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セルフブランディングできるのはデザイン組織の特権?

こんにちは、新井勝といいます!
Hamee株式会社というコマースやITサービスを運営している会社のデザイン部でクリエイティブディレクターをやっているデザイナーです。
主に、新規事業や新規サービス立ち上げの際のブランディング、オンライン・オフラインを問わないデザインが得意です。

今日は、「選ばれるデザイン組織を作りたい」という、発展途上なデザイン組織向けに、デザイン組織ならではのセルフブランディングについて書いてみます。

セルフブランディングといっても情報の発信方法などいろいろありますが、今回は「価値定義」から「ビジュアルアイデンティティの作成」におけるお話をします。

デザイナー採用の課題

私たちHameeは、決して有名な企業ではありません。知り合いに社名を伝えても知っている人はほとんどいないのが現実です。こういった悩みは、世の中の多くの企業が抱えるのではないでしょうか。

だからこそ、採用活動も求人を出して待っているだけの受け身な状態ではなく、スカウトを送るなど、積極的にアクションしていく必要があります。

昨今、能動的に採用活動をする企業は増えていますが、たとえご応募いただいたとしても、目に見えにくい部分も考慮しなければ、お互いが幸せに仕事をすることはできないですよね。

たとえば、

・スキルはあるが、会社が持つ各ブランドのテイストに合うか
・スキルはあるが、ものづくりのマインドが会社に合うか
・チームに馴染めるかどうか

などなど...

こういった課題を解決するには、まず自分たちがどういう組織で、何を目指し、どんなマインドなのか、しっかりと伝える必要があります。

デザイン組織なら、日々業務でおこなっているブランディングのノウハウを活かせるはずです。

私たちデザイナーが憧れるようなデザイン組織を見てみると、日頃から価値観を発信し、ビジュアルも価値観に沿ったものを丁寧に作っています。

KESIKI INC.
Cookpad Design Magazine
DESIGN BASE MAGAZINE

まずは形から!ということで、私たちもビジュアルアイデンティティから作ることにしました。
その過程を今回発信することで、下図のような循環が起こることに期待します。

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プロセス

ビジュアルアイデンティティ開発の流れは、状況に応じて様々なパターンがあると思いますが、今回は6つのステップで行いました。(プロセスは最初に決めたわけではなく、進めながらその都度臨機応変に)

① ヒアリング
② キーワード抽出
③ ムードボード作成
④ デザインコンセプト、ラフデザイン案提示
⑤ コンセプト決定
⑥ 本デザイン

まず最初に、デザインマネージャー2人にヒアリングを行い、ミッション・ビジョン・バリューについてと、どういった存在になりたいか、深堀りをしました。


noteの運営メンバーも加わり、議論しながら、Hamee Designの価値観になるようなキーワードを何個も抽出します。

キーワードが集まったら、今回デザインを担当した私が、キーワードを表現していそうなデザインを、PinterestやBehanceなどのSNSや、デザイン書籍などから集めます。

ちなみに、ここまではmiroを主に使い、細かい情報を残しています。

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デザインコンセプト

コンセプトを決めていく上で大事にしたのは、当たり前ですが、会社自体のミッションと一貫していることです。
私たちHameeのミッションは「クリエイティブ魂に火をつける」です。

これは、世界中の人をクリエイティブにすることができれば、世界がより良くなる。ということを信じ、自分たちがまずクリエイティブになろうという意思表明になります。

その中で、私たちHamee Designは「Hameeの人たちが持つクリエイティビティを発揮できるようにする」というビジョンを目指しています。

このビジョンを表現するために、ビジュアルは「みんなから出てきた火を大きくするもの」にフォーカスしました。

ここで方向性を大きく2つに絞り、ラフデザインを作成しました。

・「風」によって火を大きくする案
・「化学反応」によって火を大きくする案


ラフデザインを見たメンバーの反応はさまざまでしたが、「化学反応」のほうがHamee Designらしさを表しているし、今後の指標にもなり、試行錯誤しやすいという理由で、「化学反応」案に決まりました。

以下、デザインコンセプトなどを言語化した内容をまとめます。

▼デザインコンセプト
デザインによる「化学反応」でHameeのクリエイティブ魂の火を予想外の大きさにする。
そのために日々試行錯誤を繰り返す様子を「実験」という形で表現。
▼モチーフ
・分子
・実験道具
・細胞
・爆発
・炎 などなど
▼トンマナ
・洗練されすぎておらず、実験的な表現
・「?」がある(つい「なんだろう?」と目が止まる)
・デザイントレンドを意識
・ポップ (コーポレートやスマホアクセの事業との親和性)
▼ミッションロゴタイプ
試行錯誤を繰り返す様子を「T」を繰り返すことで表現。(TRYを繰り返す)
ビジュアル全体がポップなので、画を締めるためにもシンプルな書体を使用

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ビジュアルアイデンティティ作りを終えて

まだnoteへの投稿は始まったばかりなので、これからビジュアルアイデンティティに磨きをかけていきますが、いったんここまでの感想や発見をまとめます。

・ビジュアル化することで、メンバーに自分たちの組織の価値観が思った以上に伝わる
→「ミッションロゴタイプを通して試行錯誤をしていく意気込みが伝わった!」
→「変でHameeらしい!(良い意味で)」という声がありました。
・単純に作っていて楽しかった
→デザイン組織にとって、自分たちで仕事を作って、自分たちで決められるような、自由な仕事は珍しく新鮮でした。

今後はこのビジュアルを活用し、部内を盛り上げるためにグッズ制作や資料への反映を企んでいます。アウトプットが溜まってきたら、また記事にまとめようと思います。

こうやって、部署が自らセルフブランディングをおこなえるのは、デザイン組織の特権でもあります。もし自分たちの特徴が発信できていないなどの課題をお持ちであれば、おすすめします!

アートディレクター募集中です!

Hamee Designの価値観に共感してくれた、もしくは興味をもってくれたアートディレクターの方がいらっしゃいましたら、是非カジュアルにお話ししましょう!(以下リンク先、[コマース]カテゴリ内にあります)

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