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季節を味わう

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日本の自然や言葉の美しさについて、みのおエフエムの番組内で語ったことのまとめ。 主に、暦、季語、季節の花、季節の色について。
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2023年5月の記事一覧

夏の食材の俳句(季節を味わう#0008)

夏の食材の俳句(季節を味わう#0008)

「季節を味わう」では、第5水曜日にその季節の食材を詠んだ俳句をご紹介します。あくまでも素人の好みで選んでおります。

【トマト】子が捥いで太陽いつぱいになる蕃茄   細井啓司

トマトを捥いだことがありますか?我が家ではミニトマトを栽培していたことがあり、真っ赤に熟れたものを見つけて もぐのは朝の楽しみでした。
子どもにとってもトマトをもぐ作業はきっと楽しいのでしょうね。一つ、また一つ、捥いではザ

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5月の花の俳句(季節を味わう#0007)

5月の花の俳句(季節を味わう#0007)

「季節を味わう」では、毎月第4水曜日にその月の花を詠んだ俳句をご紹介します。あくまでも素人の好みで選んでおります。

【牡丹】今日見ねば雨の牡丹をいつの日に   市村不先

重なり合う牡丹の花びらに雫が宿っている様子を想像すると、もしかしたら晴れた日に見る牡丹より雨天の牡丹の方が美しいのかもしれないと思います。
雨の日に出かけるのは億劫になりがちですが、そんな美しい牡丹を見られると思えばむしろ雨も

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日本の色 5月(季節を味わう#0006)

日本の色 5月(季節を味わう#0006)

「季節を味わう」では、毎月第3水曜日に季節を象徴する日本の色をピックアップ。
5月にもたくさんの色があります。その中から私の好みで選びました。

【薔薇色】

苺色とどちらを選ぶか迷いましたが、薔薇色に軍配を上げました。
薔薇は中国から伝わり『古今和歌集』や『枕草子』、『源氏物語』にも登場しています。意外と歴史が古い花なのですね。当時は「ばら」ではなく「さうび(そうび)」と呼ばれていました。

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夏の季語「吹流し」(季節を味わう#0005)

夏の季語「吹流し」(季節を味わう#0005)

世界で一番短い詩、俳句。
「季節を味わう」では、毎月第2水曜日に季語を一つピックアップ。
その季語が使われている俳句も紹介します。あくまでも私の好みで。

【吹流し】

吹流しとは、気流の向きや流れを目視で確認するための設備で、古くから魔除けの意味でも用いられています。
子どもの成長を願って飾るこいのぼり。一番上になびく吹流しはまさに魔除けの意味を持っています。
吹流しに使われている5つの色、赤、

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2023年5月の暦・行事(季節を味わう#0004)

2023年5月の暦・行事(季節を味わう#0004)

「季節を味わう」では、毎月第1水曜日にその月の暦や行事をまとめます。

2023年 5月(皐月)1日(月) メーデー

 かつては「労働者の団結と主張の場」と位置付けられていましたが、現在は「働くすべての仲間の祭典」となっています。

2日(火) 八十八夜

 立春から88日、暦の上での夏の始まりである「立夏」を数日後に控えて、夏の準備を始める日。

3日(水) 憲法記念日

 1947年(昭和2

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