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Night Flight

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日常と非日常のはざま
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#言葉

ことばに濾しとられたのちに残るもの

 一年前の自分は、他人。

 どうやら、「いま」にしか生きられない人間のようなのだ。
 幸か不幸かわからないけど。

 昔、自分の書いた日記は二度と読み返さない、読み返すのが恐ろしいと思っていた。
 その時その時の最大瞬間深度の闇がそこに詰まっていそうで、蓋をしたら二度と開けられない、開けたら大変なことになるような気がしていたから。

 だけど、媒体を紙からwebに変えて、それなりに綺麗にまとめる

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そろそろふと紡ぎたくなって

そろそろふと紡ぎたくなって

 ひさしぶりに、noteアプリを開いてみた。

 嘘か誠か、「2秒前にバッジ獲得」のお知らせが目に入る。
 なんと、たまたま開いたこの日がnoteはじめて2周年なんですってよ、奥さん。
 良い勘してますね。

 生きてるんだか死んでるんだかわからないけど生きてます。なんて書く人に絶好調な人はいない。
 低空飛行といえば低空飛行が続いている、そんなここ一年ほど。

 そもそも、noteを更新しなくな

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異物感

異物感

 ルポというかただのレポだけど、一日がかりで前後編を書いた。一日かかったのは、この形式に慣れないせいで、そして実在する人の台詞を取り込むことにとても神経を使うからだ。

 そして、書き終えて、書き終えたことによって、その日一日の印象、書き終えた瞬間の私、が、よそもの、よその人、よその時代のよその世界のものになったような激しい違和感を残していることに気がついた。
 これは、違う。いつもの「note」

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ぼくたちはかなしみのままで

 不安を緩和するクスリはあっても、
 かなしみを取り去るクスリはないんだ。

 窓のカーテンのすそから差し込む光をぼうっと眺めながら、ふと、そんなことを思った。

 喪ってしまったものは二度と戻らないし、また喪うことを想像すると明日を生きることすら怖くなる。

 ニュースは非情にも、すでに起きてしまったことを伝える。
 そんなことが、もう起きてしまって、ことはすんでしまったのだと。
 だれかが泣く

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