オリジナル ショートショート いつか、の、じけん 〜訃報にも気をつけろ~
『ま~た小清水くんか』
部長が苦々しげに呻いていた。
事務のおばちゃんの、小清水さんのそそっかしさには、社内みんなが閉口させられていた。
『この間も、雑巾で湯呑みを拭いてたんですよ、小清水さん。台拭きんでもどうかと思うのに、雑巾ですよ、雑巾!』
『まあ、それが小清水さんだからさあ・・・』
『この前も、社食で とんつこラーメン!! って大声で注文してたしね』
『おっ! そりゃ、小清水さんしてるねえ!』
・・・そこに、小清水さんが駆け込んできて、報告した。
『三友商事の社長の田中さんが、急逝されたそうです!!』
『ええ!? あそこの社長が!? まだ50代だったよな?』
ひとしきり皆をざわざわさせた後、小清水さんはトイレへ消えて行った。
『しかし驚きだねえ、田中社長が・・・』
その時、部長の声がフロアに響いた。
『気をつけろ! 小清水くんの言うことだからな。 田中社長、生きてるかもしれないぞ!!』
#ツイッター #Twitter #インスタグラム #インスタ #Instagram #短編 #ショートショート #ショートコント #コント #ノンフィクション #コラム #note #生き方 #雑記 #ひとりごと #お笑い #短編小説 #ブログ #オリジナル #一駅ぶんのおどろき
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?