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入社1カ月前、新卒内定者の不安と力みを和らげるための考えを書きました。

こんにちは。初めまして。
Hameeのプラットフォーム事業部でエンジニアリングマネージャーを務めています伊藤正訓(まさくに)と申します。最近の悩みは歯科治療が痛いことです。

かかりつけの歯医者では「痛いときに押す」という謎のボタンを施術中持たせてくれるのですが、本当に本気で痛いときに「んんー!!」と呻くこと以外、ましてやボタンを押すという力学的変換を器用にこなせる患者がいるものなのでしょうか。

さて、本稿では「入社までに内定者が感じる不安を緩和してあげたい」という最高に優しい一念のもと、「何か書いて」と言われた僕が「おけまるです」と言ってから、色々考えたことを書いていきたいと思います。

立場的にHameeの内定者を思い浮かべながら書くことにはなりますが、おそらく他の企業様のご内定者、あるいは内定者に限らない仕事全般で通ずる何てことない普遍的なことを書くつもりです。

要約すると「力まないことは大切」という話です。

この記事では話さない具体的なこと

色々と書く前に、もしかしたら「この入社前1ヶ月でやっておいた方がいい具体的なこと」を本記事に期待されていたかもしれません。例えば下記のようなことです。

・必要な書類を用意しておこう
・入社に合わせた生活習慣を作っておこう
・残りの学生生活を大切にしよう
・社会人として覚悟を持とう
・会社に合わせて業界調査をしておこう
・業務に合わせた書籍を読んでおこう
・自分なりの仕事術を試してみよう

ちゃんとした準備はそれだけで不安を軽減すると思いますので、これらは全て正しいと思っています。一通りお話したあとに、おすすめの書籍については数冊ご紹介させていただくつもりですが、入社までの時間的猶予もあまりないですし、その他の項目については本記事では語れません。

あらかじめご承知おきください。

そもそもどんな不安を感じているのか

実はこの記事を書く資格が僕にはないのかもしれないと思っていて、僕のキャリアはフリーターから始まったので新卒時の経験がありません。そこで「入社までに新卒内定者が感じる不安」を想像してみました。

新しい環境で、新しいことをする、それだけでストレスフルではあると思うのですが、下記のような不安を感じられているのではないでしょうか。

・自分は周囲の人たちとうまくできるかどうか
・自分は仕事をうまくできるかどうか
・自分は良い会社を選択できたかどうか
・自分は正しい将来を選択できたかどうか
・自分は企業文化とマッチするかどうか
・自分は会社に貢献できるかどうか
・自分は社会で立身できるかどうか

「内定 不安」などで調べてもみました。その結果も含んで考えるに、現代の新卒内定者の不安で、多くを占めるのが自分と他者との関係がうまくいくかどうか、のように思われます。そりゃそうだよね、と思いました。

これに対応する安心を僕がいま提供できればここで解決するのですが、いくら「君なら大丈夫だよ!」と言ったところで、よく分からない馬の骨がそんなことを言っても不安をいたずらにあおってしまうだけでしょう。

この不安に対応する安心(自信)をえるためには、抽象化された経験が必要だとは思うのですが、経験を得るためには1度働いてみなきゃ分からないというデッドロックが働いてしまうのがジレンマです。

そこで「入社までに内定者が感じる不安を緩和」するために、僕は1つ、逆に考えてみることにしました。つまり「どのようにすると、この不安が現実になってしまうのか」を考えたのです。その逆に考えれば安心に近づく方法があるのではないか?

そのため自分のこれまで38年の人生、入社と転職、同僚、上司、お客様との人間関係、コンディション、プロジェクトの状態、成功失敗の体験などをつぶさに思い出しました。

そしてついに僕はたどり着いてしまったのです。ビジネスシーンはおろか、スポーツ、趣味、人間関係、全ての人間的活動における、失敗しやすい1つの状態というものに。

しかも入社残り1ヶ月、現段階で心構えとして覚えているだけでグッと失敗の可能性は減り(弊社比)、それ以後の人生をも一変させる(個人の感想)、とても重要なファクターに。

僕は提唱します。

「力む」と失敗しやすいです。

「力み」が全ての成功確率を下げる

そうです、ご存じ、「力む」と物事が失敗しやすいんです。

「力み」は緊張や不慣れ、状況、精神状態から心身がこわばり、矛盾したベクトルで力が発生し、単一指向的なパワーを発揮できない状態です。その状態で活動を続けると心身が疲弊し、よけいなコリを生み、さらに力んでしまうという悪循環に陥ります。

身体能力、思考能力においても「力み」が悪影響をおよぼすことが、スポーツをはじめとする分野で研究され、証明されています。皆さんも実体験としてご理解があると思います。

おいおーい、今さら「力み」かよー、そんなのみんな知っているし、知っている上で簡単には取れないから「力み」なんだよー。そうです、そう思われたことでしょう。

実際、それらの「力み」を取り去ることは非常に難しいと思われます。12年間続けた剣道で、ぼくはついぞ「力み」を取ることができず、「ブリキ人形」として揶揄されたのは辛い思い出です。

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▲ブリキ人形の剣道(きれいに打たれている方が自分)

しかし僕がここで話したい、短期間で何とかなりそうな「力み」、それは「スタンスの力み」だと思ってください。「スタンスの力み」とは先入観、偏見や恐れなどで心が硬直してしまっていることとして話題にします。

そもそも「力むのはよくないなぁ」と思ったのは、本記事とは関係のない、あるプレゼン資料を作っていたときのことを思い出したからでした。難しい提案だなぁと思っていました。

内容も自分でコントロールできることを少し越えていて、今ひとつ説得力に欠けていましたし、提案をするお客さんも海千山千の手練でした。自然と不安を感じていたのだと思います。

提案するための資料というものを作成中、誰もが同じような状況になると思うのですが、ロジックの破綻がないように、頭の中でターゲットに対してプレゼンを続けるものだと思います。

僕もそのシミュレーションをずっと続けながら資料を作成していました。そして、ある程度作ったところで、ハッと気がついたんです。お客さんが自分の中でめちゃくちゃ嫌なやつになっていることに。そしてその脳内のお客さんの言動で、自分が現実世界でもムカついていることに。

待て待て、力んどる。

僕はそう思いました。現実のお客さんは手練ではありますが、嫌な人ではありませんでした。僕が頭の中で提案を通そうとして、仮想敵として作り出したお客さんが現実の認識さえ変えてしまっていたのです。矛盾した状態と言えます。

深呼吸をして、資料を見返すとひどいものでした。あらゆる箇所に強い言葉があふれていました。先方は全くそんなつもりはないのに、僕が自分の不安から一方的に力んで、協調的な提案ではなく、敵対的な説得に回ってしまっていたのです。

あらゆる提案に批判的なシュミレーションが必要になるにせよ、いきすぎたこのエピソードは投影に近いことだと考えています。自分の不安をやわらげるために、自分の中で相手を嫌なやつに仕立て上げて、心理的負荷を下げたのです。

これが僕の意識した「スタンスの力み」です。人や組織や事物に接する前から、フラットに考えることができず、心が硬直してしまうことです。そして考えてみると、この「スタンスの力み」は、実は稀なことではありませんでした。

会社生活が始まると「リスクについてのご相談」というようなミーティングがある日突然入るようになります。わー何のこと相談されるんだーそれーみたいに思います。そのミーティングに入る前に身構えない方が難しく、そのこわばりがミーティング中の言動まで左右します。

他にも、ある人と会う前に、別の人からその人の悪意のない印象操作をされて、フラットな状態で応対できず、望まない結果になってしまい反省することが多々あります。

もっと悪いことは、これらの「力み」は他人に伝播するのです。あるグループにネガティブなワードを発する人が1人でもいると、グループ全体でネガティブな側面を無意識的に掘り起こそうとしてしまうようになります。

また、「セカンドハンド・ストレス」などとも言うようですが、ある人間の粗野な言動は、目撃しただけで他者はストレスを感じます。昔行ったカレー屋のバイトリーダーと思しき人が、常に他のアルバイトに暴言を吐き、ぞんざいに扱っていました。それを見ながら食べるカレーがおいしいわけがないのです。

つまり本記事で伝えたい重要なことは以下のとおりです。

スタンスが力んでいびつな状態だと、敵対心や猜疑心、不信などのネガティブな要素が思考を汚染してしまい、目の前の事実を誤認させることが多いです。

そしてそれは人に伝播し、不思議なことに周囲と友好関係を作りにくくなり、望ましい環境を構築できる可能性が下がってしまうのです。

これは先に挙げた不安が現実のものになってしまう原因の1つとして数えていいのではないかと思います。

どうやって「スタンスの力み」をほどけばよいのか

では、そんな「スタンスの力み」をどのようにほどいていけばいいのでしょうか。なぜ「身構えてしまうのか」をまず考えることにします。

前述の体験から言うと、提案に対する不安が、過剰な仮想敵を作り出したと言えるでしょう。その仮想敵や意見、もっと言うと攻撃が目の前に現れても即応できるように緊張して身構えた、という動物的な反応です。

皆さんで言えば、入社前、人間関係がうまくいくかという不安を抱えてらっしゃる方が多いと思われます。僕は皆さんにとってどう見えていますか? もしかしてパワハラ野郎に見えてしまっていますか?

「スタンスの力み」は目の前に現れたリスク不明なブラックボックスから何が出てきても即応できるように身構えている緊張のことです。つまりリスクゼロであれば(そう考えることができれば)、「スタンスの力み」は生まれません。

そこで、まず「悪い人なんていない」と考えといてください。

急にアホの子みたいに牧歌的なことを言い出したぞ、と思われるかもしれません。でもまぁ、この10余年を省みるに、事実かな、と思っていて、そう思うことに損はないです。

嘘を言うな、悪い人がいないなら、なぜ人は憎しみ合わなければならないんだ、この頭お花畑め、とお思いでしょう。なぜこんな救いがたい悲しい世界なのでしょうか。それは自分が相手のことをまだよく知らないからだ、と僕は納得しています。

相手が自分に向かって嫌なことを言うとき、相手には相手の立場や背景があります。これ以上仕事が持てない、これ以上の負債を出すわけにはいかない、他との約束を守らなくてはならない、妻とケンカした、ご飯を食べていない、などです。

それが自分にとって善良的、合理的かどうかは関係ありません。そしてその理由を全て引き出すことは往々にして困難です。人によって物事の重要性は異なりますし、話せない情報であることも少なくありません。このため自分には「理解できない嫌な思いをした」という結果が残ります。

逆に言うと、忍耐強く理解に努めれば、人間関係は解決できる、埋めることのできる課題も多いのです。これ以上仕事が持てない人には仕事を軽くするようなアプローチをとりましょう。お腹が減っているとイライラする人とはご飯を食べながら話しましょう。

しかしながら「スタンスの力み」は相手への理解を妨げます。最初からいびつなバイアスがかけられているため当然ですね。「悪い人がいないと思うことに損はない」と先ほど伝えましたが、それは頭お花畑というより、非常に打算的な理由です。

逆算的な話なのですが、先のことを考えると「スタンスの力み」は損をするんです。悪い人がいると思う→スタンスが力む→しなやかに相手を理解できない→結果、(自分にとって)悪い人が多くなるんです。

人との良好な関係を妨げる「スタンスの力み」に気づいたときには、「悪い人がいると考えると損をする」というキーワードで、それなりに回避できるんじゃないかなぁと思っています。

ぜひ対人関係で入社の不安を感じられるときは、上述の文脈も含めて、「悪い人がいると考えると損をする」と唱え、深く息を吐きながら、おまじないのようにお使いください。

まとめに代えて、少しの安心材料を

そうは言っても、緊張はそうそう簡単にほどけないかもしれません。そこで、そんな皆さんに1つだけ事実をチラ見せしたいと思います。

現在弊社プラットフォーム事業部では新卒内定者の受け入れ体制を整えるため、新卒研修の内容を急ピッチで検討している最中になります。その中で、どのようにすれば皆さんが弊社での主力に最短でなれるかに、ずっと頭をひねっています。

その中で新卒研修のプロジェクトで、関わるメンバーの望ましいあり方、そして望ましくないあり方について定義をしました。

<望ましい姿>
・個人の評価に紐付かない限り、情報はオープンに取り扱う。
・Biz、Devの隔たりを極力なくし、常に全体感のコンテキストを整える。
・将来的な新卒研修にもそなえ、できうる限りドキュメントを残す。
・多角的なフィードバックを尊重し、PJ全体で自己改善をおこなう。
・個人の成果やアイディアを称賛し、失敗をPJ全体で内省し、活かす。
<望まない姿>
・歳や役職を尊重するあまり、健全な議論がうまれない。
・個人の課題感を、適切に全体の課題感へ調整、反映ができない。
・研修に思い込みとエゴの側面が強くなり、新卒者の成長を最大化できない。
・自分で抱え込みすぎて、事実に基づいた適切な報告ができない。
・あらかじめ定義された責任領域のみを守り、他メンバーやタスクへ興味をもたない。

少なくとも弊社に入社される皆さんには、初めに触れ合う事業部の研修関係者が上記のことを意識していることを約束します。「悪い人はいなそうだな」って何となくは思っていただけましたでしょうか。たぶん、他の企業様も同じようなことを真摯に考えられていると思いますよ。

これはHameeに限らず、多くの企業で間違いなくそうだと思うのですが、1年で定例的に一定の人数を雇用する、という仕組みは、組織の健全性を保ち、骨子を強固にするための幅のある投資です。

色々と書きましたが、皆さんの失敗自体、組織を活性化させるためのカンフル剤として、ごめんなさい、何なら少し期待しているのです。先入観や偏見などの「スタンスの力み」だけはほどいて、どうぞ安心してお越しください。

でも最後に厳しいことも1つだけ。

僕らは組織のミッションを追っています。新卒の雇用についても、「それが戦略的に効果的だから」という圧倒的にドライな部分があることを否定しません。

お客様ではなく、仲間としてお迎えし、フラットなマインドで、全力で助け、そして助けられる関係を望んでいます。そのためには、もし皆さんに課題が生じたときには、ちゃんとアラートを上げることを意識してください。

そしてそういうときにも「悪い人がいると考えると損をする」とお考えください。この記事が皆さんにとって多少なりとも、余計な力をほどいて、「痛くなる前に押す」という謎ボタンとしての機能を果たせることを願っています。

改めてご内定おめでとうございます。一緒に成長していける日々を心待ちにしています。

おまけ

僕からもおすすめしたい書籍を数冊紹介させていただきます。エンジニア向けだとは思います。先輩風ピューピュー吹かさせてください。

いずれも著名で、ほとんど技術要素は関係なく、土台以前の問題、土地をどうならしておくか、くらいの基礎の基礎が書かれています。このため僕の基本的なマインドを形作り、今回お話した部分もあざやかに説明がなされています。

特に「他者と働く」は最近、弊社のテックリードにおすすめされた本で目の覚めるような良書でした。もしよろしかったら、お手すきでご覧ください。

それでは、正訓でした。

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