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12の基本スキル「伝える」:伝える力と伝え方

本ブログ記事は『ビジネススキル 完全攻略 -基本編-』からの抜粋になります。全部まとめて読みたい方は、是非、電子書籍をご購入ください。


伝え方を工夫する

「伝える」スキルは、どうすれば相手に対して、話す内容をスムーズに伝達させることができるかを考えるテクニックです。

これは、「話す」スキルをより効果的に使いこなすためのものです。自分ではうまく話しができたと思っていても、必ずしも相手が理解できているわけでありません。

聞き手のリテラシーレベルや、使用する言葉、限られた時間の中での説明、相手の表情の読み取り、資料の効果的な使い方、言葉の質やトーンに関して、具体的な活用方法を解説していきたいと思います。

リテラシーレベルを把握する

「リテラシー」とは、言語や情報、文化などの特定の領域における知識やスキルのレベルのことを言います。

リテラシーも、言語に関するリテラシー情報リテラシーデジタルリテラシーなど細かく分類することができます。

たとえば、言語では、英語の読み書きができる人とそうでない人では、使用する言葉に気を付けないといけません。また、情報リテラシーやデジタルリテラシーなど、ITやテクノロジーなど技術的なことを分かっている人とそうでない人では、これもまた同じように言葉に気を付けないといけません。
 
 お客様やビジネスパートナーなど外部の人と会話をする時は、話をする相手のリテラシーレベルを事前に把握しておくことが重要です。

たとえば、年齢が高めでデジタルリテラシーが低く、テクノロジーに対してアレルギー反応を示す経営者の方と会話する時は、極力、英語や横文字を使わないようにしないといけません。

分かりやすい言葉を使う

できるだけ分かりやすい言葉を使うことも重要です。専門用語はできるだけ使わない、また、英語(横文字)も、日本人が日常で使っている言葉以外は、できるだけ、分かりやすい言葉に置き換えて話しをする必要があります。

どれぐらいのレベルの人に合わせるかですが、まだ、専門的知識を持ち合わせていない中学校3年生や高校1年生ぐらいのレベルに合わせて話しをするように意識してみてください。

英語の勉強などをしていて思うのが、中学生ぐらいをターゲットとしたホームドラマの英語は聞き取りやすいですが、大人向けのホームドラマになると、難しい言葉がでてきたり、早口だったりして聞き取ることが途端に難しくなります。日本語で会話している同じ日本人同士であっても、実は、同じようなことが起こっているはずです。レベルを合わせることはとても大事です。

図表.分かりやすい言葉に言い換える

時間的制約を考慮する

時間的制約がある中で、いかに効果的に情報を伝えることができるかも大事です。

「エレベーターピッチ」という言葉を知っていますか?エレベーターピッチ(Elevator Pitch)は、非常に短い時間内に自己紹介やビジネスアイデアを伝えるためのコンパクトなプレゼンのことを言います。

通常、このピッチは30秒から2分程度の時間内に行われ、相手がエレベーターに乗っている間に行うイメージから、この名前がつけられています。
 
 同じ内容でも、3分で説明するのと15分で説明するのでは、話しの組み立て方から、伝えたいメッセージの作り方も、だいぶ変わってきます。

たとえば、お客様に提案する機会をもらったとします。聞き手は取締役や執行役員などマネジメント層も参加する重要な会です。提案で与えられた時間は15分しかないにも関わらず、提案書が100ページもあった場合、どのようにプレゼンすれば効果的でしょうか。

1ページの説明を1分だとしても、仮に100ページ全てをきちんと説明すると1時間40分もかかってしまいます。15分で説明するためには、解決策として、100ページのスライドを1~2枚に要約した「エグゼクティブサマリー」を作成し、要点を絞って分かりやすく説明する必要があります。
 
 短い時間で効果的な説明をする能力を身に着けるためには、映画を見たり本を読んだあとに、100文字程度で内容を要約する訓練をすると効果的です。

大学受験の国語の問題で長文問題を読ませて100文字程度で要約する問題がありましたが、ああいう問題集を解き直すのもいいかもしれません。

また、実際の打ち合わせなどでも、1分で説明する、3分で説明するなど、時間を区切ってプレゼンする練習をすると短時間で効果的な会話ができるようになります。

相手の表情を読み取る

言葉以外の部分で相手が発している情報(非言語情報)をきちんと読み取ることも重要です。

表情分析(Facial Action Coding System, FACS)という学問がありますが、顔の筋肉の動きや表情の分析に焦点を当てた心理学の研究分野になります。

FACSは、特定の表情がどの筋肉の動きから成り立っているかを細かく分析し、それをもとに感情を読み取る手法を提供します。表情分析においては,表情の裏に隠れている感情を以下の6つに分類しています。

・Anger: 怒り
・Disgust: 嫌悪
・Sadness: 悲しみ
・Contempt: 軽蔑・侮辱
・Surprise: 驚き
・Fear: 恐怖

人は無意識に感情的なことを表情に反映しているようです。

図表. 顔の表情から相手の感情を読み取る

眉間にしわを寄せている時は話す内容に懐疑的だったり、目をそらしたりする場合は、話す内容に興味がなかったりします。

また、顔だけでなく、腕組みをしている時は、相手に対して警戒していたり拒否反応を示しているジェスチャーになります。これは、話し手側も同じことが言えるので、相手に悪い印象を与えないように、気を付ける必要があります。

このように、言葉のやりとりだけでなく、相手の表情や動作も読み取ることで、話す内容や話し方を工夫していく必要があります。

図表.腕組みをして眉間にしわを寄せている人

図を使い瞬間で理解させる

「話す」のパートでも少し触れましたが、会話のスタート段階では、話す内容の全体像を提示することが重要だとお伝えしました。

特に、フレームワークの活用が有効だという話しもしました。細かい話しを延々とするのではなく、全体像を捉えることができる図表を提示し、枠組みを理解してもらったうえで、細かい話しをしていくと迷子にならずに最後まで話を聞いてもらえます。

最短で目的地にたどり着くためにカーナビを利用するように、フレームワークやビジュアルな図表を活用することで、会話のゴールに最短でたどり着く努力をすることが大事です。

言葉のトーン・明瞭さを工夫する

お客様とのお打ち合わせやセミナーなどに参加して、声の素敵な方がいると、話の内容にグッと引き込まれるという体験をしたことはありませんか。

話す内容や話し方も大事ですが、それと同じレベルで、発声技術や声の質・トーンも大事だったりします。

日本人は中レベルから高音レベルの人が多いと言われていますが、好まれるのは低音ボイスだと言われています(男性の場合)。お腹から声を出す技術(腹式呼吸)を身に着けて、相手にはっきり伝わる発声を身に着けていきましょう。 

信頼性と専門性の印象

落ち着いた低いトーンの声は、一般的に信頼性と専門性を高めると考えられています。一方で、高いトーンや不安定な声は、不確実性や自信の欠如と受け取られることがあります。

感情の伝達

声のトーンは、話し手の感情を聞き手に伝える重要な手段です。

喜び、怒り、悲しみなどの感情は、声の高さ、強さ、速さによって異なる方法で伝わります。ビジネスのコンテキスト(話しの文脈)でも、この感情的な伝達は関係構築や意思疎通において重要です。

説得力の向上

声のトーンによって説得力が左右されることがあります。自信があり、説得力のあるトーンは、提案やアイデアを効果的に伝え、相手に受け入れられやすくします。

関係構築

温かみがあるトーンや親しみやすい声は、ビジネスの関係構築においてプラスの効果をもたらします。対話する相手は、より快適に感じ、コミュニケーションがスムーズに進むことがあります。

明瞭性と理解 

明確ではっきりとした声の質は、情報が正確に伝わり、誤解が少なくなるため、コミュニケーションの質を向上させます。反対に、早口やモゴモゴした話し方は、情報の伝達を妨げる可能性があります。
 

まとめると、声の質やトーンは、相手に与える印象を形作り、コミュニケーションの成果を大きく左右します。したがって、ビジネスの会話では、これらの要素を意識し、状況や目的に応じて適切に使い分けることが求められます。

次は、「コミュニケーション系スキル」の最後のスキル、「仕切る」スキルに関して解説したいと思います!


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