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fuwari
2023年2月25日 13:42
都会とも田舎ともどこか違った風景のこの街はふと眺めるといつも朗らかな時を演出していた街路樹を歩く僕は悲しいほど美しい冬空に涙を誘われた幸せの羽根を乗せた気球がそこかしこに浮遊していてふと手を伸ばせば掴めそうな距離で僕の周りをくるくる回っていた本能と欲望の瞳は幸せを望みそれが快楽なのか幸せなのかぼんやりとした意識の中では認識を取り違えたまま残りの砂時計が物
2023年1月12日 22:17
あとどれくらいこの道は続いているのだろう私はいま生きているそうしてそれが永遠ではないことも生まれた瞬間から約束されている向こうの見届け人が遥か遠くに霞んでいた頃はとうに過ぎていつの間にか周囲のあちらこちらでその足音が聞こえてきたこの先あとどれくらい季節をめぐるのだろう冬の木漏れ日に天使と堕天使がはしゃいでいた人生の最終地点を歩くその背中は何を想う
2022年12月9日 21:36
また冬がやってきたあっという間に日が暮れていくその様は人生の短さをそっと忍ばせているようで時の贈り物は深淵だ未来への眼差しも季節ごと年を追うごとに暗転を変えて行く何ともなしに眺めた街の光景に心が揺さぶられたまらなく愛おしくそれでいて相変わらずつまらないことで右往左往して気が付けば去年の暮れとそれほど変わらない重たい荷物を抱えていたもうすぐ雪が降る
2021年12月31日 01:48
その先の向こうは明るいのだろうか移り行く季節とともに心と身体も変化を告げる予期せぬとも予め知っていたとも受け止められる北風の訪問は人々の忙しない足音をよそに容赦ない「短調だ」「変化がない」などと砂漠を歩くロバに嘆いていた若かりし頃の自分をあざ笑うかのように時は一刻も休まず1日の色合いは様々だ思うようにいかない1日とトントントンと駆け上がる1日と大
2020年12月22日 20:23
海を想う青空は様変わりした街の風景に無頓着だったそうして海を見つめて胸を焦がし小鳥のさえずりに想いを重ねた冬の訪れを知らせに来たムクドリいつもより活気のない街の様子に驚いて羽をパタパタさせたいったいどうなっているんだ?ムクドリは防波堤にひとり佇む老人に声をかけた「長いこと人びとは、目に見えぬ敵と格闘しているのじゃ。」古くからこの街に住む長老は過ぎ去った時の残像
2020年11月15日 22:59
もうすぐ冬がやってくる君と出逢った季節だ澄んだ空気と太陽が僕らを結びツグミが静かに祝福の舞いを踊っていた僕らの記憶は曖昧で細かく刻んだ365日といつも距離を置いていたそうして風の足音を聞いていたぼんやりとした風景の中でふたりは互いに笑い合えばそれはいつでも記念日になった刹那の巡りで回転木馬はまわり続け永遠の一瞬を僕らは見つけた地層の奥深く深海の中