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ひとつひとつ丁寧に過ごすと日々が彩る

「エチチチチチチッ。」

ガスコンロのスイッチを左にひねる。

オリーブオイルの蓋を丁寧に空けて「シュポッ」と音を感じる。

少量の油をフライパンに注いでいく。
音はまだ鳴らない。

フライパンを暫く見つめていると、
油の中に泡がポツポツと見えはじめる。

手をパーにして温かさを確かめてみる。
問題ない。

事前に一口サイズの半分くらいに切っておいた
鶏のモモ肉を一人前投入する。
塩コショウを少々振っていく。

「ジュッーー」と心地よい音がなる。

鶏肉を炒めている間に、
玉ねぎを用意していないことに気づく。

冷蔵庫からあまりの半分になった玉ねぎを取り出し、
縦に15回程、
少しだけつなぎ目を残して切れ目を入れていく。
涙が出ないか気になってみる。

半時計回りに半回転させ、下から10回程、
また少しだけつなぎ目を残し切れ目を入れ込む。
涙が出ないか気になってみる。いつも出ない。

ここで鶏肉が焦げないようにチェックし、
コロコロとひっくり返す。

玉ねぎの世界に戻り、
切れ目が入れ終わったらまた縦に15回程、
左手で格子状が崩れないように上から左上部を押さえつけ、
ゆっくり右から切り込みを最後まで入れていく。

これでみじん切りの完成だ。
一気にフライパンに投入する。

次に、用意しておいたチロルチョコレートくらいのバターを
投入し、一緒に固めに炊いておいたご飯を炒める。

この瞬間にバターと鶏肉、玉ねぎの
ハーモニーが絶妙な香りが生まれ、
ボクと出会い、ボクは香りと出会う。
その繋がりに喜びを感じる。

炒まったらすべてを器に移していく。
新しい"それ"用のフライパンと使用したフライパンを入れ替える。

チロルバターを新たに投入する。
贅沢に卵は3つ溶いておいたので、準備万端だ。

後はバターをフライパンの中でカジノでもしているかのように
ルーレット上をぐるぐるさせて少しだけ煙が出るのを待つ。
他のことは一切考えない。

自分の五感が煙を感じたら、
卵をフライパン1面分に投入する。

すぐに素早くかき混ぜ、隙間が空いた部分に
また卵を投入する。

それを繰り返して卵がなくなったら、
火を一旦止める。

バターライスをすべて卵の真ん中にゆっくり丁寧に、
卵が破れないように気をつけて置いていく。

フライパンをぐるぐる揺すり、
また火を中火くらいにしてこちら側にフライパンを返すように
フライパンを何度も振り、卵をキレイに包んでいく。

お気に入りのお皿に、
今から娘さんをくださいと言わないといけない
お父さんに対して出しても問題ないくらいの
盛り付けをしてから、仕上げにケチャップをかけていく。

これでお得意料理、神バターオムライスの完成である。

最近気づいたことがあります。
丁寧に料理をしていなかったなと。

ひとり暮らしを始めた頃は儀式のように、
毎日料理を楽しんでいたように思う。

これに気づけたのも、心穏やかでいれたおかげだと思う。

忙しい日常に追われ、料理でさえも結果に追われていたんだと思う。
料理を早く済ませるという結果に執着し、プロセスの世界が無視されていたなと。

皆さんはどうでしょうか、
料理に限らず「やらなければならない」
思い込みすぎて、僕のように仕事の多々の一部かのように
作業してしまっていませんか?

"今"やっていることを無視して、先のことを考え過ぎていませんか?
物事は「1つのことをする」の連続でしかありません。

結果に急ぎすぎて、乱暴に物事を片付けようとしすぎて、
鶏肉を焦がしたり、ご飯を炊き忘れたり、卵を破いたり
していませんでしょうか。

もし、最近物忘れが激しいなと感じたり、
結果に追われ、当然のようにできることが
何かミスをしてしまっていたりするようなら、
一旦一呼吸置いてみて。

一つ一つの動作を丁寧に過ごしてみてください。
すべてのことでなくていいです。

なにか一つだけ1日の中で、
自分の好きなことや、心地いいことを見つけ儀式のように
ゆっくり丁寧に自分の時間を楽しんでみてください。

そうすることで日々の実は瑣末な物事から開放され、
満たされた時間を過ごすことができると思います。

そうすることで心穏やかに過ごせる時間が
自然と増えていくかもしれません。

僕が日々心穏やかに過ごすためにしていることは
以下の記事で紹介しています。

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