good night moufu

おなかがすいてないのに冷蔵庫をあける

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マガジン

  • 七十二候

    七十二侯のリズムでつける日記です。五日にひとつくらい愛しい発見があればいいよね。

最近の記事

#61 閉塞成冬の日記(12/7~12/11)

12/9 閉塞成冬 (そらさむくふゆとなる)。寒さが虚しさに変わってしまったのか、最寄り駅に出たのに足が止まって、どうしても出社ができなくなってしまった。きょうはボーナスの支給式で、気に入っているワンピースも着ているのに。 しばらくうろうろした後、LOFTの文房具売り場に行って、ゆっくりとノートとペンを選んだ。薄く透けるような紙や、物として美しいステーショナリーもあったけれど、うずまく感情のアウトプットを導いてくれそうなわら半紙っぽい質感のノートとシャーペンを選んだ。

    • #39 蒙霧升降の日記(8/17~8/22)

      立秋の末候、蒙霧升降 (ふかききりまとう)。たしかに空気のしめりけを感じる刹那がある。残暑の中のしっとり、ひんやりとした空気に、漠然と切ない気持ちをおぼえたりする。 8/17水 ねむれない夜、通話につきあってくれる人がいるありがたさ。画面の向こうでぬいぐるみを動かしてあやしてくれて、うそみたいだけどそれですんなりとねむれた。 8/18木 ゴールデンウィークに一緒にKYOTOGRAPHIEへ行ったMが、ポジフィルムで撮影した写真を送ってくれた。私が写ったものは、横顔も、

      • #8 桃始笑の日記(3/10~3/14)春のはじまりと箱根旅行記

        3/12高校時代からの友人Wとひさしぶりの遠出をする。展覧会を目当てにした旧友との温泉旅行。これほど最高なものがあるだろうか。交通費3万、2食付き宿泊費1万、美術館・土産・食費1万、計5万くらいの支出だけど、プライスレス。 1日目は箱根、ポーラ美術館へ。アメリカ現代美術のアーティスト、ロニ・ホーンの個展「水の中にあなたを見るとき、あなたの中に水を感じる? Roni Horn: When You See Your Reflection in Water, Do You Rec

        • #4 土脉潤起の日記(2/19~2/23)

          2/19土雨水の初候、「土脉潤起 (つちのしょううるおいおこる)」。金曜日の夜早々にねてしまったので、おきたら朝の5時台。七十二候のとおり、雨が降っていた。春になる雨だといい。 小中学校時代の友人Hに2年ぶりくらいに会った。炙り鮭とばをかじりながら酒をなめなめ、小学校1年生のときの話をしがむのは、脳みそのいつもとちがう部分が気持ちいい。でも同時に「懐古」をエンタメにすることにこの年で慣れてしまうことが少し怖いような気もする。たまたま隣の席に座っていた25歳四人組に絡まれ、そ

        #61 閉塞成冬の日記(12/7~12/11)

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        • 七十二候
          14本

        記事

          #3 魚氷上の日記(2/14~2/18)

          2/14月昼過ぎにだらっと出社して上司にバレンタインチョコレートをわたす。 2/16水最近、気にいったものを二つ買うくせがある。リブトップス(白・ベージュ)、シルエットが気に入ったニット(白・オリーブ)、Iラインのベロアスカート(白・黒)など……。 食品はとくにそう。スーパーですきなもん2個ずつ買っていた。 むかしからすんごい偏食なので、ごく一部の好きなものしか食べないような食生活をしていた。それは今もそうで、飽きるまでおなじものを食べるサイクルを繰り返している。飲むヨ

          #3 魚氷上の日記(2/14~2/18)

          #2 黄鶯見睆の日記(2/9~2/13)

          2/9水なるべく人込みを避けたいので平日まっぴるまから休憩をとって、大阪の百貨店へ。チョコレートを買った。 仏教とカレーが好きな上司に、「ご縁を結ぶ」ことをコンセプトに「スパイス」を使ったチョコレートを。飄々としていつもニヤニヤしている上司には、ときどき話しているキャラクターのハンカチと貴腐ワインのチョコを。いちばん感謝している人に、伯爵茶のチョコとビスケットを。 古道具の催事でうつわを買った。 スープとお茶が好きなのでいくつか持っている、おきにいりのちゃのみ、家族写真

          #2 黄鶯見睆の日記(2/9~2/13)

          #1 東風解凍の日記(2/4~2/8)

          2/4金きょうから立春。七十二候を好きになったきっかけ「歌こころカレンダー」の2022年度版をおろす。 2/5土木曜に引き続き京都へ。京都が好きなのですきあらば出かける。藤井大丸で予約していたブローチを受け取る。馬のかたちがかたどられている。 4年半使ったバスタオルを取り替えたいと思っていて、候補のひとつにしていたKontexのLanaというタオルをおためしで一枚買う。コットン100のワッフル編みでふかふかとやわらかく、ウールニットのような質感。直接肌に触れるものはいかに

          #1 東風解凍の日記(2/4~2/8)

          #8 桃始咲の日記(3/10~3/14)

          3/13ふっと目がさめたら春の土曜日の朝だ。自転車に乗って、パン屋へ向かう。この街には不動産屋と学習塾と美容室とパン屋がとにかくたくさんあるけれど、これまではどれにも見向きもしていなかった。いまはべつだ。もともとごはん派だったわたしに、友人が先日パンのおいしさを教えてくれたのだった。ミツコジジャムという、イギリスでマーマレードの賞をもらった方がつくっていて、すぐに売り切れてしまうという幻のジャムを運良く手に入れたことからパン食べ食べ委員会という、その名の通りパンをたくさん食べ

          #8 桃始咲の日記(3/10~3/14)

          #23 紅花栄の日記(5/26~5/30)

          5/26火息をするように本をポチってしまう。年間での書籍代は考えないことにしている。 「推薦文、作家による作家の」:ひとが作品をどんなふうに紹介しているか見るのが好きなので。「銃・病原菌・鉄(上)」:一見ばらばらに思えるものごとが重なってその上になにか現象が生まれることや、反対に、なにかの事象の複数の偶然・必然の要因を読み解いていくことにおもしろさを感じる、といったら役員におすすめされた本。いわずと知れた名著。読み通したいな。 5/27水めちゃくちゃ美人の同僚とハッピーラン

          #23 紅花栄の日記(5/26~5/30)

          #22 蚕起食桑の日記(5/21~5/25)

          5/21木先輩Hさんが秋冬に向けて企画しているランジェリーのフィッティングをする。わたしのサイズにあわせて作ってくれたできたてほやほやのサンプル。ちいさな試着室にふたりで入ってきゃっきゃとランジェリーを検分するのは空想上の女子高のような愉しさがあった。こっちのパターンのほうがおっぱい高く見えるね?ここのライン削りすぎたら乳輪瀬戸際かな?このレースは着けたときの透け感が断然かわいいね。 若いころに恋愛猛者だったHさんは、下着企画会議でエッチな紐遣いのランジェリーを提案して「欲求

          #22 蚕起食桑の日記(5/21~5/25)

          #21 竹笋生(5/15~5/20)の日記

          5/15金今日も在宅勤務。いい風が吹いてる。プロテインが届いた。PFCバランスを考慮しようとしている。たんぱく質を100グラム摂る、脂質を30グラムにおさえる、そうすると炭水化物は自然と摂りすぎにならないくらいの満腹感になるらしい。プロテインドリンクのはじめてのひとくちは、マックシェイクのバニラ味みたいで、その性質のわりに美味しすぎてちょっと引いてしまった。こちらの意図する心構えと、味・のどごしがまったく一致せずに奇妙な気持ちになる。 5/16土夜、学部時代の友人たちとオン

          #21 竹笋生(5/15~5/20)の日記

          #20 蚯蚓出の日記(5/10〜5/14)

          5/10先月末からすこしずつ遊戯王のアニメを楽しみに見ている。きのうは明け方まで第72話「ボクを撃て!運命のラストターン」を観て、それはもうぼろぼろに泣いてしまった。 遊☆戯☆王デュエルモンスターズは、3000年の時を経て現代につながる宿命の戦いの中で、決闘者(デュエリスト)としての誇り、仲間との絆、優しさと強さ、そして王(ファラオ)の魂のカタルシスを描いた壮大な物語。素晴らしい作品だ。私は海場瀬人くんのことが好き。 遊戯たちが腕に着けているデュエルのためのアイテム「デュエル

          #20 蚯蚓出の日記(5/10〜5/14)

          #19 蛙始鳴の日記(5/5〜5/9)

          5/5立夏おめでとう。夏が立った!それだけでばんざい。 よろこばしくめでたい気持ちになる。 我愛夏日長 (我夏の日の長きを愛す) 薫風自南来 (薫風南より来たる) Netflixオリジナルの映画「ハーフ・オブ・イット」を観た。ラブレターを代筆するところからはじまる物語。主人公のエリーの口から紡がれる、アスターへの愛の詩情にうっとりしてしまうけれど、「愛は努力」だというまっすぐなポールにとってはそのうつくしさがそのまま残酷さになってしまう。 ソクラテスはギリシア神話を借りて

          #19 蛙始鳴の日記(5/5〜5/9)

          #18 牡丹華の日記(4/30~5/4)

          七十二候の第十八候、「牡丹華 (ぼたんはなさく)」の期間の日記。 4/30おとうとの誕生日。 おとうとはむかし天使のように愛らしくって、家族の中ではぷんくというあだ名で呼ばれていた。ほっぺたがあまりにぷくぷくのもちもちだったからだとおもう。スターダストから幼児モデルのスカウトがきたこともあって、私はおむつのパッケージの赤ちゃんをみるたびに昔の彼のことを思い出す。彼は今ずいぶんと素直じゃない性格だけど、わたしにとっては愛しいぷんくちゃんなので、牛肉と迷ってamazonギフトカ

          #18 牡丹華の日記(4/30~5/4)

          DIARY IN RHYTHM OF ANCIENT CHINA

          七十二候のリズムで日記をつけることにした。 一年はあまりにはやい。 時間が砂のようにさらさら手指から流れて進むことに、どうにも漠然とした無力感や感傷的な気持ちをおぼえてしまう。時は止められなくても、どうにかましにする手だてはないかしらと、五十二週ではなく、七十二候をもうひとつのサイクルとして意識することを、おととしの年末に思いついた。 半月ごとの季節の変化をあらわす「二十四節気」を、さらに約5日ごとの3つの期間(初候・次候・末候)に分けて、細やかな季節のうつろいを教えてく

          DIARY IN RHYTHM OF ANCIENT CHINA