見出し画像

職場におけるSMARTな目標(ゴール)設定の重要性

そもそも目標(ゴール)とは?

Weblioの辞書によると「目標」は、「行動を進めるにあたって、実現・達成をめざす水準。」と記載されています。基本的には、達成すべきターゲットという表現がなされます。目標管理の一つの手法として、Googleが利用しているOKRでは、Objective(目的)と、Key Result(キーとなる結果)という指標が利用されます。これは、何を達成するために実施するアクションかを明確にし、期待する結果を列挙するという方法です。目標は、確かに目指すべき指標ではありますが、それは同時に期待する結果と考えると実は理解がし易いかと思います。

大抵、職場で働く人は、1人のみで働いていることは少なく、部門といったチーム単位で働いています。よって、設定した目標の結果について、報告をしなくてはいけないケースが多く、その際に、目標に達成しなかった場合、通常、私たちは、「予想外の結果」や「期待した結果にならなかった」というような表現をします。このように、予想していたもの、または、期待していたものというのが実は、ゴールであると考えます。

よって、目標(ゴール)設定とは、ある物事やアクションを実施する上で、どんな結果を期待しているかを予め定める作業であると考えます。

「出たとこ勝負」の問題点

「出たとこ勝負」と言うように、事前になんの期待もせずに、とりあえず実施をするということもあるかと思います。目標管理の上で、「出たとこ勝負」は、なぜ問題になるのでしょうか?「出たとこ勝負」の問題点は、その結果を評価できないことにあります。例えば、ある新製品を「出たとこ勝負」で販売したとします。そこで、10件販売できたとします。しかしながら、目標がない場合、この10件の数値をどう評価して良いのかわかりません。よって、10件という結果の数値だけでは、良かったのか悪かったのか判断する術がないことになります。もし、10件という結果が期待通りと評価するのであれば、予め10件を目標としておいた方が後ほど振り返った際に、評価がしやすくなります。

明確な目標を作るために必要なSMART

曖昧な目標設定をしてしまうと、振り返った時の評価がしづらくなってしまいます。そのため、よりはっきりとした振り返りをできるようにするためには、目標もはっきりしている必要があります。良い目標設定の方法として一般的に言われているのが、SMARTを意識した目標設定です。SMARTとは、以下の要素の頭文字を取ったものとなります。

Specific (具体的)

目標が具体的であるということは、目標となる指標の基準がはっきりとしていることです。例えば、「ダイエットをする」という目標を設定したいとします。しかし、ダイエットとは、色々な意味があり得ますので、これだけでは、具体的な目標とは言えません。体重を減らしたいのか、もしくは、体脂肪を落としたいのか、何を達成すべきなのかを明確にすることが大切となります。

Measurable(計測可能)

目標が計測可能でなければ、達成したかどうかの判断ができません。例えば、「頑張る」といったような指標を使ってしまうと、何を以って頑張ったとするかわかりません。よって、目標を設定する場合、測定可能なものを設定する必要があります。

Achievable(達成可能)

不可能な目標を設定してしまうと、明らかに達成できないため、結局は、評価できないという結果になってしまいます。例えば、「明日までに10kg体重を落とす」という目標は明らかに達成できません。逆に「一週間で2kg体重を落とす」という目標の場合、達成は難しいかもしれませんが、不可能ではないと考えられます。明らかに達成できない目標は、設定をしても無意味になってしまいがちなので、目標を設定する際は、達成が難しくとも、達成が可能と言ったものを設定することが大切とされています。

Relevant(関連性)

いくら数値で測定ができる目標でも、目的に沿っていない目標設定をしてしまうと、無意味な活動となってしまいます。例えば、42kmのマラソンを完走できる体にするという目的を持っているにも関わらず、「100mを走る速さを1ヶ月で10秒以下にする」といった目標は、達成できたとしても、42kmのマラソンを完走できるようになるかどうかは、わかりません。もちろん、もし、そこに、明確な関連性が説明できるのであれば、問題ありません。目標を設定する際に、それをなんのために行っているかの目的との関連性を確認することは効果的な目標とするために重要なことだと考えます。

Time-bound(期限付き)

目標に期限がない場合、振り返りをするタイミングがなく、目標を評価するべきタイミング失ってしまいます。よって、全ての目標には、振り返りをする期限を設ける必要があります。例えば、「体重を3kg減らす」という目標を作りたい場合、1週間で実現したいのか、1ヶ月間で実現したいのか、1年間の中で、実現したいのかにより、目標の実現性や難易度も変わってきます。よって、いつまでにという期限を目標に含めることは重要です。

目標を期待値の表明手段と認識する

職場おける目標設定は、想定される結果について、認識を一致させるコミュニケーションの手段の一つだと考えます。例えば、ある営業メンバーが頑張って新規のお客様を獲得しますと言っても、何件のお客様を獲得することを頑張ってと表現しているかの認識は、人によって異なります。もし、頑張ると言った営業メンバーが3件の新規顧客獲得を想定しているのにも関わらず、例えば、それを聞いた上司が頑張るという意味を10件の新規顧客獲得を想定していた場合、仮に、営業メンバーが4件の新規顧客獲得し、評価されることを期待しているにも関わらず、その上司からすると想定の半分以下の結果なので頑張っていないという評価をした場合、その営業メンバーは正当に評価がされていないと不満を抱える要因にもなってしまいます。予め3件の新規顧客の獲得を行いますという明確な数値目標を設定し、上司がそれを認識することで、何を以って評価するかが、はっきりとします。なお、このケースにおいては、この上司は10件の新規顧客を期待したいと考えているので、適切な目標の数値について、この営業メンバーと認識合わせが必要となると考えます。

画像1

なお、目標を必ず達成しなければいけないものと定義してしまうと、達成しなかった場合の責任等が発生してしまうため、責任を回避するために、目標を設定しないというインセンティブが働いてしまします。目標を設定せずに、出たとこ勝負で、出た結果について評価ができない環境を作る方が、責任を追求されるより良いという判断になってしまいます。すると、結果の中で良い数値のみを結果として報告し、印象をだけを良くするといったこともできます。例えば、平均案件単価が100万円の商品で、1000万円の案件を獲得した場合、「今期は頑張り、1000万円の大型案件が受注できました」と結果報告をするといったようにです。大型案件を受注できたことは素晴らしいことかもしれませんが、目標がはっきりとしていないと、それが本当に良かったことなのかどうか本来は判断できません。

目標を、期待している結果の意思表示と位置づけ、目標に達成しなかった場合、その責任を追求するのではなく、目標そのものが正しかったのか、期待した目標に至らなかった原因に何があるのかの原因究明を行うことで、そこから得られる学びを次のサイクルの教訓として活かせるようになると考えます。目標ないしは期待した結果と実際の結果にギャップが生れるからこそ、そこに学びの機会が生まれ、それを学ぶことで、より効果的な次のステップを踏めると考えます。そのギャップを認識するためにも、SMARTな目標を設定することが重要だと考えます。


現在、成果ではなく、過程を重視したPACTフレームワークを利用した目標の進捗を継続的に管理するシステムを開発しております。製品に関するご意見を募集しておりますので、何かございましたら、以下よりお気軽にご意見お寄せください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?