見出し画像

中間管理職がつらい・疲れた・辞めたい時に、見直すとラクになる9つのこと

中間管理職として働いていると、孤独になりやすい上に、成果創出や組織課題、上司部下との関係性など、様々なプレッシャーを1人で抱えがちに。疲れて辞めたくなることもありますよね。

メンバー時代とは異なり、入ってくる情報量や関わる部署と人の多さなどから自分のペースも乱れがち。時間や人手も足りずコントロールしきれないことも多いのではないでしょうか?

今回は、Good Teamでもご相談の多い「管理職として働くことに疲れた時、辞めたい時に見直したい(意識したい)9つのこと」をご紹介します。

この記事を書く専門家
株式会社Hitoiro代表取締役 山田聖子
アップル、リクルートなどでマーケティングに従事。自身も女性リーダー、女性管理職として部下育成や組織マネジメントに悩み、米国CCE,Inc認定キャリアカウンセラー、心理カウンセラー・コーチング資格を取得。現代のマネジメントは管理職の適応力によって成功が左右されることに気づき、管理職の意識や価値観の変容を通したマネジメント変革を支援する「管理職の社外メンターサービス|Good Team」を運営。


1.  現代の管理職が置かれている状況

現在は、心身共に疲労困憊状態の中間管理職は増加しています。まずお伝えしておきたいのは、決して、あなただけがマネジメントに苦戦しているわけではないから「自信をなくさないで」ということです。

現代は、働き方改革で労働時間が削減される一方、ダイバーシティなど多様な部下たちのフォローや育成、非常に高い成果や経営環境の変化に伴う新たな挑戦まで求められます。

【図】現代の管理職に求められる業務など

現代の中間管理職(プレイングマネージャー)に求められる業務

様々なプレッシャーの中、中間管理職は多重責務になり、心身共に悩みや疲れが限界にきている人が急増しているのです。

実際に、東京大学大学院医学系研究科の小林廉毅教授と田中宏和氏によるオランダのエラスムス大学医療センターとの共同研究(2019年)によると、「日本と韓国の管理職・専門職男性の死亡率が高くなっている」という結果も出ています。(出典:東京大学

2. 現代の管理職の成果創出を左右する、
最も大事なのは「自己の安定対策」

Good Teamでは、変化の激しい現代の管理職に最も求められる力は「自己の器の大きさ」と「適応力」だと考えています。
この2つの力を育み、部下と共に成果を出すために最も大事なのが、管理職が『自己の安定』を作れることです。

その背景として、現代のマネジメントでは、大量生産時代の一つの正解のやり方を軸として「指示・統制型マネジメント」は通用しなくなりました。
これは、日本は先人の知恵や努力のおかげでとても豊かになり、様々な素晴らしいサービス、製品、情報に溢れた結果、消費者が消費する先を選べるようになり一つのやり方だけで市場で勝ち続けることが難しくなりました。

その為、企業は一つの頼りになるやり方にしがみつき続けることはできないのです。
目的や目標を軸として、多様なやり方を検討し受容しながら最適なものをスピード感を持って取捨選択し、消費者の高いニーズと変化の激しい市場で勝ち残るための「自律・共創型リーダーシップ」を含むマネジメントスタイルに変革することが求められています。

そのため、現代の管理職には、自分の価値観ややり方に固執せず多様性を受容(自己の器の大きさ)し活かしながら、柔軟に目標達成していく適応力が必要なのです。

3. 一度、自分を苦しめる『〜しなければならない』を横に置いてみよう

しかし、このようなマネジメントを管理職であるあなた自身が受けた経験もなければ、ロールモデルに出会ったことも殆どないのが現状ではないでしょうか?

今の管理職の方々は、ロールモデルもおらず、企業も正解を持っていないので暗中模索状態で適応していこうとするため、ただでさえ疲れやすい状況で働いています。

そのため、今までの自分の価値観で作ってきた『〜しなければならない、〜であらねば』という抑圧を手放して、新たな考え方が入ってきやすくなるアンラーンがおすすめです。

アンラーンは、管理職のあなた自身に少し痛みも伴うかもしれません。今まで積んできた成功体験なども一度手放して、多様なメンバーや市場の今の価値観を受け入れていくため、管理職の自己肯定感をベースとした「自己の安定」が非常に重要になります。

管理職になると、自信をつけてくれる親や上司が常に横にいてくれるわけではありません。そのため、自分自身で自己肯定感を育み「自己の安定」を維持できる仕組みづくりが必要になります。

4. 管理職が疲れた時、
見直すとラクになる9つのこと

多重責務な現代の中間管理職は、疲労も溜まりやすく、思考もネガティブになりやすいです。

そんな時は、決して自分自身を責めずに、1時間だけでも1人でゆっくりリラックスできる時間を作ってみてください。

そして、下記の9つを振り返ってみてください。
きっと、これからのヒントが見えてくると思います。

1)栄養と睡眠時間の確保

働く上で、健康はとても大事ですよね。管理職自身が健康でないと、良いマネジメントは行えません。部下も不安になってしまいます。
まずは、管理職であるあなたが、しっかり食べて、寝て、本来の能力を発揮できるカラダへと整えていきましょう!

2)管理職としての役割の範囲

管理職としての役割を正しく認識し、その役割を遂行できていますか?
仕事の範囲が曖昧であるほど、プレイングマネジメントに走りやすく、業務に終わりも見えずに、ストレスや疲労は溜まりやすいものです。

管理職と一言で言っても、会社によって定義や役割は異なりますし、管理職の上司との間で暗黙のルールが生まれている場合も。また、管理職自身が暗黙の了解で「〜しなければならない」と思い込んで、プレイヤー業務を勝手に担ってしまっていることも。

管理職がマネジメント業務に専念できる「仕組み」をどう作っていくかということを考えるためにも、まずは、現在の部署での管理職としての役割を上司としっかり把握し、何をするために管理職としてあなたが着任しているのかを確認し、役割と範囲、優先順位をシンプルに認識しましょう。

3)管理職としての自己肯定感を育んでいるか?

管理職である、あなた自身の自己肯定感を育む仕組みを仕事や生活の中で取り入れていますか?

管理職としての強みと弱みを認識し、自身をマネジメント現場で活かせるイメージをアップデートしていくことはとても大切です。

管理職になると、親や上司、仲間などから自信を持たせてもらえる機会も減ります。
自分の自己肯定感を育める仕組みを是非考えてみてくださいね。

4)課題設定と「やらないこと」を決め切る

部下のことをあまり知らない管理職や、プレイングマネジメントを行う管理職によく起こりがちなのが、チームや自分のマネジメントの「課題を正しく設定できていない」ことです。

部下や現場を知り、マネジメント視点で俯瞰できないために、本来注力して解決すべき問題・課題を明確に定められず、業務の取捨選択とその先の社内調整ができずに問題を放置しがちに・・・。
結果、優先順位がつけられずに目の前にある全ての業務に追われてしまうことがあります。

忙しい時こそ、基本と軸に立ち戻り、現状把握と課題設定を行い取捨選択するための時間を持つことがオススメです。

そして最も大事なことが「やらないことを決める」ことです。
これは、後ほど8つめの「気がかりなことを放置していないか?」でもご紹介しますが、やらないと決めることで、脳疲労が減少し、そのエネルギーをやるべきことに費やせるようになるため、パフォーマンスが上がることがわかっています。

是非、やらないことを決めて手放してください。

5)部下のことを正しく知っているか?

業務が多く、部下も管理職も忙しい組織では、タスク管理のためのチームミーティングは行われますが、上司部下や部下同士のコミュニケーションが少ないことが見受けられます。

しかし、部下の現状や本心、アイディアなどを互いに知り合うことで、互いのアンコンシャスバイアスに気づけるため、コミュニケーションしやすくなり、心理的安全性が高まることも。

また、部下を知ることで、今まで思い通りに動いてくれなかった部下への働きかけ方が見えたり、部下のありたい姿に配慮した育成ポイントが見えることで部下のモチベーション向上や、次世代リーダー育成にもつながる可能性が広がります。

管理職が多様な人材を活かす方向性を見つけるためにも、まずは相手(部下)を知るための仕組みづくりを行うことからスタートしてみてはいかがでしょうか?

6)安心して本音を話せる場所を確保しているか?

良いアイディアや問題解決方法は、1人の思考や価値観で見つけるには、時間もかかる上に限界があります。その上、1人で抱えることでストレスなど心身の疲労が蓄積していきます。

より良い組織を運営するためにも、管理職が、頭も心もクリアにしてマネジメントを行える状態を意識して作ることが大切です。

社内では利害関係が、家庭では理解されないもどかしさなどがあり、本音で話せる環境が整いづらいことも。安心して話すことができ、思考と心の整理ができる第三者との場を持つことをオススメします。

7)アンコンシャスバイアスに気づく機会があるか?

管理職になると、上司や部下、他部署とのコミュニケーションで関わる人が増え、イライラすることも増えるのではないでしょうか。

イライラが発生する原因の一つにアンコンシャスバイアスが挙げられます。
アンコンシャスバイアスは、「無意識の思い込み」で、自分の中では当たり前のことが他人の価値観や視点からみた時には当たり前でないことが多数あることを前提にコミュニケーションすることで認識のずれや相手への嫌悪感を抑えることができます。

イライラして疲弊しやすくなっている時、是非アンコンシャスバイアスを自分が持っていないかを振り返ってみてください。
自分で気づけない場合は、他人の考えやフィードバックをもらえる機会をつくることできづけることもあります。

8)気がかりなことを放置していないか?

脳科学の観点から、脳が生み出す疲労が非常に大きな割合を占めていることをご存じでしょうか?

米ワシントン大学セントルイス校の神経学者マーカス・レイクル教授が提唱した「デフォルト・モード・ネットワーク(※1)」では、脳は意識的に活動しているときよりもこれから起こりうる出来事に備えてアイドリンク状態を保っている時の方が通常の20倍のエネルギーを消費すると言われています。

人間の脳は、完了していない事柄に対して、これから起こりうる出来事を勝手に想定することに脳を過剰に働かせている可能性があり、これらは疲労につながりやすいと言われています。

そのため、脳科学の観点から、仕事でも仕事以外でも、後回しにしていて完了していない事柄があると疲労しやすい状態を作りやすいため、未完了の事柄を完了することをオススメしています。

※1 
Raichle, Marcus E., et al. (2002) “Appraising the brain,s energy budget.” Proceedings of the National Academy of Sciences 99.16: 10237-10239.


9)本当の「自分の願い」に気づけているか?

上記のことを振り返ってみたり、さまざまなことを試したけれど、先が見えずに苦しい場合は、一度立ち止まってみてください。そして、人生で本当に自分が望んでいる願いを内省する時間を是非持ってみてください。

自分がどうしたいのか、何を本心で願っているのかわからない。そんな気持ちになる場合は、今までの価値観や経験で自分の思考を抑圧するものがあることも。
そんな時は、コーチングやカウンセリング、メンタリングを使って、自分の内省を深めてみましょう。

人間は、本心から望む願いに気づくと、その瞬間からその願いを叶えるためのエネルギーが湧いてくるといわれています。


最後に

いかがでしたでしょうか?
管理職が疲れた時に、見直してみたい9つのことをご紹介させていただきました。

もし、これらの見直してみたい9つのことを1人で向き合うのがきついな、支援が必要だなと感じられたら、是非Good Teamの体験セッションをご利用ください。

管理職として多様なピープルマネジメントの経験を持ち、人間の可能性を最大化し意識の変容を起こすプロである、Good Teamの社外メンターが、あなたの管理職としての可能性を開花します。

体験セッションのお申し込み

Good Teamの社外メンターサービスとは?

Good TeamのHPへ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?