見出し画像

フォークロアの縫い目を

人類学の学びをファッションに落とし込みたい!
エスニック市場の先駆者になりたい!

なーんて意気揚々と服飾の専門学校に入学して、
もう3週間目。

正直、毎日の登校を怖がっていた自分がいる。

周りの子は某ギャルソンとか、某ヨージとか、
いわゆる“モード系”を纏っている子が多くて。

それに比べて私は。
ヨーロッパ古着とか、アフリカ布とか。

自分が好きで纏っているはずなのに、周りから
「なんか古臭くね?」「なんかダサくね?」
なんて声が聞こえてきそうで、肩身が狭かった。

けれど、ある授業の先生が教えてくれたの。

フォークロアが悪いとか、モダンが偉いとか、
ファッションのジャンルに優劣を付けては駄目。

大切なのは、正しく纏うことなのだから。

あぁ、全く私ってやつは。

あれだけ人類学で文化相対主義を学んだのに、
勝手に「モダンの方が偉い・優れている」なんて
思い込んでいたのね。

私の好きな服はフォークロア。

手作りの温もりをふんだんに感じられて、
それぞれの色や柄に物語が込められていて、
「消費」するのではなく、「共に生きる」こと。

そういう、服を作るためにこの場所にいる。

だから、大丈夫。もっと胸を張っていこうよ。
フォークロアの世界に、どっぷり浸かろうぜ。
あっと言わせる新しいフォークロアを紡ぐんだ。


【ファッションにおけるフォークロア】

民話・民謡・民間伝承を元に、各地の民族衣装を
モチーフとしたファッションのこと。

1つ1つの色や柄に「いわれ」と呼ばれる物語が
込められており、手作りの“あたたかみ”が感じられる。

Dolce & Gabbana 2019s/sは、“文化の盗用”と
一部で物議を醸してしまった。

【ファッションにおけるモダン】

都会的かつ近未来的なイメージを持ち、無駄のないファッションのこと。

シャープな柄や、白・黒・灰色のような都市の建物で使われるようなハッキリとした色使いが特徴的。

Rick Owens 2021s/sのコレクションは究極のモダンと言われている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?