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脳は体のために発達した。まずは体を鍛えよ。最強の人生を作る運動法

私が野球を始めたのは8歳からで、小学3年生の時である。
それから23歳まで野球を続けていたこともあってか、一般の人よりも体力はある上に、身体能力もかなり高い。
腕立てやスクワットなどの自重トレーニングは、小学生の頃から行なっていたし、15歳からはトレーニングジムに通って、ダンベルやマシンを使って体を鍛えた。
プロテインは中学へ上がった時に飲むようになり、当時はまだ今と違って大豆をベースにした物しかなく、水に溶けず、ダマになってしまう、とても飲みづらいものだった。
はっきり言って、めちゃくちゃ不味かった。
あの当時は野球選手でウェイトトレーニングをやっている選手はまだまだ少なかった。

体を鍛えるために必要な情報は、『アイアンマン』と言うボディビル雑誌を読んで筋肉の名称や栄養摂取の仕方、トレーニング方法や筋肉がつくメカニズムなど、筋肉にまつわるさまざまな情報を得ていた。
ボディビルダーを目指していたわけではないが、当時はアイアンマンに最も情報が豊富にあって、逆にそれ以外では全くと言っていいほど筋肉に関する情報がなかった。
今と違ってインターネットもなく、そして筋肉質な男というのが特異な目で見られる時代である。
その甲斐あって同年代の中ではかなり筋力がある方だった。
将来はアメリカでプロ野球選手としてプレーしたい、と思うようになったのはアイアンマンの中で紹介される筋骨隆々の男たちは皆アメリカ人だった影響もある。
とてつもない化け物みたいな人種がアメリカにはうじゃうじゃいる、と妄想を膨らませていた。
そして自分の中の基準がこのアイアンマンの中のボディビルダーになっているので、同級生の中で私だけが筋肉を鍛えている状態にもかかわらず、周りから筋肉マニア扱いされたりしても、自分としては全然まだまだ足りていないと思っていた。
当時を振り返っても私はかなり細かったと思う。
しかし同級生達の筋肉はさらに細かった。
自分の中の基準が世界トップクラスのボディビルダーの筋肉になっていたのだから、周りから何を言われようと黙々と筋肉を痛めつけ、体を大きくすることにこだわった。

16歳でアメリカに初めて行った時に、ボディビル雑誌で見るような巨体を持った筋肉マンたちの街を歩く姿を見て、その生の迫力に、よりいっそう自分はまだまだだと思うようになった。
一緒に練習をしたメジャーリーガーたちは、見た目の筋肉だけじゃなく、身体能力も凄まじく、それまで日本では見たことのないような重さのバーベルを担ぎ上げ、トレーニングルームでうめき声をあげながら、鬼気迫る緊張感で張り詰めた空気の中、限界を突破するトレーニングがひとしきり行われたかと思うと、次の瞬間には楽しそうに談笑し、いかにもトレーニング自体を楽しんでいるという雰囲気があり、そしてそれにもまた魅了された。
当時私が経験してきた高校野球のレベルではとても考えつかないような、異次元の世界である。

プロになったばかりのマイナーリーガーたちですらも、とてつもないパワーを持っていて、とあるメジャーリーグドラフト1位で入団した1年目の選手は、ケージの中でのバッティング練習でネットを突き破るんじゃないかと思うような殺人的な打球を放っていた。
彼の名はパット・バレル。
その後フィラデルフィアフィリーズの四番打者になる超強打者である。

その他にもボストンレッドソックスの名遊撃手、ノマー・ガルシアパーラともトレーニングで一緒だったが、身長は私より少し高いぐらいなのに当時レッドソックスの四番を打っていただけあって、打球は凄まじかった。

これが世界か、と唖然としたが、悔しさなどは微塵もなく、ただただ憧れが強くなるだけだった。
アメリカでは体を鍛えるというのはごくごく当たり前の日常で、男であれば皆、筋肉があって当たり前、トレーニングするのは当たり前という雰囲気を感じた。
実際に日本と比べてもトレーニング人口は多く、トレーニングジムのクオリティも全然違う。
日本に帰ってくるとちゃんとしたトレーニングジムを探すのが大変である。
そしてプロテインなどのサプリメント系も日本とアメリカではクオリティが全然違う。値段も全然違う。

アメリカのサプリメント市場は大きく、競争も激しい。
それゆえにコスト面でもはるかにアメリカのサプリメントの方が安い。
当時はホエイプロテインが出たばかりで、日本では手に入らなかった。
日本に帰らないといけない時には、アメリカで大量にホエイプロテインを買ってバッグに詰めて日本に持って帰っていた。
そしてその後日本でもホエイプロテインが販売されるようになったが、値段は4倍以上違った。
アメリカの球団では筋力トレーニングをするというのはごく当たり前で、野球自体の練習をお昼過ぎで終えた後、各自がトレーニングジムに行ってウェイトトレーニングをする。
そんな光景が当たり前だった。
アメリカの大学でも高校でも、ウェイトトレーニングをやっている。
そんな中にずっといると自分の中の筋肉に対する基準が大幅に変更されていくことになる。

基本的に私は15歳から現在まで常にどこかのトレーニングジムと契約をしている。
いつでもトレーニングができるように準備してある。
仕事が忙しくなってきたり、時間が取れなかったりする時は、トレーニングがおろそかになる期間もあるが、定期的なトレーニング自体は続けてきている。

昨今、日本でも運動の重要性が語られるようになり、ビジネスパーソンの間でも積極的に運動をしようという考え方は以前よりも一般的になった。
運動した方が精神的にも脳機能的にも良い効果をもたらすという考え方が広まったおかげで、定期的なトレーニングをしている私自身に対する偏見もなくなってきた。
しかし運動もやり方によっては害をなす場合がある。
私が考える効果的な運動、トレーニング法というのを紹介し、なぜそのようなトレーニングを行うのか、について理由を述べたい。

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