トロフィーになるサステナブルなパッケージデザイン
こんにちは。
博報堂プロダクツ プレミアム事業本部 プロダクトデザイン部の内田です。
僕たちは、キャンペーンで使うノベルティグッズやユニークな開発アイテム、飲料や化粧品のボトルやパッケージなどを手掛けるプロダクトデザイナー集団です。
今回は、自社のユニークなパッケージをご紹介します!
トロフィーになるサステナブルなパッケージ
博報堂プロダクツでは毎年、社員の素晴らしい仕事をたたえる社内表彰・社長賞を行っています。
これは、社長賞の記念品(記念品はペンです)が入ったオリジナルパッケージです。
記念品を取り出したあとに、パッケージがトロフィーになる=ゴミ削減にも貢献する、というサステナブルなパッケージです。
ちなみにそれ以前のパッケージはこんなデザインでした↓
これは小さな石碑のようなイメージでデザインしたパッケージで、白いコート紙の表と裏を逆に使い、裏側のグレーボール紙をあえて表面に使ってデザインしました。コンクリートのような硬質な質感が表現できたお気に入りのパッケージです。
毎年、受賞者のことを考えて工夫を凝らしてデザインしていました。しかし、パッケージはパッケージ、いずれ捨てられてしまう運命なのです。心を込めてデザインしたパッケージが捨てられてしまうのは悲しいし環境にも良くない。パッケージが捨てられないような工夫はできないのかな?といろいろ悩んで試行錯誤して、カタチにしたのがこのトロフィーになるパッケージです!
ダンボールを積み重ねて作り、全体のフォルムを決めるところまでは順調でしたが、フタの開閉の固定方法がやや難儀でした。紙箱のようにツメ部分をつくり固定するのか、マグネットでくっつく仕様(コスト的に難しい)などいろいろ考えましたが、紙スリーブでフタを固定する、というシンプルな仕様にしました。スリーブがトロフィーの一部になるようにデザインし、フタを固定するために必要なパーツなので、紙スリーブも捨てられないのでよいアイデアだなと思っています。
ダンボール素材&捨てない工夫で環境に配慮
ダンボール素材を使うことで配送時はクッション材として機能します。そして積層したダンボールの細かいフルートが美しくてユニークです。また、パッケージがトロフィーになることで
ゴミ削減に貢献する環境にやさしいパッケージです。
トロフィーの中にメッセージを込められるデザイン
紙スリーブを取るとトロフィーが開き、中には記念品のペンと社長からのメッセージが出てくる仕様になっています。トロフィーとして飾るだけでなく、贈り主のメッセージも一緒に伝える役割も兼ねています。印字スペースが小さいので、それぞれの文字要素がベストな位置になるようにレイアウトも工夫しました。
写真だと伝わりにくいのですが、表面の黒紙はしっとりとした上品な質感です。その上にグロスゴールドで箔押しを施しています。光の当たり方でラインがキラッと輝きます!
グラフィックはシンプルで意味のあるものにしたいと考えました。輝かしい仕事に励んだ「受賞者・チーム・クライアント」を意味する、輝く3本のラインでグラフィックを構成しました。
サステナブルで、身近なダンボールを使いながらも高級感あふれるパッケージに仕上がりました。
完成したモノをながめていると、これは二次利用できるパッケージなのか、ペンが収納できる紙素材のトロフィーなのか。いろいろ考えているとよくわからなくなる時があります。笑
でもそういった曖昧なところに新しいアイデアやモノを生み出すチャンスがたくさんあると思っています。
Size:W60×H215×D20mm
※この作品は販売しておりません。
Staff list:内田成威 星智也 松本早紀子 西中聖裕
「プロダクトデザイン部のアトリエ」ご紹介
最後にもう一つご紹介です。僕たちは「プロダクトデザイン部のアトリエ」というギャラリーサイトを運営しています。このサイトは、「あたらしい価値をカタチに。」をコンセプトに、日常のちょっとした気づきや発見をカタチにした作品をみんなで制作し、ギャラリーサイトとして作品を紹介しています。
昨年のトロフィーになるパッケージや、他にもユニークでステキなプロダクト作品をたくさん掲載していますので、ぜひご覧ください!
noteでは「プロダクトデザイン部のアトリエ」で生まれた作品もピックアップして、デザインのこだわりやプロセスなど楽しくお届けしていきたいと考えていますので今後もお楽しみに!