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「足音」

もうすぐ冬がやってくる
君と出逢った季節だ
澄んだ空気と太陽が
僕らを結び
ツグミが静かに祝福の舞いを
踊っていた


僕らの記憶は曖昧で
細かく刻んだ365日と
いつも
距離を置いていた
そうして
風の足音を聞いていた


ぼんやりとした
風景の中で
ふたりは互いに
笑い合えば
それはいつでも
記念日になった

刹那の巡りで
回転木馬はまわり続け
永遠の一瞬を
僕らは見つけた
地層の奥深く
深海の中に

人生は
振り返ると短く
想像すると長い
手品師のトリックのようで
蜃気楼のように
逃げ足が速い

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