ガラス越しに見ていた外の景色に惹かれていく
がくさんです。
地方公務員6年・国家公務員2年(出向)・民間企業(IT企業)2年を経て、個人事業主として独立。現在はクラウドファンディング企業のキュレーターとして働きながら、認知科学のプロコーチとして活動している32歳一児のパパです。
公務員から民間企業へ転職することを決めた理由の話(前編)です。
※当時(2018年頃)の心境です。
※現在(2021年時点)認知科学コーチングを学んでいるからこそ、当時(2018年頃)マインドのエラーを起こしている部分が多々あるなと思いますが、当時自分が思ったととして、事実は事実なので、そのまま書きたいと思います。
【①本気で仕事に向き合う人は最高にクール】
(中小企業支援関係の部署に所属していたため)創業者や中小企業の経営者、職人さん達と接する機会が多く、仕事への向き合い方や仕事へのこだわり、価値観に触れることで、純粋に「かっこいいな」「羨ましいな」と思っていたことに気づき、その一方で自分はどうなのか疑問を抱いていました。
公務員の業務の中では比較的、人の人生を応援する(物事をプラスに進める)部署にいたと思います。
公務員の仕事には世の中のマイナスを取り除いてあげる仕事や、自治体をPRして世の中の認知度を上げる仕事(広報等)、窓口業務、組織内部の情報基盤を支える仕事(情報システム)など、多岐に渡ります。
全てが全て「楽しかった」の一言で終わるわけではありませんでしたが、業務に従事する中で、「かっこいい大人」に触れる機会が多く、良い刺激をいただいたと思います。
思い悩むこともありましたが、ワクワクもしましたし、こういう方々を応援したいと思って業務にあたっていました。
この経験も踏まえて、行政の立場(支援者)ではなく、同じフィールド(ビジネスの世界)で仕事をしたらまた自分の価値観が広がるのではないかと思いました。
当時はまだ息子はいませんでしたが、結婚していて子どもができた時に「かっこいい大人になれているかな、どうかな」って考えてました。
思ったんですね
あっ、これは違うなと。
私の父は経営者なのですが(その割に息子は公務員の道を選んだという)、常々「お前が好きなように生きろ」と言われて育ってきました。
学生時代の私はなりたくて公務員になったので、その時の職業選択は間違いではありません。が、このタイミングで改めてこの言葉のを思い出したこともあって、転職を決めました。
てか、
うん、
このかっこいい大人って親父じゃないか?
(これこの記事書いていて今改めて気づきました)
結論、父親は偉大です。
【②What is your Passion?】
②自分が公務員という立場で、どの部署(公務員は数年で部署異動というものがあります)に行っても、ずっと情熱を持って仕事をすることができるか考えた時に、活躍している将来像が描けなかったこと(その気概がなかったこと)。
※ここから、地方公務員(事務職)を想定して書きます。
地方公務員として働く前、公務員の面白さは様々な切口(子育て、高齢者、福祉、産業、観光、広報等)で地域に対して仕事ができるということだと思っていました。
公務員は大体3~5年間スパンで部署間異動します(中には10年近く同じ職場にいるような猛者がいたり、異動といっても課内の係異動だったり、稀に私のように官公庁へ出向したり、別の自治体へ派遣される場合など様々あります)。
公務員の異動は転職と同じです。
0からのスタートです。
異動先では全く知らなかった法律や条例、制度、事業に加えて、課内のルールなども一から把握していく必要があります(とは言っても仕事やっていれば覚えます)。
公務員がゼネラリストと呼ばれる所以ですね。
私は子育て支援部署で3年従事し、(経済産業省への出向を2年はさみ※今回の記事では詳細割愛)産業経済部署で3年働きました。
子育て支援部署では子育て世代向けに窓口相談業務に従事しました。
産業経済部署では中小企業の経営者向けの経営支援業務に従事しました。
前述のとおり、
仕事のルールが違います。
職場の雰囲気も違います。
同じ課でも係によって違います。
支援する対象の方々も違います。
私は産業畑が好きでした。自分の性分に合っていたんだと思います。一般の市民の方というよりも経営者層の方々と接する時間が多かったですし、外部の熱量のある人に触れる機会も役所内の仕事の中では比較的多かったと思います。
そんな自分が、
産業畑以外の部署に行ったときに、
同じ思いで仕事ができるか。
思えませんでした。
自分の働く姿が浮かびませんでした。
職員の中にはどの部署に配属されても、現場の課題を把握して前に進むためにご活躍されてる方もいますし、ゼネラリストとして様々な部署で積んだ経験が、後に施策決定時や関係部署との折衝、事前根回しなど様々な場面に活きてくるというメリットもあります。
もしも、
僕が転職を決断せずに公務員を続けているとしたらそれは、その地域が自分の地元であったり、好きな街であったり、街のことをよくしたいという強い思いもあったんだろうと思います。
その地域に住んでいて、自分の子どもが住んでいたとすれば、なおさら自分の子どもの住む街をよくしたいって思ったかなと。
この記事を読んでいる中に公務員志望の方がいらっしゃったら、志望先を考える際の1つの指標として頭の隅においてくれるといいかなと思います(大きなお世話だとしても、大事なことだと思うので伝えます)
【③早すぎる社会変化】
時代変遷のスピードを考えた時に、市場価値を上げるためには、民間企業のほうが自分にとっては良い選択肢だと考えたことです。
公務員になったのは、2011年4月です。
公務員を辞めたのは、2019年3月です。
公務員として合計8年間勤務しました。
最初の3年間が子育て支援部署、
残りの5年間は産業経済部署、
(間に経済産業省への出向を経験しました)
産業経済部署で業務に従事してからだと思います。経済、産業における世の中の出来事や時代の流れを意識するようになりました。特に年々そのスピードが早くなっている、DXですね。
ちょっと恐怖を感じました。
行政の外の世界に目を向けると、
その時代の変化に適応しようと、
その時代を乗り越えようと、
その時代を楽しもうと、
そう思って仕事をしている方々がいました。
ビジネスの世界と役所の世界
競争市場の中で提供したサービス価値の対価として、お金を得て生活している人と、公共財、公共サービスの経費として法律に基づいて国民が負担する税金から給料を得て生活している人
同じ感覚をもって生きるのは難しいと思います。
時代の変化に敏感なのは言わずもがなビジネスの世界。
自治体によってはRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション:業務自動化ツール)やクラウドサービスの活用による業務効率化を図ったり、民間企業との連携強化を図ったりと、今の時代に対応しようと頑張っている自治体もあります。職員の中でも危機感を持って取り組まれている方、実際に旧態依然の組織を変革しようと奮闘している職員もたくさんいます。
行政の組織体質に対して、
文句を言うだけのコメンテーター的職員
組織を引っ張っていく、
組織を変革していく職員
私はどちらもやめました。
前者はかっこ悪いから
後者はその想いが自分にはなかったから
身を置く環境を変えて
0からまた積み上げて
自分の市場価値(存在価値)をあげようと思いました。
民間、公務員のどちらでも市場価値はあげられると思いますが、市場からみた公務員は未知数で、どういった指標で判断するか難しい職業だと思います。
生涯公務員と考えているなら、
市場から見た自分を考える必要はないかもしれません。
目の前の社会課題、業務に真摯に取り組み、住民からの信頼、組織からの信頼、組織外部の関係者から信頼を積み重ねていくことで、自分自身の立ち位置、現状を把握するということでも良いと思います。
皆さんはどの環境に身を置いたら、
自分のありたい姿でいられますか。
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