたのだ。最終的に「陰ながら見守ります」と言ったものの、その時の杉山さんの顔が悲しそうに見えたのが引っかかっていた。Twitterを始めることにより、杉山さんにも発信を見てもらえるし、私も杉山さんの状況を知ることができる。初ツイートはものすごく緊張した。毎日1~2ツイートをして、発信を習慣化していく。

同時にnoteも始めた。新卒や既卒の就活の出来事を書くためにアカウントを作った。しかし、POSIWILL CAREERでの自分の成長の記録を残したいと思い始めた。このことを忘れてはならない、形に残すべきだ、と使命感に駆られた。そして今後申し込みを検討する人や私と同じ境遇の人がいたら、どうか私を参考にしてほしい。そんなことを考えて気が付いたら執筆を始めていた。仕事の合間や家に帰ってから、時間を忘れて夢中で書いていた。意外と苦にならなくて楽しい。たくさんの出来事があったので1つの記事では収まらないと思い、思い切って全11回予定のnoteを書くことにした。noteを書き、改めて今までの面談を振り返る。苦楽を分かち合える人がいることが、本当に有難いことだと感じることができた。


不動産屋に行き、家を決めた。普通の会話のように自然に笑いながら担当者と話し、自分の要望もしっかり伝えることができた。最低条件を予め決めておき、数件内見して条件の取捨選択をして1番条件の合う家にした。意思決定もすっかり自分でできるようになっていた。その後の契約の手続きも大変だったが、どうにかして乗り越えることができた。


数年働いた派遣の仕事も無事退職した。両手では収まらないほどのプレゼントをもらった。私のリーダーとしての在り方は間違ってなかったんだと思うことができた。新人たちには「物を頼みやすくて、他の人たちより優しい」と言ってもらえた。新人教育をしていたので役割上優しくしていたが、自分の性格や経験も結構にじみ出ていたのかもしれない。自分は人望が無いと思っていた時もあったが、そんなことはなかった。

退職後、いよいよ京都に引っ越し、一人暮らし生活が始まった。役所で手続きを行い、晴れて私は京都の人になった。ずっと京都人になりたかった。これからは好きな時に京都巡りができて、誰の目も気にせず家で友達と電話もでき、zoomだってできる。家事は完璧を求めることをせず、無理なく行なう。そして今までまともにしてこなかった掃除も自発的に週一で行えており、楽しく感じるようになった。すごい。

そして入社日になり働き始めた。通勤時間も前職より圧倒的に減り、とても楽になった。新しい仕事を覚えつつ、環境にも慣れていく。現職は「1つの業務に集中して取り組める」仕事だ。私の求めていたものだ。上司も優しく、昼休憩に1人でいても何も問題ない。過ごしやすい。職場環境は入ってみないと分からなかったことだが、この会社を選んで良かったと思う。もし不都合があれば、その時に対策を考えていけばいい。


このように、POSIWILL CAREER卒業後からの夢の京都一人暮らしはとても順調だった。POSIWILL CAREERを使って転職していなければ、もし仮に一人暮らしを始めても、完璧にできない自分にイライラしていただろうし、卒業生コミュニティや公開Twitterで人との繋がりを感じることもできなかった。なので誰にも頼ることができず、きっと一人暮らしが精神的につらくなっていたと思う。POSIWILL CAREERを通して精神的な成長も遂げることができたから、今の一人暮らしが成り立っているのだ。


心残り

正社員で転職し、夢の京都一人暮らしも軌道に乗り順調な生活を送っていても、ずっと心残りなことが一つだけあった。山口さんのことだ。どうしても山口さんのことが気がかりだ。直接感謝を言いたい、成長を遂げた私を見てほしい、何よりさみしい……、それらの感情を常に抱えて生きていた。

そんな折、山口さんが復職するとの報せを聞いた。私はそれを聞き、嬉し泣きした。有難いことに、zoomにて山口さんとの挨拶の機会も設けてくれるそうだ。ようやく私から直接報告できる。長かった。この時を待っていた。とても嬉しかった。
日程調整のため山口さんからSlackで連絡が来た時、あまりの嬉しさに逆に冷静になってしまった。冷静になりながら、希望の日程と当日話したいことのリストを送った。リストを事前に送るのは、当日私がどうなるか分からないからだ。山口さんの顔を見た瞬間、緊張で固まって声が出なくなるかもしれないし、開始10秒で号泣してしまう可能性もある。この挨拶の機会にしっかり話しておきたい。

日程も決まり、私と山口さんはその日まで体調とzoom環境を万全に整えることにした。その日が来るまで絶対に生き延びねば。たとえ何があっても絶対に死ねない……!!
私は山口さんに伝えたいことをしっかり言えるように、スプレッドシートにまとめることにした。そしてたまに読み上げてみた。Webカメラを買ってあったものの、買ってわずか2週間で壊れてしまったので買い替えた。季節の変わり目だったから、体調を崩さないように服選びも慎重にした。髪がボサボサになりつつあったので、髪を切った。zoomのテストを行って、カメラの調子と映り方を確認した。もちろん当日の予定もしっかり立てた。全ての家事を開始時間までに終わらせることにした。積もる話をするので何時間かかるか分からないし、私は話せるのなら日付が変わるまで話してもいいと思っていたので、終了後すぐに眠れるように段取りを組む。

最初は嬉しさの実感が無かったが、日が進むにつれ実感が湧いてきた。まだ話してもいないのに、嬉しい気持ちでいっぱいだ。気持ちが浮き立つ。楽しみすぎる。いよいよ当日になり、朝から緊張した。山口さんと話すことを考えると肩がガチガチになったので、どうにかして肩の力を抜いた。仕事が終わり、家事を済ませて風呂にも入り、着替えてパソコンを起動する。zoomのテストも良好だ。この時点で開始45分前だったが、あまりの緊張で立てなくなり、始まるまで椅子に縛られることになった。そして開始時間が来てzoomが繋がる……。


積もる話

山口さんが画面に映った。私もカメラをオンにする。買い換えたカメラは正常に映り、ホッとした。緊張で声が出ないかと思ったが、しっかりと出た。挨拶を済ませると、

「表情、変わりましたね!!!!!」

と言われた。私は特に意識していないが、自然と笑顔になっていたようだ。「とにかく、表情!!!!変わってます!!!!」と何回も言ってくる。山口さんは私の変化に興奮気味だった。曰く、初回面談の時は今のような表情ではなかったらしい。

事前に共有した聞きたいことリストに「山口さんのことが知りたい」と書いたので、山口さんのことを色々聞いた。これでようやく謎だらけだった山口さんを知れる。結論から言うと、私と山口さんには共通点が多かった。とっても嬉しい。

私の近況報告もした。一人暮らしのことや仕事のことを話し、今困っていることも相談した。あまり他の人には聞けないことだったので参考になった。山口さんは京都の大学に通っていて当時一人暮らしをしていたので、京都の話もした。ここに行ったとか、あの場所が好きだなど、大いに盛り上がった。他の人と京都の話をした時、ここまで盛り上がったことはなかったので驚いた。初回面談時も京都の話をしたが、私がとても控えめだったのと言語化が今ほどできていなかったので、今ここで盛り上がって話せることが嬉しく感じた。


POSIWILL CAREERの体験記noteの話もした。「照れるぐらいに嬉しい」と山口さんから言ってもらえた。体験記noteを書く理由は、トレーナーへの感謝の意味もある。「感謝しています」「嬉しいです」では言い表せない思いをどうにかして伝えたくて、私の感情の推移を追体験してもらえたら分かるだろうと思ったからだ。杉山さんに対する思いは面談で直接言ったり、Slackに書いたり、共有のポジティブ3行日記に書き込んだりして全体の80%は伝えられていた。しかし山口さんに対する思いは直接本人に言えなかったので、どうにもならない気持ちを赤裸々にnoteに感情をぶつけて執筆していた。本人が読んだことを知ると今更ながら恥ずかしくなったが、喜んでもらえて何よりだ。
「私が山口さんに感謝していることを、どうか忘れないでほしいです」と伝えると、「刻み込まれました」と山口さんは言った。もし私が他の人から長文の感謝noteを書かれると私も嬉しくなるし、きっと忘れられない。ただ、こんなとてつもなく労力のかかることを苦なくこなせるのは、現時点で私ぐらいだ。私はすごい。

もし予定通り山口さんと最後まで面談ができていたら、見えた景色は少し違ったのではないか、という話もした。確かに違うと思う。杉山さんは自分の経験をフルに活かして私にアドバイスをしてくれた。山口さんなら、山口さんの経験に基づいたアドバイスをくれただろう。私はそのまま山口さんと続けられていても、ストレングスファインダーをフィードバックしてもらっただろうし、以前から『「やりたいこと」の見つけ方』も気になっていたので自主的に取り組んでいたはずだ。どちらにしても私の強い意志は変わらないから、過程は違えど無事に正社員で転職して京都一人暮らしの夢を叶えたに違いない。

今まで山口さんに言えなかった感謝をひたすらした。山口さんも私に感謝した。感謝の応酬を続け、どうしたら気持ちが伝わるのか、ということも話した。同じ空間にいたら言葉と気持ちがしっかり相手に伝わるだろうか、と私は考えた。同じ空間で直接感謝を言いたい。だから、私は「東京に行って山口さんや杉山さんに直接会う」ことを目標にすると、山口さんに宣言した。引っ越してお金が無く叶うまでまだまだ時間がかかるので、よろしければ京都に遊びに来てくださいとも伝えた。実体のあるリアルな山口さんや杉山さんに会えるのが楽しみだ。私は夢が叶うその日まで生き抜くと誓った。


話したいことを全て話しきり、zoomが終わった。山口さんは私が切るまで待っているようだった。優しい顔をしていた。次に顔を見るのは直接会う時になるので、このまま切らずに顔を見ていようかと思ったが、それはさすがに迷惑すぎるので早々と退出した。冒頭から私の表情が変わったことをひたすら指摘していた山口さんだったが、山口さんも終始笑顔だったことに気付いた。かつて私と面談している時は、そんなに笑顔だった印象がなかった(常に私が暗い表情をしていたからだと思う)。互いに笑顔で充実した時間を過ごせて良かった。

絶え間なく盛り上がって話していたので、心と体が熱くなった。温泉に入って気持ち良くなった状態に近かった。寝る支度をしていたら、頭が痛くなった。どうやらのぼせてしまったようだ。


私たちは尊い存在

後日改めて感謝の言葉を山口さんに送った。私は何回でも感謝できる。山口さんや杉山さん、そのほか関わってくださったポジウィルの方々には感謝しかない。関われて良かった。新卒就活の時に「どこにも就職できず役にも立てない私なんて、生きてて申し訳ない」と、生きるのを諦めようとしたことがあったが、諦めなくて良かった。生きてて良かった。今すごく幸せだ。これから困難があっても生き延びてみせる。

「私は私でいていいんだ」と思えるようになった。決して高みを目指すのを諦めたわけではなく、自然体の私を許して少しずつ理想の私になっていこうという気持ちだ。今まであったネガティブなことも今の私の一部で、それがあったから今の私がいる。

トレーナー変更という、ネガティブな体験を受け止めるのが非常に難しかった。しかしそれがあったから今、山口さんが存在すること自体嬉しく思える。その人が存在するだけで有難い。よく親が愛する我が子に言う「あなたがいてくれるだけでいい」という気持ちに近いものを感じる。肩書きやステータス、私が相手に身勝手に期待して求めることもしない。ただ生きていてくれるだけでいい。実は山口さんに今回のzoomで「アオイさんは尊い存在」と言われていて嬉しかったが、それ以上に私が尊いと思える存在ができたことが嬉しい。常に受け身で相手に求めてばかりだった私が、相手に対して自発的な感情を持てるようになった。山口さんの返信から言葉を借りるが、「人間みな存在自体が尊い」のだ。私も、トレーナーも、他の人も、この長い長いnoteを見てくださっているあなただってもちろん尊い。

そんな尊い人達がいる世界で、今日も京都で私は生き抜いていく。私が私であり続けるために。



今回の得た学び

・ただ落ち込むだけでなく「では、どうするか?」「どう軌道修正していくか?」を考える。

・ネガティブな感情を置き去りにするのではなく、受け止めて次へ活かしていく。

・不安だと思っているだけでは何も解決しない。不安をどう取り除けるかを考えて、できるだけのことをやる。

・苦楽を分かち合える人がいることは素晴らしいことだ。1人では乗り越えられないことも、乗り越えられる。

・人間みな存在自体が尊い。言えずに後悔しないように、その人に対するポジティブな感情を積極的に伝えていきたい。


終わりに

ここまで全11回の体験記を読んでくださり誠にありがとうございました。POSIWILL CAREERを利用して、投資額以上の効果があったと私は思っています。転職活動だけでなく、人生も前向きに捉えることができ、今までずっと感じていた生きづらさも感じにくくなりました。体験記はかなり長くなりましたので、「10回の面談でどんな変化が起こったか」という今までの体験記の総括の記事を、こちらに書きました。私の持っていた生きづらさがどう変わっていったのか、是非ご覧ください。

また、私の内省Twitterも毎日更新しておりますので、ご覧いただければ幸いです。

最後に、このnoteを読んでくださったあなたが、自分の納得できる人生を送ることができますように。


アオイ



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