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出産!育児!一生にがさん★彡

かくしてマイケル・コルレオーネはそれまで自分が思いっきり人殺ししたからアメリカからイタリアに飛んで、何年もノー連絡でその後再会した自分の女に半ば無理やりいいから結婚しろという寝取られ漫画もびっくりな結婚をして、出産!育児!一生逃がさん♡というような生活を強いたんだけど抵抗される。ヘッダ画像をお借りしています。

これがゴッドファーザー1のヴィト・コルレオーネつまりマイケルのパッパと対比されるんだけど、よくよく考えたら時代の推移を表しているんじゃないか?とも言えてしまう。

対比の意味は「ヴィトは見事なまでにゴッドファーザーとしてマフィアを築き上げたけど、その子どものマイケルはその基盤をだめにし、家族を不幸にしたよね」というもの。

しかしながらヴィトとマイケルは生い立ちがあまりにも違い、ヴィトは学歴一切なしで裸一貫でマフィアを作った。しかも第一子のソニーというぼんくら(のちに悲しいかなぼんくらだと発覚する)が生まれた頃ほぼそれと同時に、初めての殺人をした。その時のヴィトの感想みたいなものはまるっきり語られないため、ナチュラル・ボーン・キラーズのように捉えることもできる。まるで晩年の優しい瞳のヴィトは別人のようだ。もちろんマーロン・ブランドとロバート・デ・ニーロという別人が演じているので別人なんだけど。

それにしても若い頃のヴィトが初登場したとき、このナルシスト新庄剛志みたいな人がロバート・デ・ニーロだったとは微塵も気づかなかった。ロバートとアル・パチーノが共演――両者の時代は決して交わらないため、共演と言いづらいがそれも手伝い―――していたという事実を知るにつけ、後年ゴッドファーザーフォローな映画がこの2人を執拗なまでに起用する、あるいはこの2人に猛執する理由が理解できた気がする。昨日も挙げたアイリッシュマンなんてその完成形にして典型なのだろう。ロバート、アルといえばとりあえずマフィアにしておけ、というような意地を感じ、また市場もそれを求めたような気がする。ぼくが好きなミュージシャンがこぞってゴッドファーザーを好きだと言っていた理由がわからなかったが、単に礼服を着て非道なことばっかする感じがいいというわけじゃなかったんだろうと思えた。なぜならゴッドファーザーとは家族の物語であり、資本主義の中でいかにして戦うかの話しだから。

アルが正義で、ロバートが悪だった別の映画HEATも事前期待値ぶちあげまくりなのではなかっただろうか?アルが仇敵の、極小集団のボスだけどきわめて悪度の高いロバートを追い詰めるために連れ子が手首を切ったり妻がヒステリー起こしてゴミみてえな男を家に連れ込んでる場に夜勤あけ(といいますかずっと捜査してて刑事のアルには時間という概念がない)のアルが出くわすとかマジでもう……マフィアじゃない姿にマイケル・コルレオーネが生まれ変わったかのようだった。まるでどのような人生を送っても、マイケルは幸せになれないと言われているかのようだ。

ぼくは日本の古代政治とかにまるで興味が持てないからよく知らないんだけど、この妊娠!育児!一生逃がさん形態の生き様は徳川幕府とかの側室?みたいな人々にも強いられていたことだと思う。つまり為政者が成り上がりを持続可能にするためには出産育児一生逃がさん事情が必要になるといえる。

それが現代では男女問わず(男が言ったら問題な気がする)言えるようになったんだから不平等さがなくなって良いのかも知れません。

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