永田春奈 Haruna Nagata

郷土玩具を通して、「人」「地域」「ものづくり」に触れるのが大好きな会社員。休日は工房巡…

永田春奈 Haruna Nagata

郷土玩具を通して、「人」「地域」「ものづくり」に触れるのが大好きな会社員。休日は工房巡りをしています。Twitterで、ことば磨き、アウトプットの練習中。毎日ツイートしています。夢は全国の郷土玩具工房を訪ねることです。 Mail≫haruna.com0318@gmail.com

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5年前のできごと。

もう5年も経つのに、今でも忘れられないできごとがある。 * あれは2015年5月下旬のことだった。この日、私はひどく苛立っていた。夕方突然、「明日、仕事で電池を使うから、今から買いに行く」と、夫(当時、彼氏)が言いだしたからだ。 この日は、親友夫婦と久しぶりに食事する約束をしていた。もちろん、夫も知っている。日中、十分に時間があったはずなのに、なんで前もって準備をしないんだろう。そしてなぜ、このタイミングなんだ。考えると、だんだん腹が立ってきた。けれどもそうは言っても、

    • 夫、時々ダイビング。

      今日は約2ヶ月ぶりのダイビング。 この日、夫の徳ちゃんは、どこか落ち着かない様子だった。ダイビング前日も、「誰とバディ組むのかな」、「うまく潜れるかな」と、やや後ろ向きな発言を繰り返すばかり。 楽観的な夫が、どうしてこんな風になったのか。それは先日私が、DM講習(ダイビングのプロコース)を受講の宣言したからだった。 * 夫の楽しみの軸は「春奈と一緒に何かをすること。私が何かをはじめると、必ずと言っていいほど「俺もする!」スタンスだ。 ダイビングをはじめたのも、MSD

      • 天拝の湯が愛される理由。

        レディースデイを利用して、天拝の湯(男湯)に行ってきた。 サウナ界では有名な天拝の湯。このイベントのために、県内だけでなく東京からもサウナーが集まっていた。 今回イベントの特典として、特別に浴室内の撮影ができた。そこで今日は、私が感動した天拝の湯の魅力を書くことにした。さっそく1位からいきましょう!レッツゴー! 1位 柴田さんのアウフグース  先着11名しか受けられない、不定期開催のプレミアムアウフグース。こちらもイベントの特典として初体験した。これがもう衝撃的だった

        • 「トントン拍子」を「元々漁師」と聞き間違えた日のはなし。

          本日、ガイドテストだった、まゆこんぐ。下は、テスト終了後の写真ですが、結果が出る前にも関わらず、この表情。 浮かない顔をしていました。私と夫の徳ちゃんは、2人でバディダイブだったため、テストの様子はわかりません。が、きっと散々な結果だったのでしょう。一点を見つめ、沈んだ表情が、それを物語っていました。 1本目終了後、「落ち込みようがないくらい、ダメダメでした〜(うふふ)」と、笑顔で語ったまゆこんぐですが、次第に口数が減り、ログ付けのときには、しくしくと泣きはじめました。

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        5年前のできごと。

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        • Under the sea.
          12本
        • everyday a good day.
          32本
        • 手のひらの向こう側。
          8本
        • 書いたその先。
          18本
        • 本とわたし。
          4本

        記事

          みるということ。

          ほんのわずかな時間だが、私は暗闇の世界へと、旅にでた。 暗闇に持ち込めるのは、一本の白杖のみ。光や音が出る、携帯電話や腕時計などは置いていく。周囲の言葉と、自分自身の五感だけが頼りだった。参加者は夫と私を含めた8人。案内するのは、視覚障がい者のやべっち1人だった。 私たちは、やべっちから白杖の使い方を教わり、ふたつの注意点が伝えられた。ひとつは、何かに触れるとき、手の甲を使うこと。ふたつ目は、自分の動作や気持ちは言葉で伝えることだった。説明が終わると、私たちは暗闇に続く扉

          みるということ。

          プロポーズ。その後。

          このあと私たちは、すぐに場所を移動して、両家で食事をした。プロポーズに顔合わせ。想像だにしない出来事は、私のきもちなんてそっちのけで、あれよあれよと過ぎていった。嬉しかったのか、それとも緊張していたのか。いまでも当時の感情を思い出せない。 この日私は、一睡もできなかった。時計を見ると、時刻は深夜4時。普段23時過ぎには寝る私。もういい加減に寝ないと、明日の仕事がきつくなる。 けれどこの日だけは気にしなかった。今日一日いろんなことがあったんだ。仕方がない。それよりも、こんな

          プロポーズ。その後。

          関さば関あじのはなし。

          水産物で初めてブランド化した、大分県の「関さば・関あじ」。 生魚特有の臭みは一切なく、もっちりとした舌触り。引き締まった身には、ほんのり油が乗っている。ぜひ一度食べて見て欲しい、その味は絶品だ。 関さばの市場価格は、1匹数千円。高級魚にもかかわらず、多くの人に愛されている関さば・関あじ。その味の秘密を探るべく、大分県漁業共同組合 佐賀関支店(以下、佐賀関)を訪れた。 * 「関さば・関あじを名乗るには、5ヶ条をすべてクリアしなければいけません」 ▼「関さば・関あじ」名

          関さば関あじのはなし。

          米と郷土玩具と竹田と私。

          朝6時半。私はいま、竹田市のとある場所にきている。 * ここに訪れる、前日のできごと。日中、姫だるま作りをしていた私は、居酒屋のカウンター席で、1人食事を楽しんでいた。すると隣に座っていた男性が話しかけてきた。年は、60代半ばくらいだろうか。 「お姉ちゃんの、お刺身おいしそうだねぇ」 私は昔から、知らない人に話しかけられる習性がある。だからこういうことには慣れていた。けれどもこの日は、慣れない作業に疲れていた。私は会話を続けようとはせず、若干面倒くさそうに愛想笑いをし

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          米と郷土玩具と竹田と私。

          転職活動記録。

          入社したい会社が見つかったものの、求人票を見ればみるほど採用される気がしない。 福岡県の事務職の人気の高さ。コロナによる労働市場の変化。この時期の転職活動が厳しいことは、10年近く人事・総務職に携わっていた私には、想像しやすいものだった。それでもヒントはないかと、人事職の友人に相談することに。すると友人はこう言った。「最後はフィーリングかな」「他のメンバーとの相性だよ」。 たしかにそのとおりだ。予想どおりの答えでもあった。けれどもこのとき、足踏みしていた気持ちが吹っ切れた

          転職活動記録。

          コロナで事業閉鎖して1年。そしていま。

          前職を辞めて、もうすぐ1年が経つ。 以前私は、会社が自主廃業することについて記事を書いた。今振り返ると、きれいにまとめすぎたような気がしている。きっと、そう思いたい(この記事のような心でありたい)一心で、書いたようにも思える。 会社がなくなる直前、いろんなことがあった。 最終出勤日。業務終了後、私たち社員は、一ヶ所に集められた。きっと労いの言葉があるのだろう。そう思っていた私は、これから話す代表の言葉に、耳を疑った。 事の発端は、退職日をめぐる問題だった。当初代表は、

          コロナで事業閉鎖して1年。そしていま。

          ネットにない姫だるま@大分県竹田市

          「姫だるま」に会いに、大分県竹田市を訪れた。 * 竹田市とは、滝廉太郎が「荒城の月」の構想を練った岡城でも知られている城下町で有名な場所だ。歴史ある町の一角に、86年続く老舗店「千石や」という店がある。 ▼「千石や」の外観。窓一面に姫だるまが飾られている。 千石やでは食事処と竹田銘菓「はら太」を製造販売、姫だるまの製作販売を行っている。それらを50年ちかく夫婦で切り盛りし、そしてたった一人で100年以上つづく姫だるま伝統を守っているのが、二代目吉川公平さん(78)だ。

          ネットにない姫だるま@大分県竹田市

          弓野人形と江口人形店@佐賀県武雄市

          ■弓野人形とは人里離れた山間に、「美人の湯」で有名な嬉野温泉街がある。そこからすこし進んだところに、140年続く佐賀県伝統「弓野人形」、江口人形店が存在する。 一見、何の変哲もない一軒家だが、奥に進むと一転。まるで別世界のようだった。弓野人形のすべてが詰まっていた。この場所で型枠作りから土づくり、焼成、絵付けなど、弓野人形に関するすべての作業を行っている。 <弓野人形とは> 弓野人形は、博多人形師によって誕生。博多人形の完成された美に飽き足らない思いを抱いた、人形師の原田

          弓野人形と江口人形店@佐賀県武雄市

          【写真公開】ZEQUENZを1年間使い続けた。

          以前、こんな記事を書きました。 あれから9ヶ月経ったいま、ZEQUENZを使いはじめて1年が経ちました。その後、私のメモライフ(ZEQUENZ)はどのように変化したのでしょうか。 * 実は、今でもZEQUENZを使い続けています。そしてもう欠かせない存在になっています。 1冊目を使い切ったのは、ZEQUENZを買ってから8か月後でした。 ■外見まっしろな表紙は、時間の経過とともに色あせてきましたが、ノートならではの味わい。古くなるにつれ、愛着が増していきました。

          【写真公開】ZEQUENZを1年間使い続けた。

          11/8茶寮「千代乃園」@八女市

          ■茶寮「千代乃園」福岡県八女市黒木町。 車を走らせば、懐かしく温かい里山の風景がどこまでも続く。 渓流沿いをしばらく進むと、道脇にぽつんと1軒、「茶寮 千代乃園」という喫茶店が見えてくる。外観は自然の中に溶け込んでいて、落ち着いた雰囲気を感じた。 ▼右側に黒い建物が「茶寮 千代乃園」 扉を開けると、店中に八女茶の香りが広がっていた。マスク越しにも関わらず、それが十分にわかった。 ■店内の様子店に入ると、すぐに目に飛び込んできたのは、たくさんの日の光だった。どの方角に

          11/8茶寮「千代乃園」@八女市

          きじ車の絵付け体験@みやま市

          地元福岡の郷土玩具に会いたくて、この1か月間、探しに探して、ようやくたどり着いた場所がある。 みやま柳川ICを下り車で10分。山道を少し上ったところに1件のお店、自然食ダイニング「TAKeyA」というお店だ。 ここには多くの登山客や参拝客が訪れ、山菜料理やぜんざいなどを食べて行く。この場所でなんと、「きじ車」の絵付け体験ができるのだ。 ▼右がオスで左がオス ーきじ車の由来ー 大同元年(806)伝教大師が清水山に登られる際、一羽のきじが前方に降り立って先導したという、清

          きじ車の絵付け体験@みやま市

          書くのがしんどい。

          「書きたいのに、うまく言葉を紡げない…」 最近の私は、ずっとこんな調子だった。書いては消し。また書いては消し。時間を掛けて書くものの、いざ読み返せば、何が言いたいのか、自分でもわからなくなる。そして記事を削除する始末。 今からちょうど1年前。とあるセミナーをきっかけに、文の魅力に引き込まれ、自分なりに発信を続けてきた。あるときは、パソコンの前では「ウーン、ウーン」とうなりながら、キーボードをたたく。またあるときは、書き上げた文章を、何度も何度も修正する。 そんな風に、こ

          書くのがしんどい。