シャベクリだけが人生だ/連載エッセイ vol.105
※初出:知事認可・岩手県カイロプラクティック協同組合発行、「姿勢ッコくらぶ通信 vol.107(2018年・第4号)」掲載(原文ママ)。
いま私は、この原稿を、大阪伊丹空港の搭乗口にて、待合ベンチに座り、持ち歩き用のPCを開いて、書き連ね始めている。
時刻は午前6時過ぎ。
何故ゆえにそんな状況にあるのかというと、昨日、兵庫県の仲間達からの依頼で、姫路にて一般向けの講演会を担当したからである。
昨日……いや、性格には昨晩遅くまでの5日間は、私自身が「夏のしゃべくり弾丸ツアー」と名付けるほど、過酷な日程であった。
初日の午前。
盛岡市中心部の金剛珠院にて「姿勢っこ寺子屋」を開催。
出家する前から当店のお客様であったご住職の「市民に開かれた寺院にしたい」という理念に共感し、本堂の広間を会場に、月イチベースで開催している健康講座である。
今回で開催丸2年となる24回目の講座となったが、参加するのは当店のお客様ではなく、寺院関係者なので、毎回幅広い分野の質問が飛び出し、話す方としては、ある意味「最も油断のならない」催し物であるといっても過言ではない。
ちなみに、私が主催する「小規模講座」では、その場で参加者から質問を募り、その場で講義を構成していくというスタンスを取っている。
その為、参加する側にとっては、毎回異なる話が聴けるので、実際リピーターが非常に多いのであるが、しゃべる側にとっては……なかなかの「器用さ」が必要となる。
閑話休題。
初日の午後。
盛岡にある自分の店舗を会場とした「姿勢っこゼミ」を開催。
毎月ほぼ2回ペースで行っており、今回で143回目。
こちらは主に、店舗へ既に通っているお客様対象の「知識を深める健康講座」であり、受講回数100回を超える猛者もいる位。
ただ最近は、お客様以外の受講者や、どこからか聞きつけ、問い合わせてくる方も出始めているので、今後の拡大が一番期待できる小規模講座かも。
2日目の午後。
JR紫波中央駅前にあり、地方創生の旗手として全国的にも注目を集める複合施設・「オガール」を会場として「姿勢っこセミナー」を開催。
私が主催する小規模講座では一番の「老舗」で、月イチペースで継続してきて今回が137回目……つまり11年以上しゃべくり続けている事になる。
初めて自分の店舗を持った紫波で、どうやったら拡大できるか思案し、その答えを「徹底的にお客様へ知識を持って頂く」と定めて始めたこのセミナーで、私の小規模講座のフォーマットは練り込まれていった。
今後も老舗の威厳を持って、過去を超えるセミナーを、益々作り込んでいきたいと画策している。
3日目は朝から夕方まで。
JR盛岡駅近くにある「アイーナ」にて、一般社団法人・日本姿勢科学学会が主催する「岩手地区・基礎セミナー~理想の姿勢のすべてがわかる1DAY講座」の講師を担当。
今回で開催108回を数えるこのセミナー、一時は地域の他の先生方に講義を分担して頂いたりもしたが、昨年秋から、私が講義実技ともすべて担当する事に。
講義自体の情報量も多く、他の講座にはない「家庭内姿勢調整技術」の実技の時間も設けられている為、講師に求められる技量も半端ではない。
しかしながら、このセミナーをきっかけに姿勢調整の理論と技術を本格的に学び始める方も多く、同時に講師としてのやりがいにも満ちたセミナーとも言える。
4日目の午後。
JR花巻駅近くにある「はなんプラザ」にて、岩手県姿勢調整師会が主催する「岩手県民の健康を考える講演会」で単独講師を担当。
そもそも2015年に私が博士号を取得したのを契機に、行政関係者・医療保健関係者・報道関係者を対象として、我が国の手技療法業界の現状を解説する事から始めたこの講演会も、2回目からは一般市民を対象とした内容に変更。
6回目となる今回は「こどもの発育とケガの予防」をテーマに、こどもの発育メカニズムとそれに応じた適切な運動の種類などを解説。
予想を超える来場者があり、非常に盛り上がりつつも、県中総体の日程と被ってしまった為、参加したくても出来なかった方々が多数発生したとの情報。
次回の開催日程に検討の余地あり……といったところか。
4日目の夜。
いわて花巻空港から大阪伊丹空港へ向かう最終便へ搭乗。
1時間半の空の旅の後、今度はリムジンバスによる1時間半の陸の旅を経て、JR姫路駅に到着。
出迎えに来た翌日の講演会の開催責任者と共に、駅近くの居酒屋で打ち合わせ。
姫路のおでんは……真っ黒の生姜醤油の汁に漬され、疲れ切った身体をしても、まだ塩辛過ぎたとかそうでなかったとか……。
5日目の午前。
ホテルに迎えに来た仲間の気遣いで、姫路城周辺を欧州車で周回した後、会場入り。
準備とミーティングから参加させて頂く。
5日目の午後。
JR姫路駅に程近い「姫路市市民会館」にて、兵庫県姿勢調整師会/知事認可・兵庫県カイロプラクティック協同組合が主催する講演会「身体づくりと姿勢」にて単独講師を担当。
私のこどもの発育に関する講演を是非とも地元市民に聞かせたい……という開催責任者の熱烈オファーを受けての開催であり、私もそれに答えるべく、身体発育を脊柱・四肢・足部の3つに分けて解説。
質疑応答も予定時間を上回る大盛況であったが、参加者に「岩手県人はよく喋る」という誤った印象を植え付けなかったか、少しばかり気に病んでいたりもする……。
5日目の夜。
第1部は、講演会参加者を交えての食事会。
高校3年生のサッカープレーヤー2人を相手に、その場でキック力を向上させるデモンストレーションを披露。
口八丁手八丁で、折角の料理を口に出来ず、ひたすらガソリンたる生ビールを補充。
第2部は、開催スタッフの方々との二次会……と言いつつ、ここでも時には涙ながらの口八丁で大円団。
日本の姿勢科学の夜明けは近いぜよ。
そして伊丹空港近くのホテルへ護送され、就寝。
そして本日に至る訳なのである。
さて……今更信じて頂けないかもしれないが、私自身、プライベートではあまりお喋りな人間ではない。
会話や会議では「聞き役」に回る事も多い。
それでは何故、こんなにも講座を企画し、講師を引き受けるのか。
それはこの「姿勢科学/姿勢調整」という仕事を始めるキッカケ……言わば「初期衝動」が、「こんな面白い事を、より面白く、より多くの人に伝えたい」と思った事にある。
その思いは20年近く続けてきて、一切揺るがない。
岩手へ戻ってきて、空港最寄のコンビニで地方新聞を購入すると、2日前にステージで熱弁を振るう私の写真と記事が掲載されていた。
自分の身体が……いや、口が動く限り、伝え続けていこう。
シャベクリだけが我が人生だ。
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