ツェッペリン揚羽 - 家をもっと早く出ていたら見通しの悪い歩道を見向きもしないクソばかガキと衝突していた現象について -

『パルプ・フィクション』ではサミュエル・L・ジャクソンのジュールズは取っ払われて、ジョン・トラボルタのヴィンセント・ベガ、ウマ・サーマンのミア・ウォレス、ブルース・ウィリスのブッチ・クーリッジなど、それぞれのキャラクターが個性的だねとか言われることが多い気がする。ヘッダ画像をお借りしています。

この前言ったようにジュールズのキャラクターは意味不明で、その哲学的な一面と暴力的な一面が対照的だった。聖書の一節の引用や、神の存在を信じるようになる過程は、映画のテーマと深く結びついているなどと思われないことが多い気がする。ジュールズは単なるヒットマンではなく、自己探求の旅を続ける複雑なキャラクターなんだけど、物語をタランティーノが望んだ方向に持ってくだけの人みたいに思われそうですね。狂言回しっていうんですか。

パルプには偶然と運命、善悪の相対性、贖罪といったテーマが織り交ぜられている。それぞれキャラクターの行動や物語の展開に深く影響を与えている。

偶然と運命のテーマは、キャラクターが予期しない状況に直面するシーンを通じて描かれている。例えばジュールズが奇跡的に銃弾を避けるシーンや、ヴィンセントがミアを救うシーンなどが挙げられる。

そのすべてがキャラクターの運命を大きく変えるきっかけとなっている。家を少しでも早くでていたら、ヘルメットの”付け”にあと2秒戸惑わなかったらクラブから返って来て誰のことも配慮しないで全速力でままちゃりを漕ぐくそばかなガキにぶつかっていた。

善悪の相対性のテーマはキャラクターの行動が必ずしも一面的ではないことを示している。ジュールズやヴィンセントはヒットマンでありながら善悪の境界を曖昧にする行動が描かれている。

贖罪のテーマは特にジュールズのキャラクターを通じて強調される。自身の過去の行動を振り返り、暴力的な生活から離れることを決意する。でもこの変化は、キャラクターの成長と自己発見の過程を描いており、それって普通だね。でもパルプフィクションは普通じゃないから普通であるジュールズは除外だね。とされてそうだねって昨日も言った。

ディック・デイルの「ミザルー」とか映画全体に流れる歌(歌詞はないからBGMというのが正しいんだろうけど)は、観客に映画の性格を理解させる。

非線形のストーリーテリングや強烈なキャラクター描写に目が行って、それまでの映画史ではなかったから不朽の名作と言われるのだろうか？とこれまで3回、過去も含めたらもうちょっとだけど、考えたけど結局わからんかった。

結局サミュエル・L・ジャクソンのジュールズが一貫してかっこよいと、でもジュールズは単なる狂言回しだからタランティーノが言いたいことを一言も言ってないのだと理解すれば、ぼくはタランティーノとは水と油ってことになる。でもぼくはジュールズを信奉できそうな気持ちがある。スワットのサミュエルもかっこよろしいが、シャフトとかヒットマンズワイブズとかのそれは、狂言回しがそのまま主役に来てしまったみたいで受け入れがたい物があった。それもあり、ジュールズがどうしても輝いてしまった。

その影響力は今後どのように衰えたり、見直されるのだろうか。いや、ジュールズのではなくパルプフィクションの