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5月の花の俳句(季節を味わう#0007)
「季節を味わう」では、毎月第4水曜日にその月の花を詠んだ俳句をご紹介します。あくまでも素人の好みで選んでおります。
【牡丹】
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今日見ねば雨の牡丹をいつの日に 市村不先
重なり合う牡丹の花びらに雫が宿っている様子を想像すると、もしかしたら晴れた日に見る牡丹より雨天の牡丹の方が美しいのかもしれないと思います。
雨の日に出かけるのは億劫になりがちですが、そんな美しい牡丹を見られると思えばむしろ雨も嬉しい。今日見なければ雨に濡れた牡丹を今度はいつ見られるかわからない、次の雨が降るときには牡丹の季節が終わっているかもしれませんものね。
【薔薇】
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己れ刺あること知りて花さうび 高浜虚子
「さうび」は薔薇の古い呼び名です。
薔薇は自身に棘があることを知っている、というこの句を読んだとき、私はアニメ『ベルサイユのばら』のオープニング曲「薔薇は美しく散る」を連想しました。
「薔薇は美しく散る」の歌詞はこちらを参照してください。
→ Uta-Net 薔薇は美しく散る/鈴木宏子
「薔薇は美しく散る」の歌詞を意訳すると「雑草として生まれてきた人は気楽でいいわね。だけど私は薔薇として生まれてきたのよ。平凡じゃないの。選ばれし者だけが知る苦悩もあれば、過酷な運命もあるのよ」という、かなり上から目線の歌なのです。
高浜虚子が言う、薔薇の「棘」とは、人を傷つけるためのものではなく、人から軽い扱いを受けたり、辱められることを防ぐためのもの。つまりはプライドや品格のことなのではないかな、と、これは私の勝手な解釈です。
(2023年5月24日)
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