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哲学・道徳(倫理)

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#遠入のどか

同調圧力は一人一人が作る~後編

同調圧力は一人一人が作る~後編

先週は、同調圧力について見てきた。

同調圧力とは関係ないものを同調圧力と言っていないか、
同調圧力があると勝手に決めていないか、
そんな話をした。

今週はその後編。

主体的に生きる相手が変われば自分が変わるのか

例えば、ジェンダー問題に憤慨する女子学生がいたとしよう。

答えは、「制服のような格好で行かなくてもいい」し「スカートでなくてもいい」だ。
いや、そんな会社に入りたくないなら、制服

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ノーマライゼーションについての補足

ノーマライゼーションについての補足

何の話かというと、庵忠名人のこの記事。

こちらの記事を拝読し、自分を守りつつ周囲に合わせて自分を変えながら表現する敬語はやっぱいいな!と一人悦にいっておりましたが、ちょっとノーマライゼーションについて補足したく、コメント欄では収まらなさそうだったので、一つ記事にしました。

障害者を “普通” と違う人と見るのではなく、ごく自然に、そういうこともありうるという意識をもつこと
これは庵忠名人が言っ

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中心化の論理~ローレンス・シルバーマン(1)に寄せて

中心化の論理~ローレンス・シルバーマン(1)に寄せて

子どもが聞きました「改心ってなあに?」
親が答えました「あっちからこっちへ来ることだよ」
子どもが聞きました「裏切りってなあに?」
親が答えました「こっちからあっちへ行くことだよ」

昔、何かで読んだ話です。今回でようやく私の「ローレンス・シルバーマン(1)に寄せて」も最後になります。庵忠名人、ありがとうございました。

寄らば大樹長尾達也氏の言う「中心化論理」をまず私なりに解釈してみましょう。

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責任の所在~ローレンス・シルバーマン(1)に寄せて

責任の所在~ローレンス・シルバーマン(1)に寄せて

すみません。流れはもうローレンス・シルバーマン(2)に進んでいるんですが、私はまだ言いたいことを言い終えておりませんので、ここにこだわらせてください。

今回は森氏の女性蔑視発言について、発言の内容ではなくその取り上げられ方の問題について書きたいと思います。

「女性というには年」発言は、また話が広がってしまうので触れません。

一、外交上の失敗オリンピックとは何のために行われるのか。
東京都オリ

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格差も差別もある、そこから始めよう

格差も差別もある、そこから始めよう

「平等!」とか「差別はダメ!」とか叫ぶ声があちこちから聞こえてくるんですが、本当かなぁという話。

平等って何が平等なんでしょう。
世の中には字を読むことすら教わったことがない人たちや、せっかく生まれても大人になる前に餓死したり栄養失調で死んでいくていく子どもたちがたくさんいて、もちろん日本でもネグレクトなどの虐待で死んでいく子どももいますが、それでも比較で言うなら日本に生まれ落ちた時点でかなり恵

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もう遅いのかもしれない『アフター・リベラル』~読書感想文#23

もう遅いのかもしれない『アフター・リベラル』~読書感想文#23

政治・経済の苦手な私には、この本はかなり難しかったのですが、これは伝えなければいけないことが書いてあると思いましたので、ご紹介します。

敬語の前提が崩れるかもしれない私は常々、敬語は相互尊重だと言っています。先日も「敬語は相互尊重のために使う」「日本の敬語は相対敬語です」とお伝えしました。

しかし、近いうちに、相対敬語から絶対敬語に移行するかもしれません。

五つのリベラリズムこの本の難しさを

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