ラーメン4.0@開業日記#73 テンション・リダクション効果
今日は心理学の効果でテンションリダクション効果を考えていこうと思います。難しそうな名前ですが、レジ横に置いてあるお菓子の解説と思ってもらえればと思います。
それでは今日も最後までよろしくお願いいたします。。
テンション・リダクション効果とは
「心理的な緊張状態」が解消されたときに、注意力が散漫になり警戒心が弱くなるという心理効果です。
「テンション・リダクション効果」の「テンション」とは「緊張」を意味し、「リダクション」とは「解消(消滅)・削減」を意味しています。
マーケティング・販促における「テンション・リダクション効果」は、「どの商品を買おうか迷う緊張感」を乗り越えて購入を決断した後に、緊張感がゆるんで「ついで買いしやすい、無防備な心理状態」になってしまうことといえます。
人はネット通販・店舗でも商品購入を検討しているときには、「この商品が本当に必要だろうか?」「他にもっとコスパの良い商品があるかもしれない」「この商品の価格は適正なのか?」など色々なことを考えて迷っている「緊張状態」にあります。そして、いったん商品購入の決断をしてしまうと、この緊張が解消されて「注意散漫・無防備(無批判)な心理状態」になってしまうのです。
「テンション・リダクション効果」が生み出すこの「注意散漫・無防備(無批判)な心理状態」こそが、関連商品をおすすめされると「ついで買い+まとめ買いをしてしまう心理状態」になります。
例えば、アパレルショップでは顧客が悩みながらも洋服の購入を決断した後の会計時に、「このお洋服に似合うベルトもご一緒にいかがですか?」と薦めると、有意に購入率が上がることが知られています。
テンション・リダクション効果が使われている事例
「テンション・リダクション効果」はAmazon・楽天のECだけでなくスタバ・ガストなど実店舗でも活用されています。
ECでの「テンション・リダクション効果」の活用
「テンション・リダクション効果」をマーケティングに活用している典型的な事例として、Amazonの「関連商品を紹介するレコメンド機能(推薦機能)」があります。
Amazonのサイトでは最終的な決済画面に進む前に必ず「よく一緒に購入されている商品」と「この商品を購入された人はこんな商品も買っています」というタイトルで膨大な数の関連商品のレコメンドを行っています。
すでに商品の購入を決断して、緊張が解消されている無防備な心理状態の顧客は、このAmazonのレコメンドを見て「ついで買い+まとめ買い」をしてしまう可能性が高くなります。
また楽天もAmazonと類似の「関連商品のレコメンド機能」を採用しています。楽天は特にメール・マーケティングに力を入れていて、商品購入後の「サンクスメール」に「最近チェックした商品」や、「おすすめの商品」「キャンペーン広告」を貼ることで「ついで買い」を増やそうとしています。
リアル店舗での「テンション・リダクション効果」の活用
「テンション・リダクション効果」はECのネット通販だけではなく、実店舗を構える飲食・小売・車のディーラーなどのビジネスでも自然に活用されています。
スターバックスなどのカフェチェーンでは、普段カフェを利用しない顧客があれこれ迷ってドリンクを注文した後に、愛想の良い店員が笑顔で「サンドイッチなどお食事もいかがですか?」と勧めると、かなりの確率でショーケースの中のパンなどを指差して「ついで買い」をしてくれます。
また、大手ファミレスのガストでも、レジ周りに子供が好きそうなお菓子・おもちゃの簡易な売り場を設けていて、顧客が食事の会計をするときに「(子供にねだられての)ついで買い」を強く誘発しています。
上記で上げた例で様々なお店でついで買いの施策をよく見ます。私が一番ラーメン店で相性がいいと思うのは、注文を取り終わった時のお薦めです。昼であれば相性の良いトッピング、祝日や夜であればアルコールなど、お客様の背中をポンと押してあげる感じで声を掛けると意外と買ってくれたりします。
それではまた明日!!
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