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2023年 新人ブログ⑥ 制作室インタビュー ~「校正・校閲」ってどんな仕事?~

皆さん、こんにちは。入社2年目のNです。
5月になり、弊社のショーウィンドウの飾りも新しくなりました!

さて、先週に引き続き、今週もインタビュー記事をお送りします。 
今回は制作室の先輩、Oさんにお話を伺いました。
校正・校閲の仕事に興味がある方必見です!  

校正・校閲には「コミュ力」が必要?

 
――Oさん、よろしくお願いします!
さっそくですが、制作室の業務である校正・校閲は、就活生にとって「ひたすら文字と向き合う仕事」というイメージなのではないかと思います。
ですが、実際には文字を通して著者の方や企画者に配慮して指摘する、ある種の「コミュ力」のようなものが必要なのかも…と研修を通して感じました。
いつもどういったマインド・考え方で校正されていますか?

 
仰るとおりです。個人的には校正・校閲よりも、むしろ著者や企画者、組版オペレーターさんへの伝え方でいつも苦慮しています。
著者は十人十色。しかも、著者と直接話したり顔を合わせたりする機会はないので、企画者から聞き出した情報から人物像を想像するしかありません。
 
それに、間違いを指摘されるのって、頭では必要な工程とわかっていても、嫌なものじゃないですか。なので、言い方を工夫したり、ときにはさらりと指摘したりと、できるだけ相手の気持ちに寄り添えるよう心掛けています。
  
 

先輩が語る、校閲のモチベーションとは?

 
――相手の姿が見えない分、いっそう気を遣う必要があるんですね。
制作室の業務はミスが残ると目立ちますよね。「おもしろ誤植集」みたいな記事がネットに上がったり…。
一方で、スーパーセーブは、セーブしたがゆえに人には知られません。就活生から社員への質問では、「やりがい」が鉄板テーマだと思いますが、そうした中で、どのようにモチベーションを保っているのか、気になりました。

 
たしかに99のファインプレーではなく、1のミスにスポットライトが当たる仕事です。
それでも会社の信頼がかかっているという気持ち、そして、会社からの信頼に応えなければという気持ちで取り組んでいるので、やりがいは大きいと感じますし、原稿からブラッシュアップを重ねる過程を見守り続けた本が世に出ていくのは感慨深いものがあります。

それと、ファインプレーはそのとき近くにいた人や企画者にひとしきり自慢しています(笑)
あと、飯田橋は美味しいご飯屋さんが多いので、ミスをして落ち込んだときは贅沢ランチで気持ちを立て直しています。
 
  

楽しい業務は何ですか?

 
――ランチはよいリセットになりますね(笑)
今、落ち込んだときのお話が出たので、反対に制作室の仕事で楽しかったことや、好きな業務について教えてください。

 
最近は著者のカラーを生かす方向での校正・校閲を考えるのが楽しいです。
「○か×か」の視点で全てをがちがちに整えてしまうとその本の個性も失われてしまいます
とはいえ何でもかんでも許容してしまってもいけないので、良い塩梅が大切です。この調整がなかなか難しいのですが、最近は少し掴めてきたように感じています。それもあって、好きな業務は校正・校閲業務でしょうか。

なお、制作室の業務は校正・校閲の他にも、書籍作成のスケジュール作成・進行管理、法令の改正情報の収集、六法の作成、増刷対応、電子書籍校正など多岐にわたります。業務ごとに毛色が異なるので、得意分野・苦手分野は人によって分かれるところです。 
  

「校正・校閲」を一言で表すと?

 
――では、最後の質問です。ずばり、Oさんにとって「校正・校閲」とは何でしょうか?
 
宝石の研磨のような仕事だと思っています。
手渡された原石に、その原石の魅力が一番伝わるカットをほどこし、ぴかぴかに磨き上げる。
その原石の持つ魅力を最大限引き出すような、そんな校正・校閲ができたら良いと思います。
 


 
Oさん、素敵なご回答ありがとうございました!

制作室の実務における人との関わり方や、モチベーション、業務内容についてよりイメージが掴めたのではないでしょうか?
「校正=文字を読む仕事」以上の想像ができる記事になっていたら嬉しいです。
 
次回は営業部と総務部のインタビューをお届けします。
お楽しみに!