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一次創作/二次創作としての秋川まりえ②

騎士団長殺しの上巻で免色が主役に無理やり絵をかかそうとしたんだけど、不自然……といいますか気になる動きがあった。ヘッダ画像をお借りしています。これは表象下の免色が秋川まりえをダンボールに梱包し、連れ去ろうとしている絵……のイメージで借りました。

気になる動きとはいつもどおり主役に絵を書かせる行為を強要するところだけど、もちろん免色は強要などしない。なんかわからないけど書くか……という形にいつの間にかなっているから書いていることが多い。まさにそのような誘導の形こそが免色という人を表現しているとすら言えるだろう。

上巻(2巻)の29章の2ページめで免色は主人公に一度保留された秋川まりえ(免色の子供かもしれない中学生)の絵を書く依頼をまた聞き直します。

つまり(免色のことだから相応以上の)金をあげるよ、だから書いてよと。

でも主人公は「(すでに書く気まんまんなんだけど)『依頼』で書くんじゃなくて『自発的』に書かせてくれよ、と。

不自然な成分を排除したい。免色からの依頼および「示唆」の元に書くのは不自然であり、完成品にろくでもない影響が及ぶのでしょう。これに免色は身構えるほどの抵抗感を示した。これも珍しい気がする。といいますかこのページがこの上巻の肝と思えるほど面白い。

この理由は「ここまで一生懸命騎士団長殺しを読んで来、自らも何っかしらの一次創作をしたことがある人」だったらわかるのかもしれません。

一次創作って範囲が広い。別に絵や物語だけじゃなくて、工芸とか芸能とかだってそうです。

つまりここで、実は主人公が免色に事前連絡なく、事後報告すらなく一度秋川まりえの絵を書いていたという背景が響いてくるとぼくは思っています。

これはプライドがどうこう……ってのではなく、「自分から生まれいずるそれ」に従い、秋川まりえの絵という目標に向かって自分をチューンしていく行為こそが「絵を書く」である、という前提に基づけばそりゃそうなんちゃうかという感じのことだとぼくは思ってまして……

このページが意味深すぎて良すぎて、ぼくは前の章まで戻ってしまったほどだった。その中で、この適当な当該章内にある単語を適当にピックしただけなんだろうなと思ってた目次にある題名の羅列について、そこそこわかりやすい意味があるんだなと思い直すこととなった。

その中で顕著だったのは初めて騎士団長が可視化された章です。切れば痛みが血が出るぜ、みたいなやつです。一見関係なさすぎる用語ばかりピックアップされているのではなく、読んだら思い出せた。それはぼくが2周目だからでしょうか。

話がずれてしまったので続きはまた明日お会いさせてくだされ~~~~~~~~~~

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