源氏物語の色 32「梅枝」~紺瑠璃・白瑠璃~
「梅枝」のあらすじ
―――光源氏は、娘である明石の姫君の裳着の準備に忙しくしていた。六条院の女性たちは光源氏に依頼され、伝来の名香でおのおの薫物の調合をし、紅梅の盛りには薫物競べが行われた。明石の姫君の裳着が行われ、続いて東宮の元服。そして明石の姫君の入内は四月となったーーー
「梅枝」の帖は香りに包まれている。
光源氏は、紫の上をはじめ花散里、明石の君、朝顔の前斎院に薫物の調合のために今昔様々な香の材料を取りそろえて配り、二種類ずつ調合するよう依頼する。
香を鉄臼で搗く音が