水上伊織

はじめまして。水上伊織と申します。これまでビジネス誌やライフスタイル誌系の編集プロダク…

水上伊織

はじめまして。水上伊織と申します。これまでビジネス誌やライフスタイル誌系の編集プロダクションで編集記者をしてきました。経験を積むなかで、自分の好きな分野で書いていきたいという思いが強くなってきました。自分のこだわりの分野で物書きとして生きていければと思っています。

最近の記事

幻想的な絵の中に込められた思い

ジャン=ミッシェル・フォロンの大回顧展開催  先日、東京ステーションギャラリーで開催中の「空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン」展(2024.7.23~9.23)に行って来た。  こちらは前回の展示会に行った際に、次回展示会のチラシとして3種類の違う絵柄が置かれていた。いずれもパステル調でふんわりとした絵柄に惹かれて絶対に観に行きたいと思っていたものだ。  フォロンは「20世紀後半のベルギーを代表するアーティストのひとり」だそうで、日本での大回顧展は30年ぶりにな

    • 細やかな気配り溢れる五島美術館

      閑静な住宅街にある美術館  先日、東急大井町線の上野毛駅から徒歩約5分のところにある五島美術館を初めて訪れた。こちらは東急グループの礎をつくった五島慶太翁(1882~1959)の敷地の一部を美術館にし、五島氏が半生をかけて蒐集した日本や東洋の古美術品を中心に展示している。  駅から美術館への道のりはたったの5分だが、この辺りにはまだ大きな邸宅が残る。相続税などの問題で土地がどんどん切り売りされ、同じような味気のない家が建てらていくのとは違い、ゆったりとした区画に大きな木々

      • 年齢に関係なく流行りを日常生活に

        若い世代は抵抗なく使えるSNS  天気予報が聞きたくて、起きて早々にラジオをつける。天気予報を流している所に適当に合わせた。昨日よりも気温は少し抑えられているのかと、少しほっとしながら朝の支度をする。ラジオはそのまま流しっぱなしにしておき、聞くともなしに聞いていた。  すると若者の間での流行についてが話題に。聞い流していただけなので詳しいことは忘れてしまったが、今回の都知事選ではSNSを駆使した候補者が2位に食い込んだことが話題になった。その候補者を支持した層は若い頃から

        • 3代将軍徳川家光に献上した伊東温泉・和田寿老人の湯

          創業はなんと400年以上前!  本日(2024年7月8日)付けの伊豆新聞1面に、「入浴200万人『ありがとう』」というタイトルの記事が掲載されていた。伊東市竹の内にある共同浴場「和田寿老人の湯」(通称・和田湯。以降、和田湯と記す)の入浴者数が7月に200万人を突破したのだという。  いつから記録を取り始めたのかは記載されていなかったが、こちらの共同浴場、創業は400年以上前の慶長3(1598)年とかなりの歴史を持っている。  しかもこちらの湯は、慶安3(1650)年に3代

        幻想的な絵の中に込められた思い

          スター、それとも悪質ないじめ?

          軽いノリの「〇〇ハラスメント」  最近、〇〇ハラスメントという言葉を聞かない日はないというほどよく聞く。今日もラジオをつけた途端「それってカスハラ(カスタマーハラスメント)じゃん!」というラジオパーソナリティの声が飛び込んできた。リスナーさんからの投稿で、職場でお客様からクレームを受けて落ち込んだという内容に対しての反応だったようだ。  いったいどのようなクレームだったのかは触れられていなかったため、本当にカスハラにあたるのかは不明だ。こういった場合、第三者が「〇〇ハラス

          スター、それとも悪質ないじめ?

          この夏はヨガで筋肉量と保水力をアップ

          初めての本格的なレッスン  熱中症警戒アラートが連日発表されるなど、西日本を中心に関東一円でも猛暑日が続いている。日中の外出はなるべく控えているが、それでも一日の終わりにはどっと疲れが出てしまったほどだから侮れない。  都心部から移住して早や1年が過ぎた。時間的な余裕ができたこともあり、少し運動をしようと街が主催するヨガ教室などに通い始めた。ヨガは、コロナ禍に勤務していた会社がスポーツクラブと契約をして、オンラインでヨガやピラティス教室を配信するサービスを開始した際に、

          この夏はヨガで筋肉量と保水力をアップ

          彩色彫刻家、平野富山展を観て

          平野富山って誰?  7月4日(木)の静岡市は予想最高気温38度の猛暑日。目的の美術館は駅から地下ルートで行けるため、多少暑くても熱中症にはならないだろう。それでも熱射病警戒アラートが発令されていたこの日、少しでも涼しいうちに移動しようと早めに家を出た。  今回の行先は静岡市美術館。こちらは7月15日まで「平野富山(ひらの・ふざん)展」を開催中だ。チラシには「静岡ゆかりの作家の全容を紹介する初の回顧展!」「平櫛田中(ひらくし・でんちゅう)と歩んだ彩色木彫(さいしきもくちょう

          彩色彫刻家、平野富山展を観て

          政治への関心・無関心

          都民をバカにしている?  今年2024年の7月7日に都知事選挙が行われる。今年は異例の56人もの候補者がおり、「ポスター掲示板が足りなくなる」「政見放送が通常のニュース番組を圧迫している」(6月28日付東京新聞より)などと報道される事態に。その割には投票日1週間前というのに、筆者が街で見かけたポスター掲示板には空欄が目立っていたように思う。場所によるのかもしれないが。  各立候補者の公約なども、首をかしげるものが多かった。あまりにもバカにしている内容で、途中で読むのを止め

          政治への関心・無関心

          単眼境って最強

          首から下げている小さな筒は何?  美術館に行くと、5センチほどの小さな筒状の黒い物を首からぶら下げている方に出会うことがある。時折、手にしては片目に当てて絵を熱心に鑑賞している。 「なんだろう、あれ。よく見えるのかな。企画展の入り口で貸し出しなどしていたのかしら。見落としたかな」 などと思っていたのだが、よく見ると人によって形状やメーカーが微妙に異っているようなので、個人の持ち物らしい。  観終わった後、念のため再度企画展の入り口付に行って確認してみたのだが、貸し出しして

          単眼境って最強

          地形も残る貴重な宇佐美の石丁場

          丁場とは何か  先日、伊東市生涯学習課が主催する、令和6年度生涯学習講座「市民大学<伊東の歴史巡り」に参加してきた。3回にわたって開催されるもので、第一回目は宇佐美にある、江戸城の石垣に使われた石丁場(いしちょうば)跡地を見学する。  午前中はコミュニティセンターで石丁場について学んだ。「丁場」とは作業現場を意味する言葉とのこと。石を切り出す作業をする場所だったので、「石丁場」と呼ばれた。大部分は石丁場の石だが、なかには海岸で採れる石もあり、こちらは「浜丁場」というのだそ

          地形も残る貴重な宇佐美の石丁場

          優良タクシードライバーの心がけ

          危険行為とも思わない、危険な歩行者  タクシーを利用した際の事。信号のない歩道のところで横断歩道を渡るかどうしようか迷っているように見える女性がいた。タクシーが停止線で止まるも、まだ決めかねているようなしぐさを見せている。  運転手さんが窓を開けて「渡るの?渡らないの?」と尋ねると、目をぎゅっとつぶり激しく顔と手を横に振りながら「渡らない、渡らない」と言うなりくるりと向きを変え、何事もなかったかのようにすぐ後ろにいた友人達の輪に入っていった。  どうやら反対側にも友人

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          気になるのは足袋の色

          足袋の色といえば?  先日、太田記念美術館(東京都渋谷区)へ「月岡芳年 月百姿」を観に行ってきた。月岡芳年(つきおか よしとし/1839~92)の晩年の作であり代表作でもある「月百姿(つきひゃくし)」。タイトルの通り、月にちなんだ物語を題材に100点からなる作品を前期(2024.4.3~29)と後期(5.3~5.26)に分けて紹介する展示会だ。  実は浮世絵に興味を持ち始めたのはごく最近のこと。だが見始めるといろいろなところが気になってくる。今回は月…ではなく足元、とく

          気になるのは足袋の色

          外国人観光客の頭の中はクエスチョンマークだらけ!?~観光立国を目指す日本よ、それでいいのか?~

          浮世絵って面白い  先日、太田記念美術館へ「深堀り!浮世絵の見方」を観に行ってきた。浮世絵に関しては特に知識があるわけではないし、前準備もせずにふらりと訪れたのだが、これが個人的にものすごく面白かった。  同じ構図の、最初のほうに刷られたものと、だいぶ後に刷られたものが2枚並べて展示してある。版を重ねるごとに色や線が異なっていたり、職人の手抜きによるものなのか、色合いや微妙なぼかしが無くなっていたりする。何らかの事情で傘に書かれた文字が違っているものも。  他にも、線

          外国人観光客の頭の中はクエスチョンマークだらけ!?~観光立国を目指す日本よ、それでいいのか?~

          子どもに影響大?社会科見学

          社会科見学で腕が上がる!?  「ウチの小学校、社会科見学は茶揉み体験だったよ。1年から6年まで全校生徒がお茶農家に行って、茶揉み体験するんだよね。毎年行ってたから、茶揉み得意だよ」  先日、博物館で稲の生育や田植えに関する展示物を見ていたら、後ろにいた20代と思しき女性の会話が聞こえてきた。静岡出身だというその女性の話では、どの学年もクラスに必ずお茶農家の子が2~3人はいるのだそうで、全校生徒が分散してどこかの茶農家に行き、茶揉みを体験するのだとか。思わず話に交わり根掘

          子どもに影響大?社会科見学

          感謝の意を携帯のライトで

          4年ぶりに開催!の花火大会  去る10月21日(土)、4年ぶりに開催となった第45回世田谷区たまがわ花火大会へ友人と一緒に行ってきた。一緒に行った友人は、こういうところでの場所取りにものすごく良い勘を持ち合わせている。彼女はウロウロするでもなくバッチリな場所をパッと見極めてしまう力の持ち主だ。  今回も「出遅れたかな。もういい場所は残っていないかも」と言いながらも、素早くあたりを見渡し、場所取りシートやビニール紐で囲われた地面の間を縫うようにしてズンズン歩いていく。

          感謝の意を携帯のライトで

          バラが咲いた!

          家に連れて帰ってと訴えてくれたバラ  いきなりで恐縮だが、3月12日は父の命日。今年の命日は近所にできた、「ロスフラワー」と呼ばれる売れ残りの花を廃棄せずに販売するフラワーショップで一輪の白いバラを購入した。店内にあったたくさんの花はロスフラワーと呼ばれるだけあって、どれも満開状態。その中から、どこか呼ばれるような気がして、白いバラを選んだのだ。  花は1週間ちょっとでしおれてしまったと記憶しているが、葉がとても美しくずっと飾っていた。枯れないな、まだ持つかな、と思いな

          バラが咲いた!