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バラが咲いた!


家に連れて帰ってと訴えてくれたバラ

 いきなりで恐縮だが、3月12日は父の命日。今年の命日は近所にできた、「ロスフラワー」と呼ばれる売れ残りの花を廃棄せずに販売するフラワーショップで一輪の白いバラを購入した。店内にあったたくさんの花はロスフラワーと呼ばれるだけあって、どれも満開状態。その中から、どこか呼ばれるような気がして、白いバラを選んだのだ。

我が家に来てくれた時のバラ(2023.3.12撮影)

 花は1週間ちょっとでしおれてしまったと記憶しているが、葉がとても美しくずっと飾っていた。枯れないな、まだ持つかな、と思いながら時々水を入れ替えていたのだが、ある時、茎の先から根が出ているのを発見。これはもう、我が家に来てくれたと思うしかない、どうかこのまま育ってほしい、と思いながら育ててきた。

土にお引越し

 たまに花瓶の水を足してあげていただけなのに、しかも長距離の引っ越しもあったというのに、青々とした葉をつけ続けてくれて、根も長くたくさん出してくれていた。夏が来る前に、そろそろ土に植えてあげないとなと思っていたのに、ひと夏を越してしまった。さて、いつ土に植え替えてあげればいいのやらと思いあぐねていたのだが、インターネットで植え替え時期を調べてみると、いつでもいいらしい。

 さっそくバラ用の土を購入したはいいのだが、さらに放置すること数週間。さすがに暑さも落ち着いたし、いい加減植え替えてあげないとまずい。ということで、ようやく重い腰を上げ10月のとある週末に植え替えてみた。最初は水から土へと急に環境が変わり、少し苦しそうだったものの、なんとか耐えてくれた。えらい!

 少しだけ茎の長さも伸びてくれたので、重くなった茎を支柱で支えてあげた時に、つぼみらしきものを発見した。まさかね、新しい葉が出てくるだけだよね、などと思っていたのだが、なんと本当につぼみだったのだ。

開花寸前のバラ。つぼみをつけてくれたことに感動

お帰りって咲いて待ってくれていたバラ

 今週は1泊2日の予定で、以前住んでいた近所の病院へ行くために家を開ける必要があった。その朝、開花寸前の美しい姿を見せてくれていたのだが、昨夜帰ったら見事に開花してくれていた。

 家で帰りを待っていてくれたような、出迎えてくれたような気持ちになり、疲れも一気に吹き飛んでしまった。一輪の花がこんなにも心を癒してくれるとは。思わず花に向かって「ありがとう!」と言ってしまった。

 そして今日も美しい花を窓に向かって咲かせてくれている。筆者は嗅覚がない(子どもの頃は強い香りのみ判別できたが、大人になり完全に消失してしまった)為、香りを嗅ぐことはできないが、恐らくは芳香を放ってくれているに違いない。

これからもずっと一緒に

 切り花から根付いて花を咲かせてくれる確率がどのぐらいあるのか、筆者にはわからない。

 だが、あの父の命日に、たくさんの花の中から連れて帰って欲しいと訴えてくれた白バラ。訴えてくれた分だけ、我が家の雰囲気にマッチしてくれたのかなと思う。というのも以前、植物が大好きで育て上手な人から「その家に合わないと、やっぱり枯れちゃう」と聞いたことがあるからだ。

 今はこのバラが、この先何年もずっと元気で一緒にいてくれることを願っている。試行錯誤を続けながらになると思うが、バラと一緒に成長していけたらいいな。バラが発してくれる声を大切にしながら。

嬉しくて、何枚も同じ構図の写真を撮ってしまった!ありがとうという感謝の気持ちでいっぱい


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