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読書ノート

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2019年9月の記事一覧

2019年9月に読んだものの感想

2019年9月に読んだものの感想

西兼志,2017,『アイドル/メディア論講義』東京大学出版会.
筆者が訳書、共著をもつベルナール・スティグレール、ウンベルト・エーコのメディア論を用いながら、〈スター〉〈タレント〉〈アイドル〉性とその変化を論じた前半が特に面白い。

メディア論をやや離れて、ハビトゥスや言語行為論に踏み込むと、ちょっと理論が先走りすぎているように思う。学生向けに、メディア論への導入としての側面を持たせようと書いてい

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コナリミサトの強迫的性善説と羅生門的語り――『凪のお暇』と『珈琲いかがでしょう』

コナリミサトの強迫的性善説と羅生門的語り――『凪のお暇』と『珈琲いかがでしょう』

コナリミサトと「他者の合理性の理解」「今さら!?」とぎりぎり言われなさそうなタイミングで、コナリミサト『凪のお暇』を5巻まで読み終えた。人間関係の描写もさることながら(特に嫌味のリアリティがすごい)、「生活」に必要なMPを回復させてくれる要素も持ち合わせる、定期的に読み返したい漫画だった。めちゃめちゃ面白かったので、そのまま『珈琲いかがでしょう』も読み終えた。人がいるのに少し泣いた。

コナリミサ

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2019年7~8月に読んだもの(抜粋)の感想

2019年7~8月に読んだもの(抜粋)の感想

溜めないように小まめに書いていきましょうね……。

山内長承,2017,『Pythonによるテキストマイニング入門』オーム社.
主ゼミで読了。「本書は、プログラミングの経験は多少あるけれども、言語処理の経験はないという読者を対象にして」いるらしく、プログラミングの経験がない自分はかなり苦労しながら読んだ。

が、書いてあるとおりにやれば、それなりの結果は出るように感じる。
本書のプログラム例のファ

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