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僕色百景

100
とりあえずやる気と勢いだけで100日継続して綴った風景です。
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#旅行

第九十二景

第九十二景

あれは確か、伊香保旅行に行ったときのことだろうか。石段を登って、その奥の神社の更に先の赤い橋を覚えているからきっとそうだと思う。石段の途中のお土産屋さんで名物なのか分からないが、餃子まんを半分こに割ってふたりで食べた。赤い橋を見た帰りには、酒屋に寄って、(当時は地ビールと言っていた)クラフトビールを買って宿に戻った。温泉は屋上にあり展望が良かった。ツレはピアスを無くしたと言って、半べそをかいていた

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第六十二景

第六十二景

何かが起きる訳でもない、自分の人生の中に楽しみを持とうとして始めたことの一つに飲み歩きというものがある。住んでいるところが最寄りの駅から車で10分ほどのところにあり、タクシーも11時を過ぎれば動いていないという田舎ならではの事情で、今まではハードルが高かった。

なぜそれを思いついたのかと言われると、よく分からない。酒の力を借りて、嫌な事を忘れようと思ったのかもしれない。そんな訳で新潟市の古町地域

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第六十景 マッチングアプリ大戦記 episode10-4

第六十景 マッチングアプリ大戦記 episode10-4

朝の支度をし、朝食は食べずに車の停めてある隣の駅まで電車で向かった。コインパーキングに停めた車に乗り込み、山形への一泊旅行がスタートした。車の話になった。僕は燃費が良ければそれで良いし、自動車税もあまり払いたくないので、軽に乗っている。しかし彼女のイメージ的には僕はマツダのデミオらしい。

運転している僕を気遣い、ナビがついているのにも関わらず、自身のスマホの地図アプリでエスコートしてくれた。寝る

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第五景 僕の話

第五景 僕の話

ここで僕の話をしようと思う。自己紹介は1番初めにするべきなのだろうが、1番初めにして、そのあと更新しない。なんて恥ずかしい事にならないよう、ある程度続けられる事が分かったこのタイミングでしようと思う。

【1991年】人口4千人ほどの山沿いの町に生まれる。逆子で、すぐに風邪を引いたため、保育器に入っていたらしい。死にかける。

【1995年】弟と庭でホースから出る水を振り回して遊んでいた所、目が回

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第三景 初めてのひとり旅の話

第三景 初めてのひとり旅の話

去年は色々あった。それまで積み重ねてきたものをほとんど失ってしまった。言葉通り地獄のような日々で気持ちを維持するのがとても難しかった。あらゆる瞬間にそのことを思い出しては泣き、鼻を詰まらせ、呼吸困難になった。

そんな絶望の淵に立っていた自分を元気つけるために、初めてひとり旅に出かけた。去年の12月に入ったばかりの頃だったと思う。それまで旅行といえば、誰かと出かけるものだった。

行先として決めた

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