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【LIFE】博愛の話をしよう

初めましての人もそうでない人もここにきてくれてありがとう。

久しぶりにPCのメモを整理していたら、2020年1月の頭に行ったマレーシア・カンボジア旅行の記録が残っていたのでここに残しておこうと思う。

本当にメモだから駆け出しも酷く唐突だ。かたじけない。

〜マレーシア クアラルンプール 〜

ついにきた。10日間のアジアの熱気を感じる旅。同行者はゆりちゃん。
旅行1ヶ月前まで、苗字も知らなかった。せっかくだからゆりちゃんのこと少し紹介しよう。

初めて会ったのは19年7月。付き合いで参加した旅セミナーに彼女はいた。懇親会、ワイワイと酒を飲み盛り上がる周りの温度と相対して、ゆりちゃんの纏う空気は低め。Chill。物憂げに見えた。あどけなくて色っぽい。
タイプだった。私はその日、生まれて初めてナンパをした。

いろいろ話をする。世界を飛び回りたいという。ちょっと遠い目をしながら、「仕事をやめて世界を回る。」という彼女に私は、1時間待たずにプロポーズした。

「じゃぁ、試しに私と旅行しようよ」

試しってなんなんだろうね。
ちょっとだけでいいから、みたいな?
人は言いくるめようとするとき、一部だけお試しにしたがる。これを先っちょだけ理論と呼ぶ。


よし。
時を戻そう。

勢いと思いつきが実現したのは彼女のおかげ。私がツボ売りつけるかもしれないのに、よくOKしたよね。肝っ玉。

3度くらい会って計画を練った。練ったのは彼女。私は、何もしていない笑)この場を借りて謝ろうと思う。まじでズボラでごめん笑

控えめに言ってとってもいい奴だった。

1.マレーシアで出会った王子カーリー


そして、ついに1月。

マレーシア。とりあえずホテルをチェックイン。荷物が重すぎる。

ホテルのエントランスでカーリーと出会った

どーん。

すごく見つめてくる。
(50代〜60代の細くて黒いスーツの背と鼻の高い男性)濃い。クセがつよい。

目線を合わせないようにしていたが
根負けして目を合わせた瞬間にどこからきたのと聞かれた。

早い。怖い笑

Where are you from?
Japanese(え、返答おかしい)

カーリーは途端に近寄ってきて、
日本に10年前にいたと日本語で話してくれた。これまで35か国で大学関連の仕事をしていたらしい。
そして、ホテルのことやクアラルンプールのことをひとしきり説明して、何故だかセントラルマーケットでジュースを奢ってくれた。

マレーシアの国のことや、自分の仕事の話、税金の話などをしてくれた。
ゆりちゃんが仕事を辞めるというと、まじな顔して、それはやめたほうがいい仕事は休憩してもいいけど
やめてはいけないと本気でアドバイスした。
私は横で笑いを堪えてた。
いや、いいやつカーリーと思ってさ。本気でゆりちゃんを心配し、ほんとに説教してた。
まだ会って15分の仲だけどね。カーリーには知り合ってからの時間なんか関係ない。そういうのいいよね。

2.死ぬかもしれないと思ったら石鹸で擦っとけ

いいやつだけど、とにかく熱いカーリーと別れ
バドゥ洞窟に行った。
そこは鳩と猿とネズミ人間の入り混じるカオスな聖地だった。

バドゥ洞窟は山の山頂付近の岩場の割れ目を利用した寺院。寺院を拝むためには、ふもとから山頂まで続く長い階段を上り続けなければならない。
高所恐怖症の私からしたら、最難関の場所である。

ただ結論から言うと、本当の敵は高所ではなく猿だった。私の足はある一匹の猿によって噛まれてしまった。

高所になれ、余裕が出てきた頃にそれは起こった。
目の前の小さな猿。近づいても逃げない。
よし、どこまで逃げないかしら。
悪意を持って近づいたことに気づいたのだろう、見つめ合って威嚇されて足を噛まれた。

目を合わせてはいけない。

という教訓は、経験者から言わせてもらうと
正論以外の何者でもない。ほんとにやめたほうがいい。


私も何故かムキになっていて、
噛むなら噛めよ?くらいに思ってた。
噛まれるのをわかってて避けることもなく
襲ってきた小さな猿を蹴り上げた。
この時の自分の残忍さや、大胆さは今でも不思議で、猿と見つめ合うことで発症する病気だったんじゃないかと思ってる。

現にゆりちゃんはその後、
私が真顔で猿を蹴り上げる様子が怖かったとぼそっと言っていた。
サイコパスに見えたことだろう。

しっかり受け止めた噛み跡は
じんじんした。じんじんがどんどん大きくなる。
冷静になって怖くなった。
猿も狂犬病を持っているらしいのだ。
そこからは必死で病院を調べたり、猿に噛まれた時なんていうHOWTO 記事を読んだりした。
死ぬ恐怖はすごい。生きたかったのね私って笑

ホテルの人に聞いてみようと急いで帰ると
カーリーがまだいた。
今日家に帰る予定だったらしいが
私たちがいるからと1日宿泊を伸ばして待っていてくれた。
大きなハテナが浮かびながらも
日本語が話せる親切なカーリーがいてくれたことに心から感謝した。
神様がいるとしたら、それはカーリーみたいな風貌だろう。

カーリーに傷を見せたら一笑された。血が出てないから大丈夫。
石鹸でしこたま洗っときな。
カーリーの言葉に安堵し、石鹸の偉大さに感動した。その日は石鹸をこれでもかと傷に擦りつけて洗った。
ちなみにさるからも伝染すると言われる狂犬病、潜伏期間は2〜3ヶ月。
実はまだ可能性は残っている笑

教訓 猿とは目を合わせるな 
   カーリーと目を合わせろ

3.どうやらご飯を作ってくれるんだって。

カーリーはなんでも一人で決める。
私たちにはなんの権限もない。

ホテルスタフのイスラムさんに料理作ってもらうからと言ってホテルの下のスーパーで馬鹿ほど食材を買い込みもてなしてくれた。

ここでの買い物はとても楽しかった。
控えめに言ってカオスだった。魚も買うし、肉もかう。
ぽんぽんかごにいれて、なんでも買えと宣うカーリー。なんでも買ってくれるってさ、マレーシア行ってパパ活初体験した気分。(スーパーだけどw)



最初は、なんかヤバめのおじさんに出会っちゃったなぁ。と話していた私たちもカーリーの意味がわからないほどの親切さに、深い感謝の気持ちが湧いてきた。

そのあとも、ピンクモスクが見たいという私たちに
近くのモスクを案内してくれ、
なんならタクシーの運転手さんと交渉して次の日朝一行けば間に合うと
次の日のホテルからピンクモスク経由の空港までのタクシーを手配してくれ
200リンギットするところを100リンギットまで話をつけてくれた。

そして、なんならその100リンギットも払ってくれていた。誰だよ。
なんでそこまでしてくれるんだよ。全く。なんなんだカーリー。

ゆりちゃんと私は、カーリーにお茶とコメを送ることを決意した。
カーリー本当にありがとう。マレーシアは、カーリーに始まりカーリーに終わったと言っても過言じゃない。

4.思うこと

人はあたたかい。出会ってからの時間とか、
優しくすることに理由なんて必要ない。
ただ久しぶりに日本人と会ったから嬉しかったとカーリーは言ってくれた。

月並みにありがとうが言いたくなった。

最後まで読んでくれてありがとう。
カーリーありがとう。


20200312

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