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ある晩、タクシードライバーと/連載エッセイ vol.7

※初出:知事認可・岩手県カイロプラクティック協同組合発行、「ほねっこくらぶ通信 vol.9(2002年2月)」掲載(原文ママ)。

少々時間が経過しているので、改めて言うのも何ですが、あけましておめでとうございます。
今年も本組合及びこのコーナーをよろしくお願いいたします。

さて、新年の挨拶をしておいてこれまた何ですが、先号で予告した通り、昨年末のアメリカ研修について、皆様にご報告。

いや~、今回の研修ほど開催が危ぶまれたことはなったのではないでしょうか。
今でこそ状況はだいぶ変わってきましたが、例のテロ事件があったもので、主催者側が検討につぐ検討を重ねた末の決行でした。

とは言うものの、実際に渡米するわたし達は案外肝っ玉が据わっていて、一番心配してくれたのは何をかくそう患者さん達でした。
あな、有り難や、有り難や。

実際向こうに行ってみての印象ですが、空港でのチェックが日米とも多少厳しくなっていたことを除けば、至って普通でした。
街中は普通にクリスマスバーゲンをやってましたし。

ただ、日本語の聞こえてくる頻度は非常に少なかったような…。
「リトルトーキョー」なんか閑散としてましたしね。

そういえば日本人観光客の激減に関することで、あるタクシードライバーが面白い話しをしてくれました。

(わたくしアメリカでタクシーに乗る際には、極力運ちゃんとの会話を楽しむようにしています。
もちろんぼったくられるのを防ぐためですが、時々妙にウマが合ってアメリカンジョークの応酬となります。
後ろに乗っている同僚からすると「お前何モンだ!」という状況らしいです…。)

そのドライバーによれば、あのテロの日以降、一日だけですがロス中のホテルの宿泊者名簿から日本人の名前が消えたことがあったそうです。
嘘か本当かわかりませんが、当時の緊張感と日本人の過剰反応を表すエピソードだなぁ、と盛り上がってしまいました。

(もちろん派手なジェスチャー付きで…。)

また、他のタクシードライバーからは、友人のカイロドクターの話が飛び出しました。
曰く、アメリカのカイロドクターも勉強熱心な人とそうでない人がいて、患者側の見極めが必要とのこと。
ドクター資格として市民権を得ているアメリカにおいても、カイロプラクターとしての心構えは同じなんだなぁ、と感じ入っているとそのドライバーは続けて一言、「でも僕の友人のカイロドクターは勉強熱心ないい奴だよ。君がそうであるようにね…」。
チップを相場より多めに渡したのは言うまでもありません。

こうしてアメリカ研修を経て、わたし達はひとまわり成長し、財布はひとまわりダイエットしていくことを知るのでした…。
それではまた次号、沖縄施術旅行の巻でお会いしましょう。


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