上西郷太

俳優 オフィスクロキ所属  北海道札幌市出身

上西郷太

俳優 オフィスクロキ所属  北海道札幌市出身

記事一覧

帰ってきた、上西本屋大賞

7月、無性に本が読みたくなり、本屋やブックオフに走っては、貪るように活字を目で追っていた。 暑さを忘れたかったのか、静かな時間を過ごしたかったのか、どこかに逃げた…

上西郷太
10か月前
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「山って最高だぁぁぁぁ!!!」

高尾山の山頂から美しい富士山が見えた。 登り切った達成感も相まって、上西は心底感動した。 高尾山から富士山が綺麗に見える確率はそんなに高くないらしく、何度登って…

上西郷太
10か月前
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「癖になってんだよね、靴汚さずに歩くの」

上西はカレンダーを見て、唖然とした。 7月16日。 今回で第三弾となる登山ブログだが、登ったのが誕生日翌日の5月16日なので、2か月が経っていた。 ブログの進行状況はと…

上西郷太
10か月前
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「初登山、おニューの靴を泥から守り抜け!」

『上西物語』登山編 ・前回までのあらすじ(ロングバージョン) 上西は遠くからうっすらと響くその音に耳を澄ました。 山が上西を呼んでいた。 雛の帰りを待つ親鳥のように…

上西郷太
1年前
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『上西物語』登山編プロローグ

2023年5月某日 今日も今日とて、上西は真剣な顔をしながら、ベットの上でダラダラとYouTubeを見ていた。 何本目かで、某YouTuberが山登りしている動画を見つけた。 上西は…

上西郷太
1年前
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『コーラ』

短編戯曲 『コーラ』 作 上西郷太

上西郷太
1年前
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帰ってきた、上西本屋大賞

帰ってきた、上西本屋大賞

7月、無性に本が読みたくなり、本屋やブックオフに走っては、貪るように活字を目で追っていた。
暑さを忘れたかったのか、静かな時間を過ごしたかったのか、どこかに逃げたかったのか、はたまたルーティン化してしまった飲酒習慣の代わりを作ろうとしたのか、それは自分でも分からない。
読んだことのない作家にも手を出した。
多種多様な人が綴る言葉の海に、全身で浸かった。
(飲酒はやめられたが、かっこいい言い回しをし

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「山って最高だぁぁぁぁ!!!」

「山って最高だぁぁぁぁ!!!」

高尾山の山頂から美しい富士山が見えた。
登り切った達成感も相まって、上西は心底感動した。

高尾山から富士山が綺麗に見える確率はそんなに高くないらしく、何度登ってもこの富士山を拝めない人がいるようだ。
上西は高尾山ファーストテイクにして、絶景を体験できたのだから運が良いみたい。
これからも登り続けなさいと、山の神様が言ってるのかもしれない。知らんけど。

山頂には広大なスペースがあり、建物や食事処

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「癖になってんだよね、靴汚さずに歩くの」

上西はカレンダーを見て、唖然とした。
7月16日。

今回で第三弾となる登山ブログだが、登ったのが誕生日翌日の5月16日なので、2か月が経っていた。

ブログの進行状況はというと、まだ山を登り始めて10分くらいまでしか書けていない。

2ヶ月間、ブログの中の俺は山に閉じ込められている。
もはや軽い失踪である。

東京はいよいよ夏本番となり、35度を超える日も珍しくなくなってきている。

このままじ

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「初登山、おニューの靴を泥から守り抜け!」

『上西物語』登山編

・前回までのあらすじ(ロングバージョン)

上西は遠くからうっすらと響くその音に耳を澄ました。
山が上西を呼んでいた。
雛の帰りを待つ親鳥のように、どこか寂しそうでそれでいて温かい呼び声が上西には聞こえた。
上西は羽ばたく準備をしていた、その声のするほうへと。
翼を広げ、いざ地面を蹴り上げようとしたその瞬間、灰色の空が大粒の涙を落とし始めた。
ああ神よ、また上西に試練を与える

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『上西物語』登山編プロローグ

2023年5月某日
今日も今日とて、上西は真剣な顔をしながら、ベットの上でダラダラとYouTubeを見ていた。
何本目かで、某YouTuberが山登りしている動画を見つけた。
上西は、その山登り動画にグイグイ惹きつけられていき、見終わる頃には山頂からの圧巻の景色を心に思い浮かべていた。

「山が俺を呼んでいる。」
上西は初登山へ向かう決心を固めたのだった。

話は少し変わり、5月15日は上西の生誕

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