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12の基本スキル「処理する」:仕事のタスク管理

本ブログ記事は『ビジネススキル 完全攻略 -基本編-』からの抜粋になります。全部まとめて読みたい方は、是非、電子書籍をご購入ください。

エグゼキューション系スキルの「処理する」スキルに関して学んでいきたいと思います。タスクを処理する力を身に着けて、もう少し難しい「段取る」スキルをマスターしていきたいと思います。


タスクはSMARTにさばく

業務をさばいていく時の最小単位の業務のことを「タスク(Task)」と言います。
タスクという言い方以外に、「To do」という言い方をしたり、「Things to do(TTD)」という言い方もします。

タスクは、特定の目標やプロジェクトを達成するために必要な、個別の作業や活動を指します。
タスクは通常、より具体的で、しばしば特定の成果や目標に関連付けられています。
たとえば、「レポートを書く」とか、「データ分析を行う」などがタスクに該当します。

To doは、行うべきことや完了させるべきことのリストを指します。
これはより一般的で、日々の活動や短期的な作業に関連することが多いです。
たとえば、買い物リストや日々の家事、簡単なオフィスの仕事などを「To doリスト」に加えて処理していきます。

本書では、タスクと言う言葉に統一して、タスクをどのように処理していくか考えてみたいと思います。
タスクを管理する時によく用いられる考え方に、「SMARTの法則」という考え方があります。

図表.SMARTの法則(いつまでに誰が何をどの程度行うか)

Specific (具体的):

「Specific」は具体性を意味します。
処理するタスクは明確で具体的でなければなりません。

何を、どのように達成するかを明確に定義することが重要です。

たとえば、「もっと頑張る」という曖昧な目標ではなく、「次の3ヶ月で顧客サポートの応答時間を現在の平均15分から10分に短くする」と具体的に定義します。

Measurable (測定可能):

「Measurable」は測定できることを意味します。
タスクの進捗や達成度を定量的に測定できるようにすることが求められます。
これにより、進行状況をモニタリングし、効果的に評価することができます。
たとえば、「プレゼンテーションスキルを向上させる」と一般的にまとめるのではなく、「次の部門会議でのプレゼンテーションを通じて、上司からのフィードバックで平均点7/10を達成する」と数値で測定できる目標を設定します。

Achievable (達成可能):

「Achievable」は達成できることを意味します。

設定されたタスクは現実的かつ達成可能なものでなければなりません。手が届きそうな目標でないと、やり切ることができず、モチベーションも下がるからです。

たとえば、「すべてのプロジェクトをリードする」という過大な目標ではなく、「次の小規模プロジェクトでサブリーダーの役割を担い、プロジェクトマネジメントの基本を学ぶ」と現実的な目標を設定します。

Result-based (結果ベース):

「Result-based」は結果や成果を軸に置くということを意味します。

目標は具体的な結果や成果に焦点を当てる必要があります。活動そのものではなく、その活動によってもたらされる具体的な成果や変化に重点を置くことです。

たとえば、「毎日遅くまで仕事をする」という活動ベースの目標ではなく、「次の評価期間までに、具体的な成果として3つの改善提案を提出し、うち1つを実行に移す」という結果(成果)に焦点を当てた目標を設定します。

Time-oriented (時間指向):

「Time-oriented」は時間に敏感になるということを意味します。

単に期限を設定するだけでなく、目標達成のために必要な時間を意識し、時間に対する考え方を含めます。時間の利用、管理、計画が強調されます。

たとえば、「いつか英語を話せるようになる」という期限のない目標ではなく、「3ヶ月以内にビジネス英会話コースを完了し、チームミーティングで簡単な報告ができるレベルに達する」と明確な期限を設けた目標を設定します。

タスクを確実に遂行できる人は、このSMARTの法則がしっかり身についています。一方で、タスクを完遂できない人は、SMARTのどれかが守られていません。

特に多いのが、「Time-oriented(時間指向)」の期限設定が甘い人たちです。
タスクがある程度できそうになってから、期限を設定して上司に報告する人がいますが、まず先に期限を設定し、そこから逆算して、「いつまでに、何を、どの程度行えばいいか」タスクを設計していくことが重要です。

また、タスクが完遂できないもうひとつの傾向が、タスクそのものが大きすぎる場合です。

前段で、「業務の最小単位のことをタスクと言う」と定義しましたが、業務タスクが大きくて処理できない場合は、さらに業務を細分化して、処理しやすいレベルにしてあげることが大事です。

タスクを振る側(上司)も、部下の能力レベルに合わせて、大きな業務レベルで仕事の割り振りをするのがまだ難しい場合は、処理しやすいタスクレベルにブレイクダウンして作業を割り振るなどの工夫が必要です。

「処理する」能力は、「段取る」スキルを習得するための、入口のスキルになるため、まずは、一つひとつのタスクをきっちり処理できる能力を身に着けていきましょう。


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