オリジナル ショートショート いつか、の、じけん ~ 一年後 ~
千夏は、職場の先輩の美咲に好かれていないことを、薄々勘付いてはいた。しかし、美咲は、美しく聡明で、仕事もバリバリこなしていたため、千夏は憧れていたのだ。何度も食事に誘っていたが、色良い返事はもらえた試しが無かった。
その日も、千夏は美咲を誘ってみた。
『美咲さん、ほうじ茶スイーツの美味しいお店を見つけたので、週末、一緒に行きませんか?』
『う〜ん、今週はもう予定がね〜』
『じゃあ、来週はどうです?』
『ん〜、来週は彼氏と温泉なんだよね』
『ええ〜、いいなあー、羨ましい! なら、その次の週はどうですか?』
『その次の週は、ヨガと英会話があるから』
今日こそは絶対に約束を取り付けよう、という決意で臨んでいた千夏は、なおも食い下がった。
『あのう、いっそ、いつならご都合よろしいですか?』
『んー、、、一年後くらいかな!』
あんたなんかとは絶対に一緒に行かないわよ、という美咲の強い意志を感じ、千夏は一瞬絶句したが、何とかこう絞り出した。
『……わかりました、じゃあ、一年後に!』
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年が明け、千夏の元に、美咲からの年賀状が届いた。
旧年中はお世話になりませんでした。
なので、
今年もそのようによろしくお願いします。
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