マガジンのカバー画像

考える人の本棚

4
本を読んで考えたことを纏めました。
運営しているクリエイター

記事一覧

【書評】脳は世界をどう見ているのか

【書評】脳は世界をどう見ているのか

どんな本?スマートフォンの先駆けとなる携帯情報端末「パームパイロット(PalmPilot)」を開発した起業家であり神経科学者でもあるジェフ・ホーキンスが、脳の仕組みを研究する中で辿り着いた「1000の脳」理論を一般向けに解説した本です。

本書は3部で構成されており、第1部で「1000の脳」理論を解説した後は、第2部〜3部で同理論に基づきそもそも知能とは何なのかといった本質や、AIの将来的な可能性

もっとみる
【書評】ファスト教養 10分で答えが欲しい人たち

【書評】ファスト教養 10分で答えが欲しい人たち

どんな本?本書は、ビジネスパーソンに向けた教養論の現状を批判的に分析する一冊です。「教養」が自己目的化し、ビジネスのスキルアップや自己価値の向上に使われている現代社会の息苦しさを、新自由主義・自己責任論の影響に焦点を当てて明らかにしていきます。

「教養の教科書」「本物の教養」「教養としての〇〇」といったタイトルの本が書店の棚を占める光景に対し得体の知れない違和感を感じている人は、その正体について

もっとみる
【エッセイ】紙か電子か:書籍選択のためのガイド

【エッセイ】紙か電子か:書籍選択のためのガイド

「紙の本は持ち運ぶにも保管するにも、とにかく場所を取る。しかも珈琲でもこぼして、頁に染みができてた日には一気に見すぼらしく感じられてしまう。今どき本を買うなら電子でしょ。」

「いやいや、読書というのは本来非常に身体的な体験であって、頁を開いた時に立ち上る紙の匂いに、手にずっしりとのしかかるあの重量感を欠いては別物になってしまう。私は電子書籍は好きになれないよ。」

これらの主張は電子書籍を支持す

もっとみる
【書評】ベストセラーコード「売れる文章」を見きわめる驚異のアルゴリズム

【書評】ベストセラーコード「売れる文章」を見きわめる驚異のアルゴリズム

どんな本?元ペンギンブックスの編集者とスタンフォード大文学部教授の二人がタッグを組み、ベストセラーとなる小説の傾向を解説した本です。

NYタイムズのベストセラーのランキング入りを果たした小説には共通した傾向があるに違いないという仮説の下、テキストマイニングと機械学習を組み合わせ、謂わばベストセラー小説の遺伝子<コード>とでも呼ぶべき特徴を明らかにしていきます。

ベストセラー小説の備える傾向を知

もっとみる