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24歳にして最強の駄菓子ボックスを作った話。

俺は冗談抜きで毎日お菓子を食べている。そんな俺の楽しみは、月に一度、ショッピングモール等によくある駄菓子屋で爆買いをする事である。いつ訪れても店は子供達で賑わっていて、限られた予算でお菓子を選ぶ姿は大変微笑ましい。対する俺は、もうりっぱな大人なので、予算や個数制限といった柵から解放されている。つまるところ駄菓子屋においてはセレブなのである。
限られた選択肢に頭を抱えて、右往左往する子供らをよそに、確かな知識と経験で身に付けた選球眼ならぬ選菓眼で、最適な菓子を選び抜いていく。大人買いとはこの瞬間のために生まれた言葉だ。
菓子を選ぶ最中、ふと店内に掲示してあるポップに目をやると【300円以上お買い上げで駄菓子ボックスプレゼント】なる触れ込みが。

“駄菓子ボックス”

購入金額300円以上の条件など、俺からしてみれば楽勝の極みで、もはや日常。
せっかく駄菓子ボックスを手に入れるのだから、自分の好きな駄菓子で埋め尽くしたいと考えるのが駄菓子好きの性。

“厳しい選考を勝ち抜いた選抜メンバー”

塩味と甘味の絶妙なバランス。“グレープ餅”や“フエラムネ”の楽しさや、腹持ちのいい“きなこちゃん”と喉の乾きを潤す粉末飲料をチョイスしているのも好印象。

駄菓子ボックスに入れてみると、あまりの美しさに言葉を失う。この出来映えを言い表すとすれば、さしずめ駄菓子美人か。
こういった感動的な体験を手に入れるために常日頃から駄菓子を嗜んできたのだ。
帰宅後、ほどなくして完食した。その儚ささえも、駄菓子の持ちうる魅力に他ならない。
空になった駄菓子ボックスはその後、キーホルダーやポイントカード等をとりあえず投げ入れておく“なんでもボックス”と名を変えて、その役割を全うしている。
更なる最強の駄菓子との出会いを夢見て。

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