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オカン構文

恋人は、時々オカンになる。

「あんた〜元気ないやないの〜どないしたん〜
全部聞いたるで〜」

ポケットから飴ちゃんでもだしてくれそうな、
商店街をヒョウ柄で歩いていそうな、おちゃらけて
明るく、おもろい、大阪のオカンになってくれる。

恋人の前だけは、特に強い女でありたかった。

だって、自分の脚でしっかり立つ人が好きだって、
言っていたから。

私は、過去に何度も自分を曝け出し過ぎて、フラれてきたから、もう良い加減、しっかり大人になろうと心に誓って、最後の恋愛にしようと思った時に、最高の君に出会った。

だから、とにかく、弱い私を見られたくなかった。

そんな私の決意を知ってか知らずか、君は今日も
オカンになったあとに、こう言うんだ。

「おはよう〜って声を聞くだけで、ゆきのこと、
何でも分かっちゃうよ」

「ゆきに何をされても、冷めるとか無いから。
そんな天秤に掛けて付き合っている訳じゃないんだけど」

「怒ってるゆきも、泣いてるゆきも、全部見せてくれて、本当に嬉しいよ。聞かせてくれてありがとう」

悩みを言い出せなかった私のために、君はオカンになりきって、何度も何度も、温かい言葉で、そっと抱きしめてくれる。

どんな私を晒しても、愛していると言い張ってくれる君の無償の愛に、数えきれないほど救われた。

この君の優しさが当たり前じゃないことを、私は、
ちゃんと知っている。

だから、今日も君のオカン構文に全力で感謝して、
この愛おしい手をを決して離さないように、全力で甘え続けるよう!だいすき!

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