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【発達障害児の親】こんなことで悩んでいませんか?#15~きょうだいへの配慮はどうしたらいい?~

はじめに
 発達障害のある子ども
を育てることは、親として多くの挑戦を伴います。しかし、その家庭にいるきょうだいのことも忘れてはなりません。親御さんが発達障害のある子どもに多くの時間とエネルギーを注ぐ中、他のきょうだいに対するかかわりが薄くなりがちです。この記事では、きょうだいがどのような思いを抱き、どのように対応すべきかについて考えてみましょう。


1.きょうだいの立場を理解する

 発達障害のある子どもの年齢や、きょうだいの人数、年齢によって生じる問題は異なります。例えば、5歳の発達障害のある子どもと、10歳のきょうだいがいる場合、5歳の子どもが親の注意を必要とする時間が多く、10歳のきょうだいが寂しさを感じることがあるかもしれません。

 どのような状況であれ、きょうだい一人ひとりに一対一でしっかり向き合う時間をつくることが大切です。例えば、毎週火曜日の午後は「お姉ちゃんと一緒に公園に行く時間」、土曜日の朝は「弟と一緒に絵本を読む時間」と決めて、そのルールを家族全員で守るようにしましょう。これにより、きょうだいそれぞれが大切にされていると感じられる時間を確保できます。

2.正しい知識を伝える

 子どもが成長するにつれ、発達障害について知りたいと思うことが増えるでしょう。例えば、中学生の娘が学校の授業で発達障害について学んだ後に「お兄ちゃんの障害ってどういうものなの?」と質問してくることがあります。そんな時は、信頼できる本やインターネットの情報をもとに、偏りのない正しい知識を伝えましょう

 さらに、親御さん自身の経験や考えも話してください。例えば、「お兄ちゃんは人とコミュニケーションを取るのが難しいけれど、得意なこともたくさんあるんだよ」と伝えることで、娘は正しい理解と共に親の価値観も学びます。子どもは親の姿をよく見ており、その言動に大きく影響されます

3.日頃の態度で示す愛情

 親御さんが子どもの特性を理解し、発達障害があってもなくても同様に愛情を注いでいることを感じさせるよう、日頃の態度で示すことが大切です。例えば、発達障害のある息子に対して「今日もがんばって宿題をやり終えたね、すごいね!」と褒め、定型発達の娘にも「学校でいい成績を取ったんだね、おめでとう!」と同じように褒めることが重要です。

 また、きょうだいが将来の進学や就職、結婚について悩む時期が来ても一人で悩みを抱えこまないようにする必要があります。たとえば、「お兄ちゃんが将来どのように自立できるか心配だ」という娘の不安に対して、「家族みんなで話し合いながらサポートしていくから、一緒に考えようね」と声をかけることができます。

 今のうちから家族で一緒に考え、話し合っておくことが重要です。

4.小学生のきょうだいの思い

 小学生のきょうだいは、以下のような思いを抱くことがあります。

  • きょうだいのことを「恥ずかしい」「隠したい」と思う

  • そう思う自分を責める

  • きょうだいに障害があることを知り、ショックを受ける

  • 我慢をしたり、きょうだいの世話を自ら買って出る

  • 親に放っておかれていると感じ、愛されている感覚を持ちにくい

5.小学生のきょうだいへの対応

 これらの思いに対し、以下のような対応を心がけましょう。

  • きょうだいの複雑な思いを否定しない

  • きょうだいの理解の度合いに合わせて特性について説明する

  • きょうだいの様子に目を配る

  • 過剰な期待をかけないよう留意する

  • 親と一対一で過ごす時間をつくる

  • がんばっていることに気づいてほめる

6.中学生以上のきょうだいの思い

 中学生以上になると、以下のような思いを抱くことがあります。

  • 障害について自分で調べられるようになり、自分なりの考えをもつ

  • 自分がしっかりしなくてはという責任感が強くなる

  • 親の大変さを知り、心配したり気づかったりする

  • 将来への不安を抱く

7.中学生以上のきょうだいへの対応

 これらの思いに対しては、以下のような対応を心がけましょう。

  • 質問されたらあいまいにせず、ていねいに説明する

  • きょうだいの存在が心強く助かっていると伝えながらも、過剰な期待をかけないよう留意する

  • 発達障害のある子にはさまざまな支援があり、家族だけで支えていくわけではないと理解させる

最後に
 
発達障害のある子どもを育てる家庭において、きょうだいもまた特有の悩みを抱えています。その思いにしっかり向き合い、親としてできる限りのサポートをしていきましょう。家族全員が協力し、理解し合うことで、より健全で温かい家庭を築くことができます。親御さん自身も、自分を責めることなく、ゆっくりと時間をかけて家族の絆を深めていってください。


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